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東京都主催ピッチイベントに登壇して思った「生活者&社会全体にヘルスケアを広めるために最も大事なコト」

7月12日(月)、東京都主催「TOKYOウェルネス事業ネットワーキング2021 第1回」に、当社ウーマンズも登壇させて頂きました(ありがとうございました!)。当社含め約10社によるピッチとは別に、各企業がヘルスケア事業の取り組み状況について10分ずつ発表するプログラムがあり、そのときに感じたことをまとめてみました。

どんなに集中して聞いても、理解ができなかった

自社のピッチと同じくらいに、当日私がとても楽しみにしていたのが他社のヘルスケア事業の取り組み発表。自分がまだ知らないヘルスケアの世界を知れると思っていたからです。

しかし、いざスタートしてみるとどの企業様の発表もチンプンカンプンで、ちっとも理解ができない。相当集中して聞いてるし、当然当社は長い間、女性ヘルスケア市場で事業を行ってきているので、ある程度の専門用語も理解できてる(はず)のですが、全く頭に入ってこない…。

私自身の勉強不足もあるとは思うのですが、自分がバカになってしまったのか…(汗)と思い、隣に座っていたうちのメンバーに「理解できてる?」と聞いてみると「ちっとも」と返ってきました。

唯一理解できたのは、線虫がガンを嗅ぎ分ける技術

数社の事業発表のうち、唯一すぐに理解ができたのは、線虫がガンを嗅ぎ分けるという技術を持ってらっしゃる「HIROTSUバイオサイエンス」さんの発表。新しいがん検査のカタチとして「がん患者の尿に含まれる微量な匂いを体長約1ミリの線虫が検知する」というものです。

非常に面白く画期的なので、あっという間に引き込まれました。でもって「こんなすごい技術、もっと広まってほしいなぁ」と思い、「直接お話ししてみたい」と唯一心に残った企業さんでした。

意外に多い「つまり何なんだろう…」問題

仕事柄、学会の発表を聞いたり、ヘルスケア業界の重鎮さんのお話を聞く機会は頻繁にあるのですが、意外に多いのが「えっと…つまり何なんだろう…」問題です。

仰ってることはとても専門的で画期的で高度で優秀で 「うわー…よく分からないけどすごいなぁー」とは思うのだけど、聞き終わった後にちゃんと理解できているのか?っていうと、ほとんど理解できていない。むしろ「つまり今の話って、結局何だったんだ…?」となることが殆どです。

だいたいそういう場では、聴講者はみんな真剣に聞いているけども、ちゃんと理解できてるのかなぁ…?と、毎回余計なことまで考えてしまいます。

大事なコトは「難しい話を池上さんのように伝える術」

私自身が講演させて頂く機会が多いこともあり、また当社はメディアを運営していることもあり、またまた情報業を事業軸にしていることもあり、「小難しい話をいかに分かりやすく伝えるか?」をとっても大事にしてます。

そもそも小難しい話を、小難しく伝えてたら「理解してもらえない⇒共感してもらえない・興味関心を持ってもらえない⇒口コミ生まれない・問い合わせこない・協力者も現れない⇒購入して頂けない・健康の行動変容がおきない・グロースしない⇒社会は変わらない」という問題に当然、ぶち当たります。

「線虫がガンを嗅ぎ分ける」技術をお持ちの企業さんの発表はまさに、私自身の中で「理解できた⇒共感できた・興味関心を持った」だったので、近日中に個別にお話しせて頂くことになりました。こちらの企業さんからは、同イベントが終わってから後日ご連絡を頂いたのですが、私の中で最も心に残った興味深い企業さんだったので、ご連絡頂いてすぐに思い出し「ぜひ!」となりました。これが小難しい内容だったら、きっと私は「はて?どの企業さんだったかな…どれどれHPを見てみるかー。うーん…HP見てもよく分からん。忙しいし、よく分からないし、お断りするか」となっていたんじゃないかなぁって思います。

ヘルスケア領域の中でも、例えば産学官連携で取り組んでいかなければならないような事業については、規模もステークホルダーも非常に大きく複雑になっていくので、それをシンプルに一言で伝えるのは、それはそれでとても難しいことなのですが、でも難しい話を難しく伝えていては、いつまでたっても誰の興味関心も引きつけることができないから、生活者の健康行動は起きないし、社会実装も進まないし、デメリットだらけです。

小難しいトピック多い医療・ヘルスケア業界だからこそ一番大事なコトって「分かりやすく伝える」術なのかなーって思います。どんなに正論を叫んでも、結局、生活者や、他各ステークホルダーに興味関心を持って頂けないと、そのヘルスケア商品・サービス・取り組みは広まっていかないからです。

と偉そうに言ってますが、自社のアウトプットが全てちゃんと分かりやすいものになっているか?というと、きっとそうではないコトも多々あるはずなので、私たちも十分にそこは肝に銘じてます。

ちなみに上記プログラムが終わった後の、次のプログラムである、2分ずつのピッチに登壇された企業様の内容は、どれも非常に分かりやすかったです。ひょっとしたら「短く伝える!」ってなると、自然と分かりやすい伝える技術が身に着くのかなぁと思いました(あとはピッチ慣れしてる方々ばかりだったので、それもおおいに関係あるのでしょうね)。

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