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Casa Don Puglisi

暑い暑いとしか言葉が出ない毎日です。美術館は涼しいでしょ、といわれますけど、年中温湿度が一定なのは展示室と収蔵庫の中だけです。事務所は節電中の生ぬるさ、そして屋外は普通に暑い。

夏祭り、花火大会、旅行…あついあついと不満を漏らしてだらだら過ごすより、はしゃいでやり過ごすのは正しい選択です。そう、夏休みは夏に取るべし。もしくは休みなく働いている方が気が紛れていい。

とはいえ、8月もお盆を過ぎれば秋の空気です。お盆、すなわち誕生日。昔からこの日を迎えるたびに何か胸の支えがひとつ取れるような気がします。多分それは「頑張らなくてもいいこと」を捨て置けるようになったから。私にとっては、若さ、ってそれだけで負担でした。

だから私にとって8月はいつも、祭りからの帰り道のような寂しさと、現実に向かう安堵感が同居しています。

今日開けたチョコレートはシチリアのCasa Don Puglisi。ベルガモットティー。
柑橘の爽やかさもあるのかなと期待したけれど、がつんと分厚いモディカチョコでした。一欠片かじっただけでおやつタイムが終わるほどの威力。しゃりしゃりでほんのりスパイシー。

お店の名前でもあるプリージ神父は、マフィアが牛耳っている教区で説教を続け、若者や貧しい人々を説得し、人々から慕われるものの、1993年の誕生日にマフィアに殺されてしまったそうです。その神父さんの意思を継いでいるとのこと。

Casa Don Puglisi
https://casadonpuglisi.it/

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寒蝉鳴

今年の夏はビエンナーレの仕事で忙しい西岳さんと共に、かろうじて2連休を取り、福島県葛尾村へリサーチへ行ってきました。知り合いのアーティストたちが運営しているkatsurao AIRへ。

http://katsurao-collective.com

政府の復興支援のあり方や、空き家、空き地の対策、観光資源不足、助成金の使い方…戻らない人々、人材不足、新規ベンチャー企業の参入、観光客ではなく外から来るのは視察ばかり、そして地元住民の焦燥。そこにアートが文化事業としてどう関わるのか。課題は多そうだけど、前向きに少しずつ土地に馴染むようにプロジェクトが複層しながら進められています。いい場所でした。

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FILM

最近読んでいるのは引き続き藤原辰史さん。「植物考」(生きのびるブックス社)2022年
https://www.ikinobirubooks.co.jp/plant/

Kindleで購入したまま読んでいなかったものを、最近中之条にできた本屋で見つけて購入しました。

それから職場でも話題になっているのが、桑名市博物館の現役館長である杉原さんによる著作「これから学芸員をめざす人のために」(創元社)2023年。https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=4680

今月にインターンの学生が来ることもあって取り寄せたのですが、わかる〜それな〜の連続で、面白くて一晩で一気読みしました。古美術と現代アートの違いはありますが、仕事内容については基本はいっしょ。なりたくてもなれない、なったとろで辞める人も多い学芸員のリアルな実情です。実は総務部長も電子版で購入していたし(お金とかスケジューリングとかの面でもわかりみが多い)、インターン生に貸したら、勉強になるとのことで自分でも購入したとのこと。

なかには、こんなに忙しいわけない、忙しさをアピールしているという印象を持つ方もいるかもしれないのですが、我々、忙しいのではなくて、やることが多いのです…

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INFORMATION

nakanojo kraft project
HP nakanojo kraft project
facebook @nakanojokraft
instagram @nakanojokraft

◆クラフトチョコレート取扱場所◆
online store

[中之条]
中之条ガーデンズ
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Kissa Coffee 生豆と焙煎

[草津]
安齋商店

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