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ハーブティを作ったら、夫婦喧嘩がなくなった

「ハーブを育てる」っていう行為は、ずっと憧れだった。おしゃれでマメな人が携わる特別なことだと思ってた。

独身時代は、「排気ガスにまみれた都心部に住んでいるし、うちベランダないし、私はおしゃれでマメに該当しない。」と言い訳して、ハーブは憧れで終わってた。

花屋で小さなブーケを買って、花瓶に挿すことだけで精一杯。

花が枯れたら、ゾンビの家になった

広い庭のある実家でお母さんは、ハーブとか、お花とか、いろいろ育ててたと思う。とにかく庭と玄関とリビングは自然の色でカラフルだったなぁ。

お母さんが病気で家からいなくなってしまった時、誰も植物たちに水をあげないもんだから、日が経つごとに植物がみるみる枯れていって、実家がホーンテッド・マンション化した。いかにもゾンビが住んでそうな家に仕上がっていて、ある日帰宅した時にゾッとした。

お母さんがいなくなると、こんなにも世界から色がなくなってしまうのか、ということが明らかに視覚化された。

私はお母さんのようにマメな性格じゃないし、ハーブは枯らすタイプの人間だけど、カラフルなものは好き。実家がリアルホーンテッド・マンションになって以来、やたらと花柄の服を買うようになった。そしたらクローゼットが全部花柄になった。友達と人混みの街中で待ち合わせしても、相手はすぐ私を見つけられる。「花柄の女どこだ」と思いながら探すらしい。

(余談だけど、花柄の服を着るデメリットもある。「本物の花だ」と勘違いしたミツバチが、私の花柄の服にとまる。「違う違う違う!」と言いながら逃げるしかない。ややこしくて蜂に申し訳ない。)

結婚した人が、野生児だった

とにかく都心部に住んでた時は、本物の自然に触れてみたいけど私には育ててあげる自信がない。虫こわいし。って感じだった。

そのあとアドレスホッパーになって、旅先で出会った人と結婚した。

夫は埼玉の田舎サイド出身だったので、自然を愛する男だった。都心で暮らした経験もあるけど、人々とネオンより、山と動物のほうが親しみやすいらしい。

「散歩行こー」って夫に誘われてホイホイついて行くと、だいたいガチの山に連れてかれる。体力ない私は、無名な山の頂上でプチ高山病にかかって吐きそうになった。そもそも元駅伝部の夫が体力ありすぎるのだ。

私は東京の家を解約してから海外の都心部を転々とするアドレスホッパーだったけど、野生児である夫の影響で日本の田舎を一緒に巡るライフスタイルに変化した。

「海外を飛び回ってたのに、日本ばかりの旅で退屈じゃないの?」とよく友達に質問されたけど、不思議と物足りなさは感じなかった。

海外に行けば行くほど、日本の素晴らしさを知ることができたから、もっともっと日本のこと知りたい欲が強まり、見たことがない日本にすごく興味を持っていたからだ。

絶対に私一人じゃ行かなかったであろう、田舎の地。虫こわいし。

なぜか田舎のおじいちゃん&おばあちゃんに好かれる体質を持っていて、虫を片手で払いのけてくれる夫の存在は、都会しか知らない私の世界を広げてくれた。

ハーブの効果をモロに感じた、北海道の旅

夫婦二人だからできることもあれば、夫婦二人だから我慢することもあった。

車中泊で2ヶ月かけて北海道に滞在していた時、何かと喧嘩が絶えなくなった。

喧嘩の原因は「ちょっとした言い方がムカついた」とか、その程度のつまんない理由だったと思う。あんまりハッキリ覚えてないくらい、どーでもいい内容だったはず。

北海道に楽しみに来てるのに、なぜかピリピリしていた日々・・・。

旅の途中、仕事の取材で「ナチュの森」という施設を訪れる機会があった。廃校を利用したスキンケアの工場で、レストラン・エステサロン・ハーブ園・子供が遊べる遊具も併設している。

そこで、お花(カレンデュラ)を摘んでスキンケアを作る作業を手伝った。それから、もともと校庭だった園内に元気よく生えている、たくさんの種類のハーブを籠いっぱいに摘んでハーブティを作る体験をした。

※特別体験だったので、通常のワークショップではやってない

これがもう、とにかく癒された。夫婦揃ってハーブの香りを嗅いで、「んん〜!!癒されるう!」って言いながら、お互いに見たことない表情になってて、笑った。

ハーブのリラックス効果なのか、そのあとしばらく夫婦二人とも穏やかな気持ちになって、極端に夫婦喧嘩が減ったという不思議な思い出がある。

もう3年前とかの出来事なんだけど、今でも「あの体験すごく良かったなぁ。またやりたいなぁ。」と思いにふける。(いつか自分の村とハーブ園を持って、同じような体験を誰かに提供したいなぁ。)

夫の悩みを解決したのはハーブティだった

コロナになって、旅する暮らしを中断。一戸建ての賃貸で暮らしている。

最近、夫のハウスダストアレルギーがひどくなっていた。私は平気なんだけど、ずっと「目がかゆい」と擦りながら、鼻水をかんでいる。

それはさておき、Amazonプライムで「フラワーショー」という映画を観た。アイルランドの田舎娘が、世界最高峰の庭師コンテストみたいなやつに挑戦する物語。軽いノリで再生したけど、めちゃくちゃ面白かった。

この映画の中で、ある女性がカビアレルギーかなんかに悩み、鼻水を垂らしながら仕事をしている。主人公の女の子がそれに気づき「いいハーブがあるの!」と教えたことがキッカケで、アレルギーがすっかり改善するシーンが描かれていた。

へー!ハーブすげえ!

と感動した私は、「うちの子のハウスダストは、どーしたもんか・・・」と色々調べていたら、植物療法士という職業にヒットした。

フランスでは「病院に行くまでもないけど、ちょっとした身体の不調を解決したい」という時は、街のハーブ薬局“エルボリストリ“に足を運ぶのが主流なんだそう。そこには薬草の専門家がいて、その人の症状や目的に応じて薬草を処方してくれるらしい。

本場のフランスから植物療法を日本に持ってきた第一人者の方が出版する本。とりあえず良さそうなので、ポチった。

風邪、生理痛、PMS、花粉症、アレルギーなど・・・さまざまな不調に対して、ハーブなどを使った治し方が書かれている。まさに自然のお薬。

ハーブや精油は、いろんな取り入れ方がある。ドライハーブをハーブティとして取り入れたり、精油をお風呂に入れて香りを嗅いだり、オイルマッサージで皮膚から取り入れたり。

なんと“ハウスダストによるアレルギー症状“の対策ページもある!さっそく調べてみると・・・

ハーブティならば、ジャーマンカモミールが効くらしい。

とりあえず、これを購入した。

家に届いたので封を開けると、独特な甘い香りがフワッと立ち込めた。こんなの、誰だって思わず息を漏らすだろう。

「ん〜!(いい香り)」

さっそくハーブティを淹れて、夫に差し出す。

夫「ん〜!(いい香り)」

それから毎日、ジャーマンカモミールティを飲む習慣になった夫。

「そういえば俺、鼻かんでなくない?全然ティッシュ消費してない。」

・・・これってハーブティの効果では?という顔をして、お互いに見つめあった。

初めてのハーブはローズマリー

やっぱりハーブの力はすごいのかも、という気持ちが日々高まる。

「ちょっとホームセンター行ってくる」と出かけた夫に、衝動的にLINEを入れた。

「なにごと?」と電話がかかってきた。

ローズマリーは暑さにも寒さにも強く、通年生えているらしい。乾燥にも強いので、この寒い冬の時期から育てても安心。

水をあげ過ぎると枯れてしまうので、基本的に風通しの良い場所に置いておけばOK。(キッチンはダメ)

なので、初心者にも育てやすそうだ!

基本はベランダに放置プレイ。雪が降ったので窓際に避難。

にしても、いい香りがする。気持ちを落ち着かせたい時に、会いに行って、嗅いでる。

そのうちお料理に使おうと思って、ワクワクしてる。香味チキン、ラタトゥイユ、ジャーマンポテト、アヒージョ・・・いいねえ!(アゲ)

な〜んにもハーブについて知識がなかったけど、こうやって一歩一歩、ハーブのある暮らしを広めている。ただ花柄のワンピースを着て満足していた、お子ちゃまの私はもういない。

魔女宅のキキのお母さん(キコリ)くらい植物のスペシャリストになりたい。植物に囲まれた部屋で理科の実験みたいなことやりたい。キコリの年齢を調べたら、37歳。結構歳が近くてビビる。私、来年じゃん。がんばります。


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