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T家パパに大共感。なくして気付く、大切さ。


7月下旬、子ども達が夏休みに入ってすぐ、関東からお友達のT家族が遊びに来てくれた。

T家は、娘(小6)同士が幼稚園の同級生。偶然にも息子(小2)と妹ちゃんも同じ年。ママとはスイミングの待ち時間に仲良くなった。夫同士も走るのが好きで、マラソンに出場するなどの共通点もある。

お互い九州から引っ越しても連絡を取り合う、大切な人達だ。

3泊4日の旅だったのだが、2日目の夕食(サッポロビール園でジンギスカン)と、3日目はほぼ1日行動を共にした。

夫とパパは、ジンギスカンを食べながらマラソン談議で盛り上がり、翌日、早朝5時集合で北大キャンパス内をランニング。それに息子が同行した。散歩程度だと思っていたら、2kmくらい走ったそうだ。

その後、夫は仕事へ。私達が合流し、北大の中にあるセイコーマート(ご当地コンビニ)で朝ごはん。おにぎりやパン・サンドイッチ、丼物、麺類など充実している。屋上がカフェテラスみたいになっていて、木々を眺めながらゆっくりできる。

それから、北大を少し散歩し、地下鉄で円山動物園(札幌市)に向かった。

円山動物園は、旭川市の旭山動物園ほど有名ではないが、コンパクトながら、ユキヒョウやシンリンオオカミ、ホッキョクグマなど様々な動物がいる。展示の仕方もユニークで、私のお気に入りスポットの1つだ。


地下鉄東西線「円山公園駅」で降り、北海道神宮(森の中に佇む、素敵な境内)を通過して円山動物園へ。

入場してすぐ、小雨がぱらつき始めた。天気予報でも、午後は雲行きが怪しいと言っていた。でもまだこれくらいなら、傘をさすまではない。早く周ってしまえば大丈夫そうだ。

ただ、怪しいのは雲行きだけではなかった。

早朝から活動しまくった息子が、もうバテ始めている。そもそも動物園があまり好きではない息子。そしてこの日は湿度が高く、いつもより暑く感じる。

入口からすぐの、鷹とか鷲とかのゾーンで、「もう疲れた、帰りたい。」と言い出した。こういう時は大抵眠くなっている。

楽しい同行の最中なのに、なんてこった。

ーーまたか。

想定内ではあるが、諦めのような気持ちで息子を見てしまう。朝から2kmも走らせた夫にもちょっと恨めしい気持ち。

でも大丈夫。こういうの、慣れてるし。

娘とT家で、園内を適当に周って来てもらうことにした。

私は息子とお土産ショップ内のイートインスペースに行く。コーヒーを飲みながら時間を潰す。

冷房の中でしばらく休憩したら、息子は体力も気力もちょっとだけ回復した様子。前回展示していなかったシンリンオオカミ(去年鹿児島の平川動物公園から来た)だけでも見ようと誘い、再び歩き出した。

シンリンオオカミは、夜行性だし、暑さもあってか完全に寝ていた。でも一目見られて満足。その後、キリンとダチョウだけ見て再びお土産ショップへ。

さらにしばらく待つと、娘とT家が戻って来た。


ママ「めちゃくちゃ良かった~。想像以上!説明書きとか面白いし。ゾウは毎日100kgもうんちをするんだね!ミーアキャットも可愛かったよね~。」

色々楽しく見てくれたようで、こちらもうれしくなる。

そこで、お腹が空いたお姉ちゃん、「揚げもちが食べたい」と、パパと買いに行った。


その直後、パパが血相を変えて戻って来た。

「携帯が…、携帯が、ない!!」

揚げもちを買うためにアプリ決済をしようとして気付いたとのこと。

ーーそれは大変!!

子ども達をお土産ショップで待たせて、ママと私も一緒に探すことに。

直前で座っていたベンチ、園内の小道周辺をキョロキョロ。それまでに見た動物を思い出してもらいながら遡る。

動物園の事務所に電話で問い合わせたが、まだ落し物には届いていないという。

ーーないなあ。どうしよう。

パパも当然焦っている。

途中で二手に分かれて探すことにした。私はホッキョクグマの方へ向かう。

5分も経たないうちに、ママから着信。

「あったよー!ごめーん。ありがとう!」

ほっと一安心。

ショップに戻ると、子ども達がお小遣いで揚げもちを買って仲良く食べていた。

戻ってくるママとパパ。

パパ「いやー、ほんとにお騒がせしましたー。さっき子ども達がプレイコーナーでボルダリングした時に写真撮って、そこのベンチに置きっぱなしにしていたみたい。」

そうだったんだ!


それまで、私が子ども達を撮影していて、同行出来なくなったから、パパが替わりに写真係をしてくれたのかもしれない。息子がへばってしまったばっかりに。直接の原因ではないが、ちょっと申し訳ない気持ちになった。

でも何にせよ、見つかって本当に良かった。

その後、パパはものすごく上機嫌になった。いつも淡々としていて、喜怒哀楽をあまり表さないタイプなのだが、分かりやすくハイテンション。

「いやー、ここ最近で1番嬉しい出来事かもしれない。ほんとに見つかって良かったよー。ありがとうねー。めちゃくちゃ気分がいいから、スイーツでも奢るよ!」


ーーそんなに?いやいや、こちら、何もしてませんけども。

と思いつつ、なくして気付く大切さ、しかも旅先、携帯…。全く同じような体験をしたばかりだったので、その天にも昇る気持ち、よく分かる。私の中で共感の嵐が吹き荒れた。

↓GWの出来事。


その後、本当にパパは「六花亭 円山店」でスイーツセットをご馳走してくれた。

そして、その日居酒屋に行って(夫合流)解散するまでの間、何度も見つかった時のうれしさと、なくさないための対策について話していた。


私も、最近は旅行やイベントに出かける時は、斜め掛けにできる紐をスマホに取り付けている。それと、こまめにデータのバックアップを取るようにしている。


こういったマイナスな経験が、リスクマネジメントにつながるんだよなあと思い、当たり前にあったものが急になくなった時感じる焦りや悲しみ、再び手にした時の感動をパパから改めて学んだ。


コロナ禍の生活だってそうだ。5類感染症になって、まだまだ対策は必要とはいえ、できる事が増えている。元に戻ったとは言えないが、明らかにハードルは下がった。

こうやって旅行したり、離れた友人と気兼ねなく会ったりできるようになったのだから。

でもきっと、それも当たり前になると、有り難みが薄れてしまうんだろう。それはそれで幸せなことなんだけれど。

たまに、少しは不便なことがあったり、残念な思いをすると、当たり前にある・いることの大切さを実感するんだよなあとしみじみと思った。




翌日、T家は「北海道楽しかった~」と関東へ帰って行きました。めでたし、めでたし。


最後までお読みいただきありがとうございました♩

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