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私の転職記(5)雑貨デザイナー?

こんにちは。週一更新を目標にしています。今の所なんとか続いてます。
今日は前回の続きの転職記を書こうと思います。
前回はこちら。

また転職活動

そろそろ転職活動は終わりにしたいなぁとは思ってましたが、前職で仕事と子育ての両立に苦しみ、社員として働くことに自信をなくしてしまっていました。
Illustratorを使った職種を継続したい意志だけは絶対譲れなかったので、時給が低くてもいいからバイトかパートで!と思い、タウンワークや求人サイトを毎日眺めていました。前職の派遣社員という働き方はそんなに悪くはなかったので、同県に強い派遣会社に登録もしました。
フルタイム勤務可能なので(県内であれば通勤時間にさほど時間を取られないので)すぐに仕事先は決まると思っていましたが、これが結構難航したのです。

派遣の担当の人と面接に行く

前回、派遣社員として働いてみて派遣会社の良いと思っている所です。
・私の話やポートフォリオから合いそうな会社を紹介してくれる。
・一緒に面接に同行してくれてさりげなくサポートしてくれる。
・不採用だった時の面接での失敗点やポートフォリオの内容など、悪かったところも指摘してくれる。
・勤務先で困ったことがあったらさりげなく社員に伝えてもらえる。
・会社のめんどくさいことはやらなくても良い。(決起会など出なくてもいい)

派遣会社の担当Aさんと、5社一緒に面接に行きました。
アパレル会社は住んでいる地域にはないので、DTP業務中心で探し、WEB制作、結婚式や発表会などのビデオ作成、印刷業界の会社など、アパレルとは全く無縁の会社を受けましたが、すべての会社が不採用でした。

不採用に対してのAさんの見解は、『前職(アパレルのデザイナー)の肩書きがマイナスイメージになっている気がする』。Adobe社のソフトが扱えると言っても、そんなのはあたり前の業界なので何のメリットもない。むしろ、アパレル出身っていうところがネックとなり、『畑が全く違う』と認識されていたようです。

5社目に受けた会社の面接官に『うちは即戦力を求めているから派遣社員に依頼してる。だから業界事情を最初から教えなくてはならない人材は採用できないんだよね。君、アパレルの会社受けたがいいんじゃない?』って言われてしまいました。
その一言に凹んで自信をなくしてしまい、この後何度か派遣の担当者から連絡が来て声をかけてもらいましたが、全てお断りをしました。即戦力にはなれないな。

会社を落とされる理由

派遣会社は辞めて、アルバイトで探すことにしました。
DTP業務は、アルバイトであれば、飲食店より低い時給だけど数はあった。Illustrator扱える人求む!みたいな求人に自分で電話をかけて3社受けましたが、2社は面接は行ったものの、どちらの会社も車通勤不可がわかり、こちらから辞退しました。距離はさほど遠くないのに(車で20分くらい)電車となると乗継ぎで1時間以上かかる場所だったので毎日は厳しいなぁと。都内勤務と同じになってしまう。

3社目の面接は、とても楽しい面接でした。
とあるタウンワーク誌の求人広告のデータ流し込みのバイトだったんですが、面接してくれたのが人事担当の人でした。『僕、人事だからポートフォリオ見てもわからないんで』って見てくれませんでした。
私の履歴書を見て、趣味の話やライブの話など、仕事とは違う話でとても盛り上がりました。ここで働けたらいいなぁって思ったんですが、30分くらい話をした後、『そろそろ時間だから、先に言うね。申し訳ないけれど、不採用です』って。
すごいびっくりした!!受かると思ったから。
『たぶんすごく頑張ってきた人で、話も楽しいし明るいし、ぜひうちに来て欲しいくらいの人なんだけど、今募集している求人に対してオーバースキルなんだわ。ごめんね』って言われました。
『1人辞めるから募集してるんだけど、僕が面談で見るのはその部署に入った時に調和を取れる人かどうかなんだよね。今回は、最低限のイラストレーターの知識がある人なら能力はいらなくて、コツコツと疑問を持たずに同じ作業を繰り返せるタイプの人を取ろうと思っていて。今いる人とうまく付き合えそうな人を探してる。君にとって、つまらない業務しかうちは与える事しかできないから、物足りなくなっちゃうと思うよ。申し訳ないけど縁がなかったという事ですまないね。せっかく暑い中(夏だった)来てもらったのに申し訳ない』って謝られてしまった。
帰りに玄関まで見送ってもらい、ジュースをおごってもらいました。

オーバースキルで落とされることもあるんだぁ。

会社探しってその人の経歴だけじゃなくて、会社の相性やその部署との相性も見てるんだなぁって思いました。その人事の方との面談のおかげで、その後に何社落ちても自分のせいだけじゃないんだと思えるようになりました。確かにその会社に入社してても、業務が単調でつまらなかったらすぐに辞めていたと思います。
楽しい会話の中から、そういう部分を見ていたんだと思います。
面接の意味、みたいなのを理解しました。
経歴だけだったら履歴書だけでいいもんね。

失業保険の申請にハローワークに行く

失業期間が長くなりそうだったので、ハローワークに行きました。初ハロワ!
なんだかんだでアパレルの会社に3年いました。
前回お世話になった派遣会社の担当Kさんが、会社を辞める理由を【自己都合】ではなく【会社都合(次の会社を紹介できなかった)】という理由にしてくれていたので、失業保険金を思ってた以上にもらえました。ありがとう!Kさん!!
ハローワークで就職活動についての説明会を聞いていたら、なんと再就職を早く決めると就職祝い金がもらえるらしい!

就職祝い金とは、失業保険(基本手当)を受給している人が、安定した職業に就いた場合に支給される手当のこと。 誰でも就職したらもらえるわけではなく、失業保険の支給日数が、所定給付日数の3分の1以上残して再就職した方が対象です。 早期就職を促進するための制度のため、支給対象が限られているのです。

ハローワークでDTP業務を検索したら、求人サイトには記載されていない会社が結構ありました。その中の1社、ネットで雑貨(ハンカチとかクッションとか)を販売している会社が雑貨デザイナーを募集していました。
家から車で15分くらい。すぐにハローワークから連絡してもらいました。そしたら、『今出先でハローワークからすぐ近くにきてるから、近くの喫茶店で今から面接しませんか?』との返事。
履歴書等は持っていたけど、スーツじゃないからってお断りましたが、スーツじゃなくてもいいですよとの事だったので、用事がなかったのでそのまま面接にいきました。喫茶店で面接ってこともあるのか。

女社長との面接

すごく明るい社長でした。
『もう、すぐに明日からでも来て欲しいくらい!
デザインも出来るなんて欲しい人材よ!(デザイナー募集ですよね?ポートフォリオ持ってきてないけど見なくて大丈夫?)
でも〆とか都合があるでしょうから、来月1日からでどうかしら。それまでにこの書類一式埋めてきてちょうだい。私の電話番号教えておくわね!何かあったらすぐに連絡ちょうだい。』

今思うと、ん?っていうのが多かったはずなのに、この時点で10社以上落ちていた私は判断力が鈍ってました。
よかったーーー!!やっと決まったよ〜!!デザインできるよ〜〜!!って喜んでしまいました。
ハローワークが紹介してくれた会社なんだから、きちんとした会社であろうと信頼してしまった。
ハローワークしか求人広告がない=求人サイトで募集をかけられない理由があるという事を気づけなかった。
そうです。この会社、倒産間際で女社長ワンマンのやばい会社だったんです。

この会社には1年弱しかいませんでした。パートなのに、1年よく持ったなぁって印象です。初めて会社に足を入れた瞬間に『あ、違う』という違和感しか感じませんでした。
なんかわからないけど暗い。みんな話してみると明るい人もいるのに、なんだかジメジメしてる。暗い。なんでだろう。そういう直感って合っていると思います。

アットホームが売りのワンマン会社だった

会社自体が住宅地内にあるので近所に飲食店がひとつもなく、コンビニすらなく、みんなお弁当を持ってきてました。
毎日朝に当番制の掃除(トイレ掃除、台所掃除、窓拭きなど)があったり、みんなでラジオ体操したり、給料は会社名ではなく社長の名前からの振込み。
世の中にはそういう会社、たくさんあると思います。
でも、パートやバイトも含め比較的規模の大きい会社でしか勤めた事がなかった私は、給料日に給料が振り込まれていないとか、給料が間違えているとかありえなかった。みんなで草むしりやったり大掃除したりという環境にも慣れる事ができませんでした。

人事部があって、経理部があって、営業がいてデザイナーがいる。掃除は管理会社の人がやってる。そんな会社でしか勤めたことがなかった私は、みんなでクリスマスパーティーも、なんで給料もらえないのに強制参加(しかも会費有)なの?って疑問しかなかったし、地域の行事に参加とか、無理だな、って直感で思いました。
社長の意見が優先。社長がすべて。
勤務中は社長のいる日はおしゃべりは一言も禁止。
初日からなんか変だ、変だ、と思いながら半年頑張ってみました。
でも、どうしてもモヤモヤする不信感が拭い去れませんでした。

一番の不満は、全くデザイン業務をしなかったことです。その半年間、やっていたのはお客さまから届くメールの処理と電話対応、クレーム処理。与えられたのはノートパソコン。与えられた席はカスタマーの席。誰がどうみてもカスタマーサービスの仕事でした。

デザイナーで雇われたはずなのにおかしくないですか?と社長に聞きましたが、『最初はみんなこういう下積みから始まるのよ。仕事の内容をわからないとデザインもできないでしょう?』と言われ、そんなもんなのかと自分を納得させましたが、デザイナーだけではなく他の人も私のことを【カスタマーさん】って呼ぶことに違和感しかありません。
さりげなく隣の席の人に聞いたら、私がデザイナーで入ったことを知りませんでした。みんな私がカスタマーだと思っていた。私が入る前に1人カスタマーの人が辞めたので、その引継ぎの人だと思われていました。

騙された!!!

再度社長に聞いたら、『大丈夫よ。あなた明るいから電話対応もしっかりしてるし。自信持って!』って、違う!違うぞ!!私はカスタマーじゃないぞ!!怒

その時点で辞める意思を伝えましたが、次の人が決まっていないという理由で伸ばし伸ばしされました。次の人が決まるまで待ってねって。ですが、検索してもそんな求人はなく、実際はかけていなかったと思います。また騙されました。
すぐに転職活動の準備を始めました。会社自体に不信感を持って辞めるというのは初めての経験でした。途中で行かなくなるという選択肢もあったのだけど、それをしなかっただけ偉いと思いたい。

最後の給料日も、『あなたはご主人さんのお給料があるから絶対に25日(給料日)に必要ってわけじゃないわよね?3日くらい遅れるけど絶対振り込むから』って言われました。信じられない!!

社長のサポートをしていたおばちゃんとランチ

女社長とは別に経理関係とかサポートしている人がいました。
そのおばちゃんはいつも社長と話しているので私個人ではほとんど話したことはありませんでしたが、最後の日にランチに誘われました。
引き止められるのかな?って思ったけど、年金とか失業保険関係の手続きの話かな?って思い、一緒にファミレスに行きました。そしたら、全然違う話だった。

おばちゃんも来月辞めるんだって!

普通の楽しい身の上話でした。
2人の娘がいて、シングルで育ててきたって話も初耳。
1人で2人育てるのに、この会社はある程度融通が効いたから、女社長に腹立つこともあったけど働いてきたと。でも、娘さん2人も嫁ぎ、もう自分の分しかお金は必要なくなった事、来年、上の娘さんが出産予定で初孫が生まれる事もあり、家にいて娘さんのサポートをしてあげたいと思ったと。自分が母親の時は子供に無理を強いてしまったことがたくさんあるから、今度は働いている娘の手助けをして今までしてあげられなかった事をしてあげたいって言ってた。
だから辞めるんだって。社長は許さないって言ってるみたいだけど。

あと、私が知らなかっただけで、この会社、倒産の手続きが弁護士を通して始まってました。それなのに新しく入ってきたからみんな驚いたみたい。
だから悲壮感みたいなのが漂ってたんだ・・・私の最初の直感は合ってた。

私も子育ての悩みとの板挟みで前職を辞めた事、でもやっぱりバリバリ仕事をしたい話をしました。この時のおばちゃんの言葉が私の背中を押してくれました。

『次は正社員をじっくり探しなさい。
まだ40歳でしょう?お子さん、もう2人とも中学生になるでしょう?
女は結婚や出産があるじゃない?でもあなたは一番大変な時期は過ぎたじゃない?この後はどんどんお金が必要な時期になるからバリバリ働くと思うの。
長く勤めてくれるであろう人材は、会社側は絶対欲しいと思うよ。
技術はあるんだから、1年転職活動するつもりでじっくりと探した方がいいわよ。そしてこっちから会社を選びなさい。大丈夫。まだまだ若いわよ。』

自分で選びなさいって言葉がすっごく嬉しかった。
もっといっぱい話がしたかったけど、昼休みだったので戻りました。
ものすごく力になりました。
次の人は決まってなかったし引き継ぎもしなかったけど遠慮なく辞めました。

またまた転職活動

その後、正社員のDTPオペレーターを探しました。
すぐに求人に飛びつくのは辞めて、じっくり選び、3社受けました。
驚くことに、3社とも受かったんです。前回はあんなに落ちまくったのに。

履歴書にこの1年もいなかった会社を書こうかどうか迷ったんだけど、話のネタになるかもしれないっていうのと、最後の職歴がアパレルじゃない方がいいかな?っていうのとで、一応記載しました。

デザイナーとして入ったのに全くデザイナー業務をやらずカスタマーでしたが、デザイナーとして勤務したことにしました。
カスタマーやりながら、デザイナーの仕事を生で見られたのはよかったです。印刷物の入稿から校了出稿までの流れ、面取りの方法など、データを見る機会がたくさんあり、それを見て業務の方は難なく出来るって自分で確信してました。印刷の知識もカスタマーの時、お客様に説明するのに理解しなくてはならなかったのでだいぶ覚えました。結果、デザイン業務やってなくても、ど素人ではなくなりました。

最初はすごい変な会社に入って騙された!って思っていたけど、勉強期間・研修期間だったと考えるとすごい意味のある事になりました。
また、面接でも勤めている期間を見ているのか見ていないのか?最終職歴がアパレルではなくデザインの会社に塗り替えられたのは印象としては良かったらしい。

この転職期にポートフォリオも全て最初から作り直しました。
雑貨の会社に行って、仕様書とかデザインで使っている書類を生で見れたのがよかった。デザイン業務はしなかったけど、それを見よう見まねで作る事ができました。業界に入る前と入った後だと、前回落ちまくった時のポートフォリオがいかに素人でトンチンカンだったのかがわかりました。
普通にポートフォリオ見て誉めてもらえました。

自分で選んだ会社

その受かった会社の中の1社が、今いる会社です。今現在で3年経過しました。

DTPオペレーターとして募集していましたが、『現在いるオペレーターはDTPしかやった事ない人ばかりでデザインが出来る人がいない。今、デザイン物の提案もしていかないとならない案件が増えていて、それをお願いすると思います。できますか?』と聞かれた会社です。
デザインさせてもらえるなんて、願ったり叶ったり!!!

私以外のオペレーターは、データの流し込みやindesignを扱う書箱関係の出身の人が多く、Illustratorを扱えるけどデザインの勉強をした事がない人しかいませんでした。トレースができないって人もいます。

雑貨の会社、なんて変な会社に入っちゃったんだろうってものすごく後悔したけど、この会社につなげてくれる布石だったんだと思うと感謝しかない。
人生、無駄なことなんてないんだなぁと思いました。

次回は今いる会社の話になります。
長い話におつきあいくださりありがとうございました。
次が最後の転職記になりますように!


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