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美しい夕日を見た時

最近外出する際、「行くぜよ!」と言ってしまう。
何かをし始める時は、「やるぜよ!」だ。
豆腐を買えば、「揚げ出し豆腐を作るぜよ!」となる。
とにかく「ぜよ!」を言いたくてたまらなくなってしまった。

なぜ故にそうなったのか。

ドラマの「JIN-仁- 」の影響だ。

私は最近、ドラマ鑑賞にハマっている。
テレビ番組は観ないしアンテナ線も繋いではいないが、「テレビ」という電化製品は、テザリングで映像を映し出すスクリーンとして置いてあるのだ。

今年はマッコト沢山のドラマを観た。
そしてJINは、これで4周目の視聴となった。
原作も含めれば5周目ということになる。

私は一話目からティッシュの山を作った。

南方先生が夕日を見ながら涙したシーンでは、嗚咽混じりで涙と鼻水を大放出させずにはいられなかった。これは深刻な脱水症状とも言える。
私は連日泣き腫らした目で出勤することとなった。

何度観ても魂が揺さぶられ、心の臓(しんのぞう)が高鳴る作品だ。なのに私という人間は、
「すごい!」の一言しか感想が言えずにいる。それが名作であればあるほど語彙力は幼児レベルとなってしまうのだ。

神は乗り越えられる試練しか与えない。と、劇中で何度か耳にした。故に神は、私にこの感動を言語化する能力を与えてはくださらぬのか……。

最終話を観た後は放心状態だった。
もう明日から観る続きが無いのも寂しい。
これから先、新しい日を重ねる毎に物語と私との間に少しずつ距離が出来ていくのかと思うと複雑で……。そんな感情までもが、感動で満席になった心の中に押し入ってきた。

南方先生、この病は一体何なのでしょうか……。

溢れんばかりのこの感情は、美しすぎる夕日を見た時のものと似ている。
私はこれから先、そんな夕日に出会った時にも、

「行くぜよ!」

と、天を仰ぎ言い放つのだろう。
その行く先は、明るい未来であると信じている。



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