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note主催「これからのメディアを考える」 に参加して考えたこと

6月20日、note(株式会社ピースオブケイク)主催の「これからのメディアを考える」イベントに参加しました。

参加のきっかけ

理由は3つありました。

1:これからのメディアを考えたかった
私は普段ウェブディレクターとして働いています。メディア運営や編集のご相談を受けることがあるものの、経験としてはもう遥か昔のこと。最近はあまり関わっていないのですが、なんとなく肌感で、確実にオウンドメディアの立ち位置が変わってきていることを感じていました。そして新しくきたその波は、なんだか「乗りたい」と思えるものでした。波乗りの準備のために、これからのメディアを一緒に考えることにしました。

2:noteが好き
1つ目の理由とも関連するのですが、新しくきたその波の中に「note」の存在を感じていました。私の考えるnoteは企業としても、個人としても、マスではなく狭く深く親密に心を届けられる広場のような存在。(感覚としてはラジオと近いのかもしれないなぁ。)
ありそうでなかったこの広場は、私にこうやって書くきっかけを与えてくれました。今後、個人的にも仕事としても、noteをオウンドメディアとしてどうやって使っていくべきかを考えていたので、ヒントが得られたらいいな。と考えていました。

3:登壇者が好き
当日の登壇者は以下のお三方。

左から、キリンホールディングス 平山高敏さん、Huuuu inc. 徳谷柿次郎さん、株式会社Wasei 鳥井弘文さんです。

実際、一番の理由はこれなのかもしれない。私は元々お三方の発信するもののファンでした!わたしの心を掴む人たちの考えていることを知りたい。言葉を受け止めたい。という思いで、イベントの参加申し込みを決めました。

「友達以上」になれているか

イベントの中でいくつか気になったワードを振り返ろうと思います。

「残るメディアと残らないメディアの違いは?」というセッションの中で、鳥井さんがおっしゃっていたお話。オウンドメディアやインタビュー記事って溢れちゃってて、「インタビューだから読もう!」って気になれない。人生において、そう重要じゃないものは読まれない。じゃあ普段私たちってどんなものを見たい、読みたいって思っているんだろうと考えると、「友達」の発信するもの。だから、友達に並ぶ、友達を超える関係性にならないといけない。

このお話を聞いて、以前参加したライティング講座で、講師の方が話されていたお話を思い出しました。

「ライバルは他社記事じゃない。友達や恋人から来るLINEの通知。」

この話って、オウンドメディアだけじゃなくて、様々なコンテンツに通じる話だなぁと思いました。その中でも特にオウンドメディアは、中長期的な関係性を構築することが重要となるため、一過性の盛り上がりではなく、「友達」になってもらうことが重要なんだと感じました。

「同心円状」に広げていく

じゃあ、友達になるためにはどうしたらいいのか?順番は前後しますが、「残るメディアと残らないメディア」のセッションでのお話にヒントがあった気がします。

「役に立つ」だけでは読まれなくなってしまった現在のオウンドメディア。その中で、残るメディアの条件を平山さんが以下のようにまとめました。

①世界観がある:デザインも含めてブランディングできている
②専門性がある:このメディアでしかできないこと
③背景がある:ミッションを持ち、「なぜ伝えているのか?」を常に問う
④主語がある:伝えたい側を見せる。愛!

肌感、①と②で息切れしてしまうことが多い気がするなって感じます。関係構築って視点では、運用をする中で③や④がとっても重要になってきますよね。(いつの日か、このあたりまでクライアントと一緒にやっていける人間になりたいです。)

背景や主語を持つ、つまり情報だけでなく「価値観」というところまで届けることが今後の(今の?)オウンドメディアのあり方であり、一気に「刈り取る」のではなく、少しずつ、似た趣味や考え方の友達の輪を広げていくような関係性が理想なのかなと思いました。

そうなってくると、話し手と読み手って、分かれているものでなく繋がっているもの。平山さんがよくおっしゃられている「同心円状」という言葉をここでも使われていました。

思いを共有する人が集まり、パートナーとして一緒に作っていく。そこにサポーターがついて、ファンがつく。同心円状に広がっていく。

広告ではこの関係性は作れない。だからこそ、オウンドメディアの可能性ってこういうところなんじゃないかなぁと思いました。情報が多い世の中だからこそ、自分が本当に好きなものや大切にしたいものをコレクションして手元に置いておきたい。そんな風に大事にしたいものって、やっぱり「愛」があるんです。「愛」なんて簡単な言葉で片付けられるのなら誰でもできるよって感じですが、割とおろそかにしがちじゃないですか?だからやっぱり、「愛」が大事だなって思いました。(広告では作れないって言いましたが、「愛」を持つことでその可能性は見えてくる気がします。)

愛愛うるさく語ってしまいましたが、話を戻しまして、「同心円状」のコミュニケーション設計はオウンドメディアにとどまらず、企業のファンづくりというか、ブランディングというか、結果的にビジネスに結びつく重要なキーワードだと思っています。

詳しくは平山さんのnoteをご覧ください。

また、どのように手を繋いでいくかというお話で、柿次郎さんがおっしゃっていたことがとても面白かったです。

目の前の面白い人のために役割を全うする。友達(会いたい人)に会いに行ってたら広がった。

書き手の「主語」がきちんとあるから、そしてそれが価値感や世界感となり、広がっていく様子が感じ取れました。

マスメディアのリプレイスではない

先ほどの「愛」の話に関連してもう一つ。「今のメディアをどう育てていくか」というセッションで、柿次郎さんと鳥井さんがおっしゃていたお話がとても胸に響きました。私が感じていたニューウェーブはこういうところなのかもしれない。

従来でいう「拡大」はしたくない。マスメディア的なもののリプレイスを狙うことが増えている。(それにより?)本当に大切なもの必要なものはなんなのか?をみんなが考え始めているフェーズにきている。リプレイスを狙うのでなく、本当に大切なものを考えるタイミング。

これ、私たちのような代理店業こそ気をつけないといけない考え方だと感じました。「リプレイス」って考え方をしては長所を伸ばせないし、「リプレイス」という見せ方をクライアントに対してしてしまうと、場合によっては不幸になってしまう。需要が下がっていること、時代が変わっていることに対して、「なんか変わってきた」で止まらずに、受け手が「なぜ」そうなっているかっていう視点はいつでも持っていないといけない。1年単位、あるいはもっと短いスパンで、時代は変わっていくのです。

愛が強い人はたくさんいる

この日のお話が全て正しいとか、正解とか、そうではないのだと思う。けれども私の理想とする「価値観」や「世界観」はこっち側なんだろうなって思いました。だからこそ、それを生業として、こうやって発信ができるお三方には尊敬しかありません。

最後に、平山さんがおっしゃってた言葉で締めたいと思います。

プロダクトをしっかり届けたい企業人はたくさんいる。

企業人として、コミュニケーションの齟齬とか、スケジュールとかコストとか、考えることはたくさんある。それでも、誰かが持っている「愛」、企業の外にいても中にいても、「愛」に気づいて「めっちゃ面白いじゃん」と思える人でありたいなぁと思いました。きっとそれはインナーブランディングやチームの雰囲気にもつながってくるんじゃないかな。と。


登壇者の皆様、運営の皆様、ありがとうございました!
(お写真はnote運営事務局から共有いただいたものを使わせていただきました。)

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