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Food HEROesのロゴに込めた想い

Food HEROesのロゴは実はとても気に入っています。

高度にインターネットが発達した時代にあって、ロゴとアイコン、シンボルビジュアルは世界観をつくるうえでとても大事だと考えています。もっというと。自分たちの存在に対するマニュフェスト(宣言)だとすら感じています。

このロゴに決まるまで、たくさんの案のなかから絞り込んで調整して、絞り込んで調整してきました。自分だけの世界観ではなく、30歳以下の人たちとと作り上げるものでもあるので、できるかぎり繋がりのある30歳以下の飲食関係者にも意見をきいたりしました。

そういった何度も繰り返された過程のなかで、僕自身がFood HEROesでどんなカルチャーを創りたいのかが、より具体的に見てきたきがします。

そこで、ロゴとアイコン、シンボルビジュアルの変遷をたどってみたいと思います。

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デザイナーと最初に話したのは、メディアについてはハイエンドで憧れをもてるようなブランディングをしたいと考えていたので、クリエイターが集ううコミュニティのようなイメージと、日本の若者カルチャー(海外から見たときの視認性)があることを大事にしました。

イメージは、クリエイティブの専門学校「東京モード学園」でした。

一方でコミュニティについては、できる限り30歳以下の飲食人にとって身近に感じられる存在でありたいと思い、親近感(おしゃれすぎない)ことに重きをおいて、カッコよさとある種の野暮ったさのちょうどいいバランスを目指そうということを話していました。

そこであがってきたのが、以下のようなロゴとキービジュアルのイメージでした。

これ以外にも案がありましたが、ここでは一部をお見せしています。

ひとつ大事にしたかったのは、あくまで飲食人であり料理人だけをイメージさせるビジュアルでないことでした。

①は料理人感が強い。②は世界観はいいが人のぬくもりがない。ロゴは太くて強いイメージは好き。③の多様な職種の人があつまるイメージは、とても気に入っているのと、イラストのやや個性的なビジュアルがフックになると感じる。➃⑤はイメージしていた東京モード学園のビジュアルで、日本のカルチャー感もあって、どちらも捨てがたい。

そこで③をコミュニティの世界観で、➃と⑤をメディアの世界観にすることにします。

一方で、ロゴはコミュニティもメディアも統一したいということで、いったん②のクセのある書体が強い意思や想いを感じられ、第一候補としつつ、引きつづき他のロゴも考えていくことにします。

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続いてアイコンにもなるシンボルビジュアルをどうするかを考えていきました。

どれも良くて迷うところなのですが、ここで考えたのは、フォークやナイフをつかうのは「食」のイメージを想起させる一方で、「Food HEROes」というそれだけで食とわかる文字面の強さに対して、冗長ではないかという思いの芽生えです。

①と③は、食をテーマにしているのがわかりやすいですが、かえって広がりがないというか、それ以外のイメージがわかないのがちょっと寂しく感じました。

一方で、②と➃はもう少し抽象的で、いいと思いながら「食べ歩きのコミュニティ」や「食べ歩きのメディア」のように見られてしまう懸念を払しょくできずにいました。

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そこで、あえて食を感じさせないシンボルビジュアルで再度検討をすることにします。以下のような案があがってきました。

どれも飲食のイメージから離れたシンボルビジュアルで、おもしろいと思うなか、スプーンとフォークがデザインされながらも人が集う、人を伝えるという「Food HEROes」の本質が見えるのと、バランスよく抽象性と食のイメージが組み合わさっている➃に可能性を感じます。

一方で、この段階で最終的に決まる⑥のベースが出ています。人が肩を組みながら空を見上げるイメージが、若者の未来を感じさせてて、この時点からひっかかっていたシンボルビジュアルでした。

とはいえ⑥の周りの反応はイマイチで、決めきれずにおり、次のステップとして➃を参考にし、①や②のなかに、もう少し食のイメージがある案を検討することになります。

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この頃くらいから、抽象的なシンボルアイコンがやはりいいなと思うようになっていました。それは、もともと好きだった青山ブックセンターのアイコンや、世界に東京を発信している東京マラソンのロゴに、本来のマニフェストに立ち返るカルチャーや海外への視点を感じたからでもあります。

青山ブックセンターのロゴ
東京マラソンのロゴ

そして最終的に抽象と具象のバランスの良さから⑤にきまりかけたときに、あるビジュアルを思いだして、急に心が動き出します。それは、The Whoのファーストアルバム「My Generation」でした。

あまりにも有名な「歳をとる前に死んでしまいたい」という一節でしられる「My Generation」は、30歳以下の人たちにぴったりのアンセムだと思うし、何よりジャケットで4人が上を向く姿は、まさにシンボルアイコンの実写版のよう。

なによりThe Whoが好きな自分が選ぶ理由として(ボウイのヒーローズのように)十分なんじゃないかと思うようなりました。

そこで2案に絞り、色を検討して最終検討に入ります。

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検討に際し、シンボルアイコンの汎用性も検討事項のひとつと思い、Tシャツにした際のイメージも展開し、X(旧Twitter)とInstagram、直接アンケートを使って投票をしてもらいました。

その結果、7対3の割合でAに票が入ったことで、Aにすることになりました。自分の感覚とまわりの感覚があっていてホッとした半面、Bになったときに自分の心はどういう反応を起こすのか、感がさせられたのも事実です。

こんな流れでロゴ、アイコン、シンボルビジュアルが決まったわけです。

もっとも抽象度が高いシンボルビジュアルになりましたが、それとのコントラストで文字と書体がもつメッセージ性がより際立ったように感じていて、冒頭にもいいましたが、とても気に入った仕上がりになり満足しています。

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さて、デザイナーを紹介しないといけないですよね。

デザインしてくれたのは、フリーデザイナーの斎藤智子さんです。斎藤さんとは共通の知人がいて、あるレストランで偶然席をともにしたのが最初のであいでした。

共通の友人には、Food HEROesの事業をよく話していて、その人が「彼女が適任じゃないか」と言って推薦してくれたことがきっかけでお願いすることにしました。

信頼している人の意見は聞く、それは事業をしていくことで、大事にしていることもあります。このことについては、また別に書きますね。

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