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技術書典環境分析と将来予測と印刷部数判断(2019/9/30版)

筆者は、技術書典1では委託、2からはサークルとして連続参加しているため、技術書典のトレンド遷移をそれなりには見てきています。その経験を元に技術書典や技術同人誌界隈の環境についての分析と、それを元にした今後の予測と、それに合わせた僕なりの印刷部数決めロジックについて述べます。

技術書典の環境遷移

技術書典1はしとしと雨の降りしきる中、初の2フロア開催をした技術書典でした。(そう初回は2フロア開催だったのです。僕もすっかり忘れてましたが。)

2フロア開催だったものの行き来に不自由することもなく、会場内はとても狭いながらも混乱することはありませんでした。

技術書典2は秋葉原UDXに移転しての本格開催の幕開けです。一般参加者3000人ちょい集まる大盛況ぶりで、うちのサークルは配置場所のラッキーもあって、かなりの部数を出せて完売しました。

技術書典3は台風やら選挙やらにより、2700人と、技術書典2より苦戦する状況下ではありましたが、ほぼ頒布予定数をさばけました。

ちなみにこの時「台風さんも技術同人誌欲しかったんだね!」というジョークがしめやかにささやかれていたりもしました。

さて、技術書典2と3を体験したときの感触は「このムーブメントは本物だし、我々サークル主が苦労したこと全てをノウハウ化して一冊の本を作ろう」という考えのもと、ワンストップ!技術同人誌を書こう(商業版: 技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ)を親方氏と二人で立ち上げ、計10名弱で執筆しました。この戦略は完全に当たり、技術同人誌を執筆している諸氏には同人版か商業版かどちらかを読んでいる方も多いはずです。(具体的には所持率を調べる術が無いですが、頒布部数を考えると、これまでの技術書典サークル主を超える部数が出ているはずです)

また、この頃に「明らかに潮目が変わった」ことを認識していました。なぜなら「技術書典って聞いたことあるんだけど行ったことないんだよね、行ってみたい。」という人がこのタイミングですごく増えたからです。

実際に、技術書典4では申し込みサークルが圧倒的に増大、一般参加者も増大(6000人規模)という、大規模な成長を遂げました。また、技術書典とは思えない快晴となり、技術書典といえば雨、雨といえば技術書典というそれまでの常識(超会議は雨じゃなかったらしいですが)も打ち破れることになります。

ここらへんから少しずつ混乱が見られるようになりました。技術書典4では過去類を見ない落選率により、それなりの数のサークルが落選してしまう事態に陥りました。

技術書典5は、会場を秋葉原UDXから池袋サンシャイン展示ホールDに移転することで、参加サークル数と一般来場者も増え、NHKからも取材が来るほどの大注目を浴びることになります。

このときは池袋サンシャイン展示ホール初開催ということもあり、魔のエリア「あ」という問題が生じた回でした。

技術書典6は、技術書典4と同様に落選率が高い回となってしまいました。展示ホールの利用効率は上がったものの、サークル主として参加したい人たちが大量に押し寄せるイベントとなり、「え????この大人気サークル落選するの?マジで?????」という事態になりました。(ちなみに技術書典の当落で運営事務局が、真面目に乱数を使ってるなと感じたのはこのときです)

他にもいくつもの人気サークルの落選が話題になっていました。

一部ではちょっとした問題もあったようで、このあと行動規範(Code of Conduct)が制定されるに至りました。

技術書典6はそれまでで最大(技術書典7の分析次第では技術書典7よりも?)の売り上げがでました。一般参加者も現時点で最大人数となっています。

多くのサークルが強気の部数を刷って、それでも早い時間帯で軒並み完売という状況で大きな熱狂となっていました。また、いわゆる「被サークル数」が多くのサークルで「比例傾向」「安定する」というデータが、後ほど技術書典運営事務局より発表されました。

技術書典7は、大幅増床のために2フロア開催にチャレンジしましたが、既にいくつものツイートやブログで報告されているように、多くの問題点を残す結果にはなりました。

※技術書典運営事務局さまは、これらの問題を乗り越え、次回以後も素晴らしい技術同人イベントを開催すると信じています。

久々に台風も本を買いに来たくなったのか、天候が荒れることになりました。それと別のイベントが重なる、3連休中日など、様々な要素のためか、一般来場者が9700人まで減る結果になりました。

多くのサークルが、技術書典6に比べて大苦戦する状況となりました。来場者数が減って、サークル数が増えたこと、2F/3F問題があったことなどにより、被サークルチェック数を大幅に下回るサークルが増えることになりました。もちろんサークルによっては被チェック数超えという結果もでています。

他の環境遷移

技術同人誌ムーブメントでは、技術書典の存在は大きいですが、もちろんそれだけではありません。

1つめはComicZINの栄枯盛衰があります。ComicZINは技術同人誌に限らず、いわゆる「情報・評論島」に強い同人誌販売店舗として有名でした。また初期の頃から技術書典イベント終了時のダイレクト入庫先として有力な選択肢でした。

残念なことに、システム障害に端を発する騒動によって、技術同人誌の店舗委託先として選ばれることは無くなりました。

そして、ComicZINと入れ替わるように有力な候補となったのが、とらのあなです。とらのあなは技術書典4だったか5だったかのあたりから本格的に技術同人誌の取り扱いを始め、システム開発の為にエンジニア採用の拡大、技術同人誌の取り扱い面積増大などを行っています。

※詳しい参入タイミング覚えている方いらっしゃいましたら教えていただけると幸いです。

とらのあなラボによる同人誌の頒布も最近の技術書典の名物の一部となっています。

また、物理本を預けるなら、とらのあな一択という状況になりました。

初期の頃から有力な電子版頒布環境としては、Pixiv Boothが有名です。元々同人グッズ頒布の場として有名だったPixiv Boothですが、電子版(特にPDF)を頒布するサークルが増えました。

いくつものサークルによって、当日頒布数を大幅に上回る、電子版頒布を行っています。ちなみに筆者のサークルも技術書典7の頒布数をすでに上回っております。

※筆者の個人的な感覚ではBooth倉庫に物理本を預けるのはリスキーかつ割に合わないと感じます(送料が掛かるためほとんど数が出ない、倉庫に預ける金や不良品の着払い発想など…)

今後、双方がポカでもやらない限り、物理本はとらのあな、電子版はPixiv Boothが鉄板という状況が続くでしょう。もしかしたらライバルが現れるかもしれませんが、そこは筆者の予測出来る範囲ではありません。

電子版で有力な手段の1つとしては、対面電書というサービスもあります。Pixiv Boothとは違って販売チャネルではないですが、当日の電子版頒布プラットフォームとしてはお手軽に利用できるサービスです。

・ 電子版DLカードに個別のシリアル・パスワードを付与しDLサービスのみを提供する

という目的に特化したものです。

ただ、サークルによってはそういった処理は逆に面倒だと考えて、パスワード決め打ちにすることで頒布方法を Google Drive や Dropbox やホスティングサービスを利用してzipダウンロードできるようにしているところもあります。

実際のところ、アニメや漫画のような違法ダウンロードが跋扈するほどの市場では無いため、少なくとも現状ではこの割り切り方はありでしょう。

原稿にそれらの情報を盛り込むことで、別途電子カードを制作して本に挟み込むという面倒な作業から解放されるという利点もあります。

また、いくつかの技術同人イベントが立ち上がっています。

※以下に挙げるイベントはすべて、技術書典運営事務局様とは無関係のイベントなため、技術書典運営事務局への問い合わせなどはご遠慮ください。

銭けっと
技術書マルシェ(in 名古屋)
技術同人誌博覧会(通称:技書博)

このなかでも技書博は精力的に技術同人イベントを定期開催する意欲がとても強く、今年7月、12月14日に続いて、半年ごとのイベント開催が決定していて、会場も押さえられています。

また、技術同人イベントとしては、少し性質が異なるイベントも立ち上がっています。

技術同人誌再販Night★#5 (2019年11月01日開催予定。申し込み受付中)
・ 技術同人誌再販Night★#4
・ 技術同人誌再販Night★#3
・ 技術同人誌再販Night★#2
・ 技術同人誌再販Night★#1 (この回ではMochikoAsTechのMochikoさんがLTをしてくださいました)

このイベントは少し特殊で、勉強会などと同様の会場で、飲食あり、即売会あり、LTありという、新たな試みを続けています。元々コンセプトは他のサークルさんに買い出しや挨拶に行けなかったサークル主が改めて、挨拶や買い出しに行くこと、技術書典やコミケ、技書博などで買いそびれた一般参加者の方が本を入手、あるいはサークル主とゆっくりトークできる場です。

技術書典7 非公式アフター(9/22)

技術書典3のときから連続開催で今回5回めとなる非公式アフターも人気イベントとして、最近では毎回100人以上の参加をしていただいています。

名前から分かると思いますが、技術書典運営事務局とは無関係の非公式なアフターパーティです。

技書博さんは技書博さん自体が公式の打ち上げをやっているため、別途、非公式アフターを開く予定はいまのところありません。

ちなみに筆者は、再販Night及び非公式アフターを少し手伝ってる(メインは親方氏)、技書博は運営スタッフに知り合いは多いが、一応無関係という立場です。

技術書典というお祭りについて

もともと技術書典運営事務局の母体となっているTechboosterさんは、世界最大の同人イベントであり、最大のお祭りであるコミケの常連サークルです。

コミケとは方向性は違うものの、技術書典には技術のお祭り、祭典としての側面が強いものです。だからこそ技術書なのでしょう。

ただ、その一方で、そういったものを苦手とする人たちもいます。

技術書典が大人気イベントになった理由の1つには、コミケのような1つのイベント会場に一日で20万人弱の大人数が押し寄せるような大混乱ぶり、いわゆる臭い人問題、などコミケ特有の問題を避けたいというものがあります。

技術書典は、コミケよりは臭い人問題は生じづらいですし、人の数・熱気もコミケほどではありません。(もっとも今回は2階が臭かったという話が…)

エンジニアなんてもともと出不精ですし、コミュ障ですし、人混みが嫌いです。もちろんそうじゃない人も多いですが、技術書典で名物となってる行列に並ぶことを苦痛と感じる人も少なくはありません。筆者もたびたび「興味はあるんだけど、行列とか人混み辛いから、行かない」という人を見かけます。

技術書典7では、参加サークル数こそ倍増しましたが、一般参加者が減ることになりました。これが様々な要因による一時的なものなのかどうかは筆者にも分かりません。

※繰り返しますが、これまで様々な課題を解決してきた技術書典運営事務局なら、きっと技術的に解決する!と信じています。

ただ、個人的には、イベント当日の頒布数よりも、後の電子版頒布数の方が圧倒的に増えるという現象は、出不精なエンジニアが気軽に入手する手段として定着していることを裏付けていると考えています。

閑話休題: 紙の書籍を求めるということ

ソフトウェアエンジニアはその性質上、電子化を望む傾向があります。それでも紙の本に一定の需要があり、決してその需要自体が減退している傾向がさほど見られないのは、なんやかんやで、紙の本やお祭りの空気に価値があるからでしょう。

紙の本は、電子版よりも圧倒的に高いランダムアクセス特性を持っています。付箋を使えばもちろんですが、狙ったページを開けるスキルを持っている人も多いことでしょう。

さらにいうと、本にはメモを書いたり、マーカーやペンで書き込みもできます。

今後もそれらは無くならないのではないでしょうか。

環境分析

さて、ここまで技術書典や技術同人誌界隈を取り巻く環境について説明しました。これらを元に筆者の個人的な分析を記します。

現時点でもまだ「技術書典行ったことないけど行ってみたい」という人を見かけますし、未だに「技術書典知らない」という人もいます。

そのため、まだ需要は尽きてないのでは?と考えています。供給もまだ追いついていないはずです。(当日買えず悔しいツイートを多く見かけますし、Boothで買う人が多いことも判断材料です)

ただ、技術書典がこれまでと同じような倍増をしていけるか?というと疑問は残ります。

あくまで個人的な主観ですがあの規模の2フロア開催は現在の運営体制では難しいのではないか?と感じます。

※混雑をさばく技術がもっと進化する、あるいは混雑緩和になれた人材がコアスタッフとして参戦するなどで大規模化も可能かもしれません。

仮に2フロアで効率的に開催出来たとしても、じゃぁその先は?というとどうなるかわかりません。ただでさえ忙しい売れっ子エンジニア数名が、コアスタッフをやっている都合もあり、無限に拡大できるものではありません。

ただ、一日1万人前後(あるいはそれ以上)を見込める技術書典は、場としてはすごくポテンシャルが高いです。日本で開催されている大半の技術カンファレンスよりも人が集まり、なおかつ来場者の大半は一定以上の熱意を持った人たちです。(日本で人が大量に集まるカンファレンスは熱意を持たない人が多い傾向もあります)

ただし、現時点では自ブース以外でのあらゆる勧誘活動は技術書典運営事務局により禁止されています。

自己のスペース以外でのビラやチラシの配布、運営事務局が営業と判断するもの

技術書典運営がここらへんの判断を今後どうしていくか?によっては、カンファレンスよりも遙かに高い価値を持ったイベントとして認識されるという可能性もあると思っています。国内屈指の採用ポテンシャルを持ったイベントに成長するという路線もありえるでしょう。

※筆者は実際には今後どうなってくかを知る立場にないため、あくまで現状の来場者数などから見ているだけまので、的外れな見方だとすれば申し訳ありません。

個人的には技術書典は見本市としての側面が出てくると思います。

紙の本に価値はあるものの、印刷には大きなリスクを伴います。そのため、印刷部数を絞り、電子版DLカードを多めに刷って、Pixiv Boothなどと併せて、電子版頒布をメインに捉えるサークルは間違いなく増えるでしょう。

特に今回痛い目を見たサークルは、部数を絞る検討をしないわけがありません。

「競争」が激しい場であると考える人もいるようです。古き良き同人を愛する人には違和感を覚える人も少なくないようです(度々そういうツイートは見かけます)。

これは人それぞれの感性であり、筆者がいちいち口を挟むものではありませんが、技術書典以外の技術同人イベントも見直されるのではないか?と感じます。

仮に、技術書典が拡大路線をとり続けるならそれに合わない人も出てくるでしょうし、逆に拡大路線を取らないのだとしても、受け皿となるイベントを他に求めることになるためです。

・ 印刷部数を慎重に決める
・ 電子版を主戦場にするサークルが増える
・ 他のイベントにもスポットライトがあたる

個人的分析なので的外れだったりするかもしれませんが、筆者は最低でもこの3つは今後の流れになると思います。

VRによる技術同人誌即売会は、今年や来年程度ではまだ現実的ではないと考えています。臭い問題や混雑辛いとかは解決するかもしれませんが、VRChatを用いた即売会では「内輪のりを見せつけられて嫌気がさす」などという話もあり、また現行機器の解像度の低さや普及率の低さなどもあって、よほど頑張らないとVR即売会は現時点では厳しいでしょう。

その反面、ポテンシャルは間違いなくあるとは考えられるので、中・長期的には、VR即売会が人気となる可能性は普通にあると思います。

印刷部数を決めるロジック(2019/09/30版)

先日、印刷部数を決めるロジックについて考察記事を書いた直後ですが、技術書典7の経験を踏まえてアップデートしておきます。

そもそも紙の本の頒布部数は、技術書典運営事務局さまがどれだけ頑張っても、何かしらの問題に左右されないという保証はありません。

台風・地震などの災害、当日バッティングするイベント(特に2020年まではオリンピックという凶悪な敵がいますし、それに夏コミの開催時期がずれるなどの避けようがない問題も生じます)に左右されてしまうからです。

それらのリスクを織り込んだ判断をすることは、理性有るサークル主なら当然考慮するはずです(一部の理性のぶっ壊れた主は度外視で倍プッシュを今後も続けることでしょう……)

※筆者は状況をみて、さらに細かく分析しつつ、本によっては少部数とそこそこの規模の印刷を個別判断すると思います。

また、技術書典は比較的サークル入場からイベント開始までの時間が短めで設営時間が短いイベントです。今回は特にサークル入場に大きな遅延が生じたためなおさらです。そのため、コピー誌や少部数の手搬入をするサークルには少し厳しいところがあります。

※これは技術書典運営事務局さまの努力により改善されるかもしれません。

ギリギリで少部数を用意するという、他の同人イベントでよく見かけられる光景は、技術書典に限って言えばリスキーな行為です。

被サークルチェック数は今後どれくらいアテになるか未知数です。そもそもサークル単位なので、発行品目の多いサークルにとってはチェック数からそれぞれの品目に対する実際の比率が分からないという問題もあります。

例えば技書博は品目ごとのチェックシステムをメインに捉えています。技術書典にも取り入れられていただければ、サークル側の予測精度はこれまで以上に上がることは間違いありません。

もう1つの解決策は取り置きシステムだと思いますが、今回のように3階にたどり着けなかった、という事態には対処できません。取り置き数に対するキャンセルが増えるためです。

※取り置きシステムは天気・同時開催イベント・体調・当日の混雑などに対しては無力です。

もしかしたら、僕の想像を超える何かしらの解決策が生まれるかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。あくまで、僕個人の今後の予測によるものですが、部数戦略は慎重にならざるを得ないでしょう。

被チェック数や取り置きシステムの数値に頼りすぎるのはリスキーということで、別の材料などを元に印刷部数を慎重に決めることになるでしょう。

また、イベント申し込みから実際の開催までに期間が空いていることも個人的にはソフトウェアエンジニアリングとの相性が悪いところがあると思っています。申し込み時点で考えていたつもりのネタと、ソフトウェアのトレンドに影響されて別のネタで本を書きたくなるということもあるでしょう。エッジを追いかける技術者にとっては数ヶ月のタイムラグは決して短いものではありません。(筆者はわりとそのタイプです)

どうしても紙の本には、印刷部数判断の難しさ、執筆期間の都合などがあり、著者によってはやっかいな問題となります。

それらを考慮すると、電子版をメインだと捉えて、紙の部数を絞るという戦略は理にかなっているといえるでしょう。

印刷部数を判断するためのパラメータはいくつかあり、それをおさらいします。

・ 執筆期間
・ 安全マージンをどれくらい取るか?
・ ブログやSNSなどでの情報公開
・ 公式ウェブサイトが改善されるかどうか?
・ 被チェック数
・ 取り置きサービスがあれば、その取り置き数
・ 被チェック数と取り置き数をどれくらい信用するか?の係数
・ 当日来場者数(増大するのか、据え置くか?あるいは減るのか?)
・ サークル設営、ダイレクト入庫、撤収などに必要な時間

最後に書いた項目は今回意外と無視できない要因だと感じたものです。部数が多ければそれに比例して時間が掛かります。今回のようにサークル数が増えたり、頒布数が振るわない場合は、撤収には大きな負荷がかかります。

※今回は搬出エレベーターがボトルネックとなっていました。またダイレクト入庫や宅配便も、2Fにしか受付がないため、やはり移動がボトルネックです。

こういった要素は、ワンオペのサークルには致命的になることもあります。チケットを多めに発行してもらい、大人数でオペレーションが出来れば解決できるかもしれませんが、それをするには実績や持ち込み部数の申請などにも左右されます。

どのサークル主にも通じる汎用的な部数判断戦略は存在しません。被チェック数神話も残念ながら技術書典6で考えてたほどには確実ではありません。参考数値として役に立つことがあるかもしれないというほどのものです。

被チェック数と実績の間にある係数を正確に推測できる人なら参考数値として意味は大きいかもしません。

これらの情報を考慮する必要があるでしょう。

また技術書典運営事務局さまによる、サークル連絡会で、データや次の施策も発表されるでしょうから、技術書典に出る限りは、それらを踏まえて、今後の戦略・戦術を考える必要があるでしょう。

最後に

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後者はまだ未完成で9月いっぱいは500円で頒布しております。10〜11月は700円。12月以後は1000円の予定です。

完成は2019/12/14の技書博2合わせの予定です。当落次第ですが、技術書典8 にも持ち込むと思います。

技術書典という大規模イベントではどうしても色々と考えることもありますが、いかにせよ、技術同人誌というのは書いても買っても読んでも楽しく、サークル主との会話もとても刺激的で良いものです。

今後がどういう形になっていくにせよ、技術同人誌を皆で楽しみたいものです!

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