脳はかなりの心配性だった!

面倒くさそうな作業や難しそうな仕事を任された時、「できないかも、失敗したらどうしよう」という悪い事態が頭に浮かんで、なかなか取り掛かれない。

こうした事態にも、脳の特性が影響している。

どういうことか。

人間の脳には、いいことよりも悪いことに意識が向きやすい傾向がある。

つまり、私達が何か行動を起こそうという時、脳はつい悪い結果を想像しがち。

これを心理学用語で、「ネガティブ・バイアス」と呼ぶ。

原始時代、いつどこで猛獣に襲われるか分からないという環境下を生きてきた人類には、常に最悪の状態を想定しながら行動する必要があった。

弱肉強食の世界では、「大丈夫、何とかなるよ」という楽観的な考えは通用しない。

生き残るために未知の経験や行動をする時には、常に不安や恐れといった否定的な気持ちを持って最悪の事態に備えていた。

その結果、人間の脳はかなりの心配性になっていたのである。

ただ、原始時代ならば理にかなっていたこの習性も、現代社会ではマイナスの影響を与える、弊害となるケースが多くなっている。

初めての作業や仕事を前に、「できるのかな」と不安になる、その不安からつい先延ばししたくなる。

それは進化の過程で身に付けた脳の習性でもある。

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