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『傲慢と善良』だけじゃない 辻村深月さんの作品はアラサー女子の胸に響くよね

『傲慢と善良』
映画化が決まりましたね。

私がこの作品に魅了されたのは2022年末だった。

一気読みして衝撃を受け、勝手にインフルエンサーして
たくさんの友人に貸したり購入を勧めた大好きな作品。

今となっては人生のバイブルの一つになっている。

これを機にすっかりと辻村さんの作品に惹かれて他の作品も読み漁った。
コツコツ集めたのがこれ。
*『盲目的な恋と友情』は後輩に貸出中のため不在です。涙

私のコレクション

どの作品も読み終わった後に浸ってしまう。
なんだろうねあの感情。

いい意味で本を読むたびに自分と向き合える気がするの。

だからこそ私は辻村さんの本が好き。

最近読んだ作品がまた最高に良かったので伝えたい!

『鍵のない夢を見る』 辻村深月

これは短編集で、全部で5つストーリーがある。

私が特に好きなのが2つ目と5つ目。

アラサー女子にはグッと来るの。
もう本当に。

ネタバレはしたくないので内容にはなるべく触れないようにして
私の所感を伝えたい。

【石蕗南地区の放火】

「どうして私はこんな人にしか好かれないのだろう」

誰もが思ったことがあるんじゃないかな。

私はあの先輩が好きなのに、あの人に憧れているのに
私に好意を寄せてくれるのは全然タイプじゃない人。

そんな時に、色々考えるよね。

これまでだってモテなかったわけじゃない。
今だって自分磨きしてるんだから、私の隣はこんな人のはずない。

でも、周りが幸せそうに見えてくると自分も早くしなきゃって
少しづつ焦るようになり

「まあこの人も案外悪くないかも?」

って自分に言い聞かせて、必死に良いとこ見つけをするんだよね。

脳内で散々良いこと見つけをしたが故に
自分の中で相手が美化されていくの。

でいざ会うと、落胆する。

色んな部分が全部気になっちゃって、

「あぁやっぱり違う。私はこんな人と結ばれるはずないわ」。

で、何やってんだろうって虚しくなる。

っていう大学生の頃の自分を思い出した。

30歳になった今も正解は分からない。

でもあんな時もあったな。
私も未熟だったな〜って少し反省した。

このお話を読んだら、自分のこれまでを振り返って
なんとも言えない感情になると思う。

でもそんな機会なかなかないからおすすめ◎


【君本家の誘拐】

そして私がしばらく引きずったのは5つ目最後のお話。

とにかく読んでいる時はハラハラして
「え?なになに!」ってどんどんページをめくりたくなるの。

待望の妊娠、出産で幸せの絶頂のはずなのに
いざやってみるとうまくいかなくてっていう女性の葛藤が描かれている。

正直、私もこうなるんじゃないかってちょっと怖くなったんだよね
だからこそ引きずった。

私は出産も子育てもしたことがないけれど
ママたちはみんな不安でいっぱいだよね。

でもそんな弱音を吐くと周りは

「大丈夫だよ。みんなやってることだから

っていうんだよね。
悪気はない。

でも、そうやってうまく丸め込まれた結果
思い通りにいかないことがあった時に

「私がおかしいの?」ってきっと自分を責めちゃうと思う。

きっと私はそうなってしまうと思う。

だからこそ読み終わった後、ぼーっとした。

妊娠しているわけではないけれど
このお話を読んで考えたことを夫に相談できた。

辻村さんの作品ってなんだろう。

自分でも気づかないふりをしているようなポイントを
突っついてくれるんだよね。

だからこそ毎回読み終わった後
「自分はどう思う?」って問いかけてる。自然にね。

ちゃんと自分と向き合うきっかけをくれる気がする。

本当にすごすぎるよ辻村深月ワールド。

今後もたくさん読みたい作家さんです。
大好き。

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