uniform : ユニフォーム 制服

思い起こせば、わたしの人生の中で、制服を着ていたのは3年に満たない。

幼稚園も小学校も私服、中2の終わりに転校した学校も私服、そのまま高校、大学、社会人と、私服生活を送ってきた。

唯一の制服経験が、奈良の中学校に通っていた時のもの。幼稚園からずっとズボン派だったわたしは（木登りやサッカーや鬼ごっこや、とにかく外で走り回っていたこどもだった）、セーラー服のスカートがどうにもくすぐったくて、桜の木の下で照れ笑いをしている写真が実家のアルバムに残っている。制服で撮った写真ってあまりなくて（当時はまだ携帯もデジカメもなんてなかった）、現存する貴重なわたしの制服姿の写真である。

制服デートとか、憧れたなあ。帰り道、制服で一緒に帰る、とかね。部活帰りに一緒に並んで帰る先輩と同級生のカップルとか、きゅんきゅんだった。

そんな中、わたしが中2の時に付き合った人は部活のOBの高校生だった。LINEなんて当然ないし、メールもないし、携帯もないし、連絡は家の電話、という時代。足しげく彼のバイト先のコンビニに会いにいったり、彼が部活に顔を出してくれた日には帰りにジャージでポカリを飲みながら学校の前の文房具屋さんの前でだべったり、そんな、デートとはいえない、今から思えば相当にうぶな付き合いだった。そして結局制服デートはしないまま、日本とチリという超遠距離になってしまい、なのでわたしはいまだに制服デートデビューできていない。

制服、という言葉から、なんだか懐かしい思い出が出てきたなあ。彼は今、元気にしているかなあ。最後に会ったのは大学生の頃だから、もう10年以上前のこと。美容師になったこと、結婚したことは知っている。当時と違って今はFacebookが近況を教えてくれるから。いつかあの頃を懐かしみながら、一緒にお酒でも飲めたら楽しいかもな。

#なおのatoz #エッセイ #思い出 #制服