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Twitter に最後のお別れの言葉を残して帰られた(逝ってしまわれた)方との思い出


突然の別れ

昨日Twitterのタイムラインで亡くなった方の娘さんが代わりにお別れの言葉を投稿されたのを、投稿されてすぐ、20分後にお見かけして衝撃を受けた。衝撃が凄すぎて何もお返事できなかった。その出来事を自分の中で静かに消化しようと思ったが、1日たっても悲しい気持ちは消えず、タイムラインにもその方の死を悲しむメッセージがたくさん流れているのを目にすると悲しみはさらに増幅していくばかり。どこかにこの気持ちをシェアしたいと思った。140字では伝えきれない。そういう時、やはり言葉を書き留める場所はnote。もし今同じ方のことで悲しんでいる方がいたら読んで下さったら嬉しい。

その方のさよならの言葉

私はそのツイートで初めて知ったのだけど、その方はずっと闘病中で緩和治療をされていたそうだ。存命中に、娘さんが、Twitterで仲良くしている人へのお別れの言葉を伝えることを、お願いをされていたということで、娘さんが「母から頼まれました」とフォロワーさんへのお別れを代わりに投稿されていた。

「皆さん いつも優しく
ワチャワチャしてくれてありがとう😊
実は2020年から闘病してました
私は緩和治療でした
もぅ少し長く推し活🍃したかったけど 後は皆さんに託すね
仲良くしてね 
感謝の気持ち伝えてほしいです
#FujiiKaze 出会えてありがとう」

彼女は藤井 風さんのファンだった。

思い出の会話

普段ソーシャルメディアに使える時間が十分になく、リプ欄などで交流などはあまり出来ていない私だけど、アイコンを拝見したときによくいいねを下さる方だな、この方とお話をしたことがあるなという思い出があって、検索してみたら、私の書いたRising Sun Rock Festival のライブの感想noteや、私がラジオDJをさせて頂いた時の番組の感想を優しい言葉でお返事を下さっていた方だったということがわかり、出てくる涙を抑えられなかった。

お会いしたことはない方だけど、Twitterのファンダムに常にいらっしゃった方、こうやってメッセージのやりとりをさせていただいたというつながりがあった方がお亡くなりになった。自分が帰る日(逝く日)をわかっていて、その日のために心の準備をされていたんだなぁと言うことを思うと胸にこみ上げるものがあった。

歌詞に託した遺言

娘さんによると、藤井 風さんの「帰ろう」の2番を家族の方に遺言として託されたそうで、それを聞いたときに、彼女がどんなに藤井 風さんの楽曲が好きだったのか、そして「帰ろう」が彼女にとってどんなに大切な曲だったのかということを考えた。そして、家族への最後の言葉にしたいと思うほど、人生の最後にふさわしい偉大な曲を生み出した「藤井 風」という天才音楽家のことも。

その2番の歌詞はこちら。

「 あなたは弱音を吐いて
わたしは未練こぼして
最後くらい 神様でいさせて
だって これじゃ人間だ

わたしのいない世界を
上から眺めていても
何一つ 変わらず回るから
少し背中が軽くなった

それじゃ それじゃ またね
国道沿い前で別れ
続く町の喧騒 後目に一人行く
ください ください ばっかで
何も あげられなかったね
生きてきた 意味なんか 分からないまま

ああ 全て与えて帰ろう
ああ 何も持たずに帰ろう
与えられるものこそ 与えられたもの
ありがとう、って胸をはろう
待ってるからさ、もう帰ろう
幸せ絶えぬ場所、帰ろう
去り際の時に 何が持っていけるの
一つ一つ 荷物 手放そう
憎み合いの果てに何が生まれるの
わたし、わたしが先に 忘れよう

あぁ今日からどう生きてこう」

彼女は、2020年から闘病をされていたそうで、それは、藤井 風さんのデビューした年。彼女の推し活の思い出はそのまま闘病生活の道のりでもあり、その中で風さんの音楽が彼女の強い心の支えになっていたであろうと思うと、感極まるものがあり、また、それは本当に救いだったろうとも思う。

「帰ろう」という楽曲の凄さ

「帰ろう」は、万人に普遍的に訴える力のある人生の真実を歌った曲だと思うけど、身近な人の死を経験した方や、ご自分が帰る時期が近づいていると感じている方にとっては、違った次元で心に響く歌だと思う。

私も、藤井 風さんにカバー曲を通して出会い、「もうええわ」という彼のオリジナル曲に深く共鳴し、そして「帰ろう」という曲を聴いた時、こんなに深い歌詞をかけるミュージシャンは一体どういう人なんだろうと、感銘を受けて藤井 風という人と音楽にハマった。

こんなに深いメッセージを発信しているアーティストの想いが彼の素晴らしい音楽と共に世界に伝わったら、たくさんの人がそれで救われるのではないかと思った。私は好きなミュージシャンはたくさんいるし、音楽は人生を豊かにしてくれるパートナーだと思うけど、音楽に救いを求めたりしたことは今まで一度もなかった。でも、藤井 風さんを積極的に応援したいと思った理由は、彼が作る音楽が、心地よいだけではなく、その中に折り込まれた高い精神性を感じる歌詞に心動かされたこと、自分が1番しんどかった時に彼の音楽に助けられたことが大きかったように思う。

普段、私は音楽を聴くときに、音は聴くけど歌詞を注意深く聴いたりはしないので、サビの歌詞は聴いているうちに覚えたりはするけれど、歌詞全体をかみしめるように聴く事はまずない。だけど、藤井 風さんの歌詞は、生き方を考えさせられるような言葉があちこちにちりばめられているし、彼の曲を歌詞を味わいながら聴くと、すごく心が休まる。音楽に救われるという経験をしたのは彼が初めてで、きっとたくさんの人がそういう経験をしたからこそ、「藤井 風」は現象となったのだと思う。

世界のリスナーにも響く精神性

彼の音楽が、日本だけでなく、世界中に広がったのはほぼ必然で、海外ファンがどういう風に彼の音楽を聴いているのかを見たときに、その精神性が深いところでしっかり伝わっているからこそ、Fujii Kaze と言うアーティストに対してこんなにコミットできるたくさんの熱烈なファンダムが生まれたと感じる。今、現在進行中のアジアツアーにも世界中からファンが集まっている。複数の国のライブに参加している海外ファンも少なくない。藤井 風 の音楽は言葉の壁を越えて、歌詞の世界までしっかりと伝わっている。そして彼の音楽のおかげで人生が変わったという海外ファンはたくさんいる。

彼女は、藤井 風さんの「帰ろう」という歌に自分の気持ちを託して家族に残して帰ったのだけれど、また残された家族の方も、お母様のことを偲ぶとき、藤井 風さんの音楽はお母様の思い出と共にあるだろうし、これからは、ご家族も彼の楽曲に支えられていくのだろうと思った時、音楽が人の人生に与える力の凄さみたいなものを改めて感じた。

その方のツイートのリンクをこのnoteに貼るべきかどうか、迷っている。大切なツイートなのでそっとしておきたいので、今は貼らないでおく。(検索するとすぐわかると思うが、リプ欄に生前仲良くされていた方々からのメッセージがたくさん寄せられた特別なスレッドになっている)

彼女のことはずっと忘れない。彼女が最後のファンダムへの大切なメッセージに「仲良くしてね」と書いたことの意味も忘れない。藤井 風さんの音楽を通した、このご縁に感謝。彼女のご冥福とご家族の心の平安をお祈りしています。

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