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裏切りのサーカス

原題は「Tinker Tailor Soldier Spy」。ジョン・ル・カレのスパイ小説が好きな方はご存知なのかも知れないけれど、邦題だけを見ると、こういう映画だと連想できないし、予告編だけを観ても、その雰囲気は全体を観てから受ける印象とちょっと違う。いずれにしてもこの作品、良かった!ハリウッドのアドレナリンがバリバリ放出される作品ではなくて、丁度こんな感じの一本が観たい気分だったから。

英仏独の合作で、英国屈指の俳優たちが素晴らしい演技を見せる。ゲイリー・オールドマンの静かな、でも微細な感情を表す演技はさすが。ヒーローものではない、でも男たちのストーリーである。結局はどちらのシステムに追従しようが、人を欺き戦うという行為は虚しい。何かを成し遂げて自分の名前を残したいという気持ちは、男性特有なのだろうか。女性にもあるのかも知れないけれど、私には自分の名前を残したいという願望はない。

セリフのないシーンの一つ一つに意味が込められているから、観る人はよそ見をしないように(笑)。音楽も美しかった。麗しいメロディーの背後に、不安をそそるような音が入っていたりして、すごく良く出来ている。

ダウントン・アビーやこういった作品を観ると、ゴテゴテの装飾の付いたティーカップとソーサーで(持っていないけれど)紅茶をすすりたくなる。時間を置いて、また観たい作品。


ついで(失礼)に前に観たゲイリー・オールドマンの出演作品の予告編から2つ選んで。こちらも迫力の演技だった。

若い・・・↑



ウィンストン・チャーチルの姿のままジェームス・ブラウンと化すオールドマン氏 ↓


仕事しようよ←ワタシ

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