坂の街を散歩していると
その大きな建物は突然目の前に現れた。

煙もモクモクと上がっている。

ん？

向こうは海の方角。
こんな素敵な街にコンビナートでもあるのだろうか…
もしそうだとしたら少し残念、
という気持ちを抱えながら
煙を上げている建物の方へ向かう。

周りの建物と建物の間で
妙な距離感のその建物が、近づくごとに姿が露わになってくる。

あっ！

一瞬　息が止まりそうになる。
そして、鼓動が激しくなり自分が興奮してきているのを感じた。

その大きな建物だと思っていたものは
海に浮かぶ大きな大きなホテル…
いや、巨大なクルーズ船だったのだ。

・

つい先日
いつか豪華客船に乗ってみたい
と、夢想していた。

それが今、目の前に現れた。

興奮しないわけがない。

想像を絶する大きさに、ただただ圧倒されながら
出来るだけ近くまで寄ってみる。

船上のバルコニーでは、モーニングコーヒーを片手に上半身裸のおじさまたちが寛いでいる。

船上は海外のリゾートだ。

“私もいつかそっち側に行きたい”
そう思いながら
こっち側で写真を撮る。

たくさん、撮る。
この目に、この胸に焼き付けるかのように。

・

ガードマンに聞いた出航時間をゆうに1時間は超えていたが、出航する様子は見られなかった。

あの巨大な船が動くところを見てみたかったが、残念。
こんなところも、海外リゾートなのだな(笑)

それでも、充分に堪能しその場を後にした。
満足♡

あぁ　本当にいつか絶対乗ってみよう。

旅の楽しみが、また増えた。