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いろんなこと。ドゥルーズがすき。

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最近の記事

読書記録『〈内在の哲学〉へ カヴァイエス ドゥルーズ スピノザ』

3日かけて読み終わったのが、近藤和敬著『〈内在の哲学〉へ カヴァイエス ドゥルーズ スピノザ』(青土社、2019)だ。 題にもなっている内在はあまり聞きなれない用語だが、ドゥルーズにおいては内在平面というキーワードになっている。 メーヌ・ド・ビランのレポートを書いた際に現代思想2002年8月号のジョルジョ・アガンベン『絶対的内在』を読み非常に感銘を受け、ちょうど発売だった本書を手に取った次第だ。このアガンベンの論考は、ドゥルーズ において内在がいかに重要である

    • 考察『天気の子』;新海監督の含意 (『君の名は。』考察を添えて)

      本記事は『天気の子』および新海作品の多大にネタバレを含むので、見ていない人は自己責任で。 まずは新海監督のインタビューを見ていただこう https://natalie.mu/comic/news/338049 新海監督によれば(野田氏に誘導させられる形で)、「攻めた作品で、賛否両論」を呼ぶと言っている。 しかし、冷静に考えれば今更ではないだろうか。監督の作品は常に賛否両論を巻き起こして来たし、それを常に意図してきたと思う。 なのに、である。わざわざこんな言い方をする

      • 読書記録『ドゥルーズ 『差異と反復』を読む』

        昨日読んだ本を紹介。『ドゥルーズ 『差異と反復』を読む』森田裕之著(作品社、2019)だ。 仲正昌樹の諸入門シリーズも出版している作品社からの、新しい「入門書」だ。 さて率直な感想としては、うまくまとめたなぁ、という感じ。なにしろ『差異と反復』は紙幅だけで膨大だし、それでいて一つ一つの文章の密度がとてつもなく濃い。いままで多くの解説がなされているが、まだまだ完全に読み尽くされてはいないだろう。 そんな原書を、その題名にある差異、反復とはなんぞやという部分だけに絞って解説

        • 読書記録『ベルクソン『物質と記憶』を再起動する: 拡張ベルクソン主義の諸展望』

          せっかくなので、これからぼちぼち読書記録をつけることにする。 とりあえず今日読み終わったのが、『ベルクソン『物質と記憶』を再起動する: 拡張ベルクソン主義の諸展望』平井靖史他編著(書肆心水、2018年)だ。 科研費プロジェクトを中心にしたPBJ(Project Bergson in Japan)の2017年シンポジウムの論集で、国内・外、様々な専門分野問わず様々な方向から、アンリ・ベルグソンの『物質と記憶』について論じるシリーズ第三弾だ。 僕は前二作『解剖する』、『診断

        読書記録『〈内在の哲学〉へ カヴァイエス ドゥルーズ スピノザ』

        • 考察『天気の子』;新海監督の含意 (『君の名は。』考察を添えて)

        • 読書記録『ドゥルーズ 『差異と反復』を読む』

        • 読書記録『ベルクソン『物質と記憶』を再起動する: 拡張ベルクソン主義の諸展望』

          不適切の表象が不適切な行動になる時代に生まれて 〜ツイフェミ批判①〜

          あるツイフェミがRTしていたこのツイート、端的に言って頂けない。「誘拐なんて犯罪なんだし、こういうふうに犯罪を匂わすのは良くないでしょ!」 という反応が予想される。 僕は、そのような反応、ひいては、このツイートが異常だなんて思わない。 不適切な物の表象を不適切とすること。 犯罪の表象を犯罪とすること。 むしろ、こうした言説は世界的なもののように思える。 だが、それでもやはり、そういった言説は頂けない。 何故か、を説明する材料にもなってくれるのが、 このツイートの連続ツイー

          不適切の表象が不適切な行動になる時代に生まれて 〜ツイフェミ批判①〜