見出し画像

君が手にするはずだった黄金について。この短編集の中の「君が手にするはずだった黄金について」の感想


腰痛が再発したため、夕方から横になっていた。
夜の7時にベッドで目が覚めた。本来ならすぐに起き上がるところだ。しかし、腰の様子が気になり起き上がる勇気がない。それを言い訳に、枕もとの本に手を伸ばす。
『君が手にするはずだった黄金について』を開いた。
睡眠充分だったせいもあったのか、まったく眠くならず、
一気に読んでしまった。
相変わらず引き込み力がすごくて、作家の内訳話として読めるような感じなのですが、これはエッセイなのか、フィクションなのか、よくわからないまま、ズルズルと小川ワールドに引きずり込まれていく。ページをくる手が止まらないと言うのはこういう小説のことを言うのでしょうか。
昨今世の中を騒がせているいわゆる投資詐欺的な人物との関わりを書いているのですが、まぁ面白いったらない。
私は投資に関しては全く無頓着だし、知りたいとも思わないし、儲けたいと思わないし、とにかく興味がわかないのですが、この物語における投資の存在はめちゃくちゃ面白かったです。
投資詐欺についての知識がいっぱい入っている物語でした。
そういった意味でとても社会勉強にもなるし、現代の恐ろしい一面を見た感じもしました。
最後はやっぱり小説家だなぁと言う見事なエンディングだったと思います。久々に読んでよかった傑作だと思います。
「長さは短編なんだけど、読み応えは長編並み」、と言うどっかの短編集のコピーを持ってきたくなるような濃密なお話でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?