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悪い夏

買った時のこと。
先日、いつも行っている府中の啓文堂をやめて、なんとなく聖蹟桜ヶ丘にある「くまざわ書店」に行ってみた。

直前に読んだ【燃えよ、あんず】が面白かったので、また、小説が読みたかった。
でも、申し訳ないが、読みたいと思える本がなかなか見つからない。

もうそろそろ帰ろうかなぁと思い始めた頃、この本の帯の言葉が目についた。

「クズとワルしか出てこない。最低にして最高」

なんだこりゃ?
クズとワルしか出てこないって、
それんなのありか? 
著者は「染井為人」とある。
全く知らない作家さん。

でも、なんだか面白そうだなぁ、
と思った。
でも、買わない。

最近「積読」が増えすぎてるから、
頭の中で「お前、本当のに読むのか?どうせまた、積読になるんじゃないのか?」と警鐘を鳴らす声がする。

本を平積みの山に戻す。

また、ブラブラと棚の前を歩いて回る。
でも、やっぱりいいのがない。
足腰も痛くなってきた。
仕方がない、今日は帰ろう、
と、下りのエスカレーターに向かって歩き出した。

ところが、エスカレーターの手前の3メートルぐらいで、また頭の中に声がする。
「クズとワルしか出てこない」と。

うーーーん、気になる。

Uターンして、先ほどの本を手に取り、冒頭のところを読み始める。

主人公らしき若者が、真夏にエアコンをつけっぱなしにして震えているシーンが描かれている。
あっ、これ、俺も昔、真夏に京都のホテルで経験したなぁ、と思い出し、ドジだなぁコイツと、主人公に感情移入。

ここで、急に親近感を持ち、続きを読みたくなる。
で、買ってしまった。


読み始めて。
生活保護受給者とケースワーカーの葛藤で話が進む。次々と生活保護受給者の話が出てくる。
ふむふむふむ。
世の中の裏社会を覗いている感じで、
興味深々で読み進めた。

途中経過。
出てくるやつ出てくるやつ。ほんとにみんなクズとワルです。
でも、なんだかわからないが、ページをくる手が止まらなくなっていた。
日常のちょっとした隙間時間を見つけるとすぐにこの本を開いていた。
車の運転中にも読む始末(もちろん、信号や遮断機で車が止められている時だけですが)。

ラストへ。
残り100ページを切った。
もう止まらない。
読み終わるまで他のことは全て放棄。
わーわーわーって感じ。

読み終わって。
なんじゃこりゃ!
怒涛の結末にしばし唖然。

超面白かった‼️

ストーリー展開は、
知念実希人の【仮面病棟】以来の面白さでした。

でも、読み終わって、少しして思いついたことは
『斎藤一人の本をなんでもいいから一冊読んで、「ツイテル」と「感謝します」をそれぞれ千回唱えないといけないなぁ』ということでした。(笑)

でも、クズとワルしか出てこないのに、ちゃんと物語なっているのがすごいですね。

こんな物語初めて。

染井為人さんの、他の本も読んでみたくなりました。

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