代替乳製品を巡る特許の争い
先日、「代替乳製品関連企業と特許」の記事にて、Perfect Dayを取り上げましたが、
そのPerfect Dayがオーストラリアにて特許係争を繰り広げているようなので、今日は少しそちらを取り上げてみたいと思います。
Perfect Dayのオーストラリア特許について、ニュージーランドの乳業会社であるFonterraが異議申立を行い、異議申立が認められ(Fonterra Co-operative Group Ltd. v Perfect Day, Inc. [2022] APO 59)、現在その結果についてPerfect Dayが連邦裁判所に訴えているとのことです。
対象の特許はオーストラリア特許第2015305271号で、「カゼインを含む組成物およびその製造方法」に関するものとなります。
本特許は一つの独立クレームから成り、Fonterraの訴えは、クレームの文言上は「食品組成物」に向けられているが、それには代替乳製品も含まれることになり、しかしながらクレームの文言上代替乳製品の特性と適合していない可能性があるというものでした。
結局異議申立の審議の結果、本特許はサポート要件及び実施可能要件を満たしていないとして、無効とされた模様です。一方で、Fonterraによる新規性、進歩性欠如の主張は失敗に終わったようで、裁判において今回の異議申立の結果が覆る可能性は十分にありそうです。
参考記事:
※2023.3.1: 追記
アメリカにおいても、Perfect Dayの特許11,457,649について、査定系再審査(Ex Parte Reexamination)が匿名の者により起こされたとのことです。
USPTOのサイトからはまだ確認できない状態とのことですが、こちらについても動きがあればまたお伝えしてきたいと思います。
なお、US特許11,457,649は上記オーストラリア特許と共通の国際出願から継続的に出願されたものであり、オーストラリア特許の係争の相手方であるFonterraが今回のアメリカにおける査定系再審査を起こしたかは不明とのことです。
参考記事:
*エトワール国際知的財産事務所
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*lit.link(SNSまとめサイト)
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