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「なんでも自由にやっていいよ」の落とし穴

自由な社風のメガベンチャーを、メンタル不調で退職したエンジニアさんのnoteがバズっていた。

最近、よく似た話をスタートアップに転職した非エンジニアの友人から聞いたのだが、「自由な社風」がウリのベンチャーやスタートアップでは、その「なんでも(提案して)やっていいよ」な社風が仇になって、入社してまもない社員が離脱してしまうことはよくある話である。

「自由な社風」はそもそも働きやすいのか

自分自身もスタートアップを経営したり、逆にスタートアップやメガベンチャーで社員として働いたりした経験から思うのは、「自由でフラットな社風」の会社は案外働きにくいということである。

まず、スタートアップや中小零細企業においては、確固たる意思を持って自由でフラットな職場を標榜しているところは実は少なく、人手が足りなくて(管理コストを捻出できなくて)そうせざるを得ないからそうなっているケースが大半である。

これは私自身が社長をやっていた時の反省もあるのだが、こういった会社ではふわっとしたミッションだけが与えられて「まずこれをやってください」といったような具体的なタスクが与えられない

私はここに「落とし穴」があると思っている。

入社したての社員は、ほぼ100%の人がやる気に満ちている。その状態で「なんでもやっていいですよ」と言えば、無理にでも仕事を探し出してきて成果を出そうとするだろう。

しかし、どれだけ経験豊富な人でも、その会社の中では「右も左もわからない新人」であり、社内の人間関係や「暗黙のルール」など何も知らない状態なのである。その状態で自由にやったらどうなるか。結構な確率で「地雷」を踏んでしまうのだ。

もちろんこのような「新入社員が意図しないイレギュラーな動きをしてしまうこと」を計算して、経営者があえて異分子となるような人を組織に招き入れる場合もあるのだが、その場合は招き入れられる側が自分の役割を熟知している。そして、経営者側もそちらを徹底的に守る。だから、本人がメンタルを病むことはないのだ。

しかし多くの場合は、新天地に夢と希望を抱いて入社した右も左もわからぬ社員なのである。そのような人が「地雷」を踏んでしまうと、職場で浮いた存在になってしまい、大企業と違って「他部署へ異動」ということもままならず、本人が居づらくなるか、あるいはメンタル不調等を起こして離職せざるを得なくなるのだ。

スタートアップの入社後3ヶ月を乗り切る極意

では、このような「不幸」を回避するにはどうしたらいいのか。

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