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スタートアップのSNSマーケ戦略(Snapmartの場合)

最近、以前にも増して、知り合いのスタートアップ経営者から「SNSマーケって何からはじめたらいいんですかね?」「やっぱりツイッター(インスタ)はやったほうがいいんですか?」というような質問を受けるようになった。

あまりにも同じ質問をされるのでここに結論を書いておくと、公式のSNSアカウントは無理してやらなくていい(と思う)。なぜなら、企業の公式アカウントはフォロワーを増やすのがハンパなく大変だし、多くの場合は運用の手間の割に効果が薄いからだ。

いろんな考えがあるだろうが、私は「お金(マーケ予算)」「人手」「コンテンツ」のうちの2つ以上が潤沢にある企業以外には、公式アカウントの運用はおすすめしていない。

では、スタートアップは一切SNSマーケをやらなくて良いのかというと、決してそういうわけではない。ここで勘の良い人は気づいたかもしれないが、私は「SNSアカウント運用はやらなくていい」とは言ったが「SNSマーケをやらなくていい」とは言っていないのだ。

なかなかこう言ってもピンときてもらえないので、具体的なSnapmartのSNSマーケ施策の実例を交えてお話したい。

初期の製品開発にインフルエンサーを巻き込む

Snapmartが一番最初に取り組んだSNS施策は、実はインフルエンサーマーケティングだった。インフルエンサーマーケというと、一般的には「1フォロワーx円でSNSにPR投稿をしてもらう」というようなやり方が主流だが、私はその方法はとらなかった。というか、予算がなくてとれなかった。

代わりに私が試みたのは、サービスを使ってもらってフィードバックをくれる「協力者」を探すことだった。

具体的に何をしたのかというと、インスタグラムを見て回って「ぜひこの人にユーザーになって欲しい」と思った人に「今度こういうサービスを出すんですが、最初のユーザーになってもらえませんか?インスタグラムにアップしているのと同じお写真で良いので、100枚ほどお写真を提供していただけませんか?」というDMを送って回ったのだ。

まだ会社はおろか、ウェブサイトもアプリもない段階だったので、ほとんどの人は「私の写真が売れるとは思えません」「詐欺じゃないですよね?」といったネガティブな反応だった。

しかし、私が「どうしてこのサービスを立ち上げたのか」「このサービスが普及することによって社会のどんな問題が解決するのか」といった話を丁寧にお伝えすると、中には話を聞いてくれる人も出てきた。

実はその中の1人が、現在弊社で働いているもろんのん @moron_non だった。当時すでにインスタグラファー界隈では有名人だった彼女がこのSnapmartの理念に共感してくれたことをきっかけに、急速に輪が広がってたくさんの方が協力を申し出てくれた。

そして、サービスインの前には、どうにか「100名・1万枚の写真を集める」という目標を達成することができたのだった。

インフルエンサーはバラマキではなく「共感」で集める

このような形で写真を集めることには、二つの意味があった。

一つは、ローンチ時に売れる写真を準備すること。検索したときにヒットする写真がなければ、せっかく興味を持ってもらってもユーザーは離れてしまう。だから、私が「こんな写真が売っていたらいいな」と思う写真をあらかじめ集める必要があった。

もう一つの目的は、SNS拡散だった。これは、お金を払ってPRを頼んでいるわけではなかったのでもちろん強制もお願いもしていないのだけれども、私はある程度拡散される自信があった。なぜなら、このサービスが普及することにより、インスタグラマーさんにとっては「無断で写真がメディアに転載される」という問題が解消するかもしれないという期待があったからだ。

実際、Snapmartローンチ時には多くのインスタグラマーさんが「ここで写真を売っています」と、自身のインスタグラムやツイッターで拡散してくださった。およそ3-4人に1人の方がURLやハッシュタグ入りで言及してくださっていたので、ざっくり見積もって200-250万ほどのリーチを獲得したことになる。もう1つ水面下で進めていたメディア戦略もあいまって、マーケ費0円で数万ユーザーを獲得することができた。

ちなみに、Snapmartの初期フェーズは尋常ではないほど不具合が多く、このとき協力していただいたインフルエンサーのみなさんには多大なるご迷惑をおかけしてしまった。にも関わらず、このときにユーザーになってくださった方々は、誰一人として離脱することなく暖かく見守ってくださった。

これもひとえに報酬ではなく「理念の共有」で集まってくださった方々だったからこそではないかと思う。

買い手に「ここで写真を買うメリット」を与える

もう1つのSNS施策は、買い手側に対する施策である。

実はSnapmartでは、写真が売れたときに、誰に購入されたかがわかるしくみになっている(匿名希望の場合は「ブロガー」や「デザイナー」という名前でも登録できるが、企業の多くは法人名またはメディア名で登録している)。

そして、売れた瞬間にSNS拡散がしやすいように、通知画面の下部にシェアボタンをつけている。

実は、この購入者が分かる仕組みにしたのは、2つの理由がある。

1つは自分の写真がどこの会社(メディア)に使われるのかが分かれば売り手に安心感を与えられるという理由。もう1つは「写真を買って貰う」という行為を通じて、企業やメディアのファンを増やしたいという理由だった。

これはどういうことか、実際にSnapmartで写真を買われた経験がある人はわかってもらえるだろう。写真が売れるだけでも嬉しいのに、買ってくれたのが誰もが知っているような企業だったりすると余計に嬉しい。そのことを誰かに言いたい気持ちになる。

この「瞬間(モーメント)」を活用しない手はない、と考えた。

実際にSNSで「Snapmart + メディア名」で検索してみると、たくさんの「○○さん、買ってくれてありがとう」というコメントが散見される。

つまりSNS上でどういうユーザー行動が起こっているのかというと、

 ① Snapmartで写真が売れる → 売れた瞬間にシェア(報告・お礼)
 ② 自分の写真がアイキャッチに使われている記事を発見する → 記事をシェア

この2つの拡散行動が起こっているのである。

ちなみに、この現象に気づいたWebメディアの中には、アイキャッチ写真をあえてSnapmartに投稿してもらって買取っているところもある。

この施策はおもに買い手向けに考えたのだが、実際には売り手(アプリユーザー)にも訴求力があり、SNSからの流入だけでアプリの新規登録ユーザーは伸びている。日々数百件の「売れました」投稿が、新しいユーザーを呼び込んでいるのである。

SNSマーケ=公式アカウント運用ではない

で、結局何が言いたいのかというと、これに尽きる。

SNSマーケ=公式アカウントの運用ではないということだ。

まず最初にここが理解できていないと、手間がかかる割に効果の薄い苦行の世界に入ってしまうので、とくにリソースのないスタートアップ企業は気をつけていただきたい。

より個別具体的な深い話が聞きたいと言う方は、よろしければTimeTicket買ってくださいw(いつもすぐ売り切れて申し訳ないのですが、月2枚くらいは出す予定です)

ではでは。

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えとみほ(江藤美帆)

サッカークラブではたらいています。Snapmartのというアプリの開発者です。

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