#ブランド人になれ! は経営者に意識改革を迫る本である

ZOZOの田端さん&幻冬社の箕輪さんがタッグを組んで出した「ブランド人になれ!」を読んだ。

書いてあることは、おそらく田端さんや箕輪さんをツイッターでフォローしている人たちには特段目新しい話はなかったと思う。正直「ツイートの焼き直し」と思わなくもなかった。

しかし、私はこの本が「紙の本」として出版されたことに賛辞を送りたい。なぜなら本書は、いわゆる「社畜」と呼ばれる個の立っていないサラリーマンに向けて書かれた本であると同時に、企業の経営層に「これから田端信太郎みたいなサラリーマンがいっぱい出てきますけど、どうしますか?排除しますか?それとも活用(放置)しますか?」という意思決定を迫っているように思えたからだ。

サラリーマンがブランド人になれるかは組織に依存する

ここで私自身のバックグランドを簡単に説明すると、この3月までは上場会社の子会社の社長で、5月からJリーグクラブに勤務しているサラリーマンだ。それ以前には「SNS原則禁止」の職場(会社全体ではなく部門単体で禁止)にも勤めたことがあり、この「SNS禁止」が自分自身の今後にとってマイナスになるのではないかと感じ、転職をした経験もある。

この転職をしたときは、皆にとても驚かれたのを覚えている。「え、なんで辞めるの?」と。私自身も、その時に辞めた職場がものすごく恵まれた職場であるという自覚はあったので、皆がそう言うのは理解はできた。

ただ、恵まれた職場だと思えば思うほど「私はいつまでここに居られるのだろうか?」という不安はつきまとった。たとえるならすごくお金持ちでイケメンで性格もいいの旦那(彼)といる時に感じるのと同じ不安だ。相手が素晴らしければ素晴らしいほど、相手への依存が生じ「捨てられる恐怖」が生じる。常に相手の顔色を見ながら生きていかないといけないのは嫌だなと思った。それが「恵まれた職場」を捨てようと思ったきっかけだった。

結果、私はSNSが逆に推奨されている職場に転職し、ここからほんの数年で”私が一番欲しかったもの”を手にすることができた。その欲しかったものというのは「いつ会社をクビになっても大丈夫」という安心感である。SNSでの発信だけの問題ではないけれども、この数年間様々なプロジェクトに関与し、それをSNSで発信し続けてきたことが「いつ会社を辞めても大丈夫」「まぁ、死にはしない」という漠然とした自信につながったことは間違いないと思う。

ただ、自分がこのような自信をつけることができたのは、私自身の意識の問題だけではない。私の上司や、もっというと会社の経営層に理解があったからこそだ。田端さんや箕輪さんのようになりたければ、多少のボヤ騒ぎはスルーできるトップのもとでないと厳しい。

なぜなら、田端さんも本の中で書いていたが、世の中には本当にツイッターでの発言について「けしからん」という意見を所属企業にぶつけてくる人がいるからだ。ここで、トップがうろたえてすぐに謝ってしまったり、物事を大きく捉えすぎてよく吟味せず懲戒処分を出すような会社は、ブランド人を抱えておける器ではない。

サラリーマンがブランド人たるには、本人の資質以上に「会社選び」が重要になるのだ。

若者に選ばれる企業が勝つ時代に

そんなわけで私は、どちらかといえば田端さんや箕輪さんよりも、彼らを自由にさせている前澤さんや見城さんに「普通じゃない凄み」を感じている。彼らはいわば「猛獣使い」だ。田端さんや箕輪さんみたいになりたければ、前澤さんや見城さんのようなボスを探さなければならない。

田端さんが入社後数日で炎上したとき、「ZOZOはなんで田端なんか雇ったんだ」と言う人もいた。確かにその事象だけ見たらそう思うのかもしれないが、私は別の観点で見ていた。

「これ、前澤さん(会社)はどうするのかな」と。

実際社内でどういうやりとりが行われているのかは知るよしもないが、少なくとも田端さんはクビにはなっていない。むしろ公式の場にもどんどん出ていって活躍しているように見える。

私はこの一連の流れを見て「ZOZOすごい」「さすが前澤さんだわ」と思った。前職のLINEもホリエモンが創業したLivedoorの血を引いているとあっていい感じにゆるい会社だと思っていたけれども、スタートトゥデイ社も負けず劣らずだった。

ここで重要なのは、私みたいなおばさんが「すごい」と感動したことではなく、優秀な若者たちがこの事象をどう見ているのか、ということだ。

「あんな上司のもとでは働きたくない」と思うのか「なんでもありの面白そうな会社だな」と思うのか。

私の肌感では、間違いなく後者の感想を持つ人が多いと思う。少なくとも、自分の意思を持った優秀な若者、というくくりで見れば。

田端さん&箕輪さんの「ブランド人になれ!」では、さらにブランド人(=インフルエンサー)になることで得られるメリットにも触れられている。今後、副業も解禁になり、会社に属しながら個人としてもネームバリューを獲得したいという人は間違いなく増えるだろう。

そんな中で量産される「ぷち田端信太郎」に経営者はどう対処するのか。本書を読んで、近い将来多くの経営者たちが選択を迫られるのではないか?という予感がした。

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