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音楽家の旅行記 長野編 -Part5 戸隠〜九頭龍社〜奥社〜長野駅-


山道

昼食を終え奥社入口目指して山道を歩く。蕎麦を食べて体が冷えている上にまだ5月の山の中だ。東京での春の格好しか持っておらずブルブル。かさ張るからと軽装で来てしまったことを少し後悔しつつ、それでももう登るしかないと上を目指す。
しばらく歩いてようやく奥社の入り口に到着。体がすっかり冷えまずはトイレに駆け込む。奥社の入り口門目指して歩く途中にも何軒か茶屋や蕎麦屋がある。途中の茶屋でソフトクリームを食べようか、でも冷えるよな、おやき食べようか、でも今はあまり胃を重くしたくないな、そんな葛藤をしながら通り過ぎる。

奥社参道

まずは奥社への入り口、随神門を目指しおよそ1キロ歩く。再び森林浴を兼ねた散策だ。

随神門

そして通り抜けた先の杉並木が圧巻。

杉並木

昔人の手によって植えられた杉がもう樹齢400年になるそう。
神々しいとはまさにこのことか。圧巻で迫力があるが威圧的ではない。堂々とした杉並木である。ヨーロッパで自然の中は散々歩いたが木々の景色としては今までで1番の美しさのように思う。ここからさらに1キロ程、参道入口から九頭龍社、奥社まで計2キロの意外と長い道のりである。
標高が高い上途中多少足場が悪くなっていることもあり寒いと思っていた体が汗をかき、息切れし始める。が、東京だとなかなかできない森林浴を存分に味わえるのは体が喜ぶことでもある。そうこう登っているうちに最初の社、九頭龍社に到着。


九頭龍社

社の中が撮影禁止なので写らないように斜めから撮影。
続いてすぐ近くの奥社へ。

奥社

こちらも社殿内撮影禁止のため写らない位置から。
思っていたよりもこの二社は規模が小さかった。主祭神は天手力雄命で神体は背後の戸隠山だ。よく見ると奥社の脇にもう少し奥にいけるスペースがあったのでそちらへ行ってみる。

背後には戸隠山

ここの空気感があまりにも軽い。軽すぎて最初は気がつかなかったくらいだったが息を吸ってみると優しい軽さを感じたのでここでしばらく深呼吸。30分くらいしただろうか。やはりここの空気の良さは今までの場所とは異質で際立っていた。表現が難しいが、朝起きてまだ寝ぼけ眼の時のぼーっとした感覚に近い軽さと言えば通じるだろうか。軽すぎて気持ち良いとかそういう感覚さえ通り過ぎている。がおそらく身体には良いはずだ、とたっぷりとその空気を頂く。ああ、これで今回の旅の目的は達成で終わりか。そんななんとも言えぬ名残惜しい感じがよぎる。
しばらくして帰るために山道を引き返す。再び杉並木にたどり着いた時空気が重く感じた。良い空気のはずなのに重さを感じる。やはりあの場所の空気は非常に軽いのだ。そんなことを考えながら2キロの道のりを往路よりも楽に戻る。20分くらい待ってバスに乗り込みまた1時間程かけて長野駅に戻って行く。バスに乗っているうちにまた体調に変化が起こり、波を生じながら気分や体の感覚が軽くなっていくのがわかる。

長野駅

16時過ぎほどに長野駅に到着。東京行きのバスは18時なのでまずはお土産を買いコーヒーでも飲んでリラックスしようと駅の複合施設に入る。お土産には味噌二種を購入。書き忘れていたが戸隠でそばを戴いた際半生蕎麦をお土産に購入してある。別の店でコーヒーを買い、フリースペースで1人用の席を確保し休憩。そこで一緒に買った長野産のりんごジュースも開けて飲んでみるがこれが格別に美味しい。飲んだ瞬間に目が見開きびっくりするくらいの美味しさ。りんごの味がしっかりしていて、喉越しも良くぐびぐび飲めそうな、だけどそんな飲み方したら勿体無くなる、どこか素朴さも感じるそんな味。このりんごジュース一缶で1時間簡単に充実して過ごせた。17時になり、早めの晩御飯のために階を移動する。

次回に続く。

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