マガジンのカバー画像

岡部えつ|エッセイ|Essay

25
岡部えつ(小説家)のエッセイです。不定期に更新中。
運営しているクリエイター

記事一覧

インスタで、自著を朗読

首都高を走る車の後部座席で、隣に座っていた姪がスマホを車窓の外に向けて撮影し始めた。 小…

岡部えつ
3日前
4

『怖いトモダチ』に出会ってしまったら

社会生活に支障をきたす"性格"刊行早々にTBS『王様のブランチ』に取り上げてもらったこともあ…

岡部えつ
1か月前
58

ハロウィーンと銃事件

ハロウィーン・ヒステリー 渋谷のハロウィーンは、今や日本だけでなく世界的にも有名で、外国…

100
岡部えつ
6か月前
9

日本随一の歓楽街、新宿と女たちの歴史

言わずと知れた日本随一の歓楽街、新宿。 ここを舞台にした日本の小説や映画が数知れないのは…

100
岡部えつ
7か月前
9

戦争と女性

2つのニュース9月に入ってすぐ、二日続けて米兵が起こした事件がニュースサイトに掲載された…

100
岡部えつ
7か月前
17

『沈黙は共犯 闘う医師』を観た - ムクウェゲ医師の言葉とフェミニズム

 NHKのドキュメンタリー番組『こころの時代〜宗教・人生〜』の『アフリカの思想にふれる (1)…

100
岡部えつ
1年前
9

妖怪"誤解"。口癖は「誤解させてすみません」

先日、小学校3年生の姪を連れて、『水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 』に行ってきた。幼い頃から鬼や閻魔大王が大好きな彼女は、最近妖怪にも興味を持ち始めているのだ。 わたし自身はその年の頃、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の第2シリーズをリアルタイムで観ていた世代で、アッコちゃんやサリーちゃんと同列に捉えていた妖怪を、好きか嫌いかで考えたことはなかった。 妖怪にあらためて興味を持ったのは、おそらく1991年にNHKで放送されたドラマ『のんのんばあとオレ』だと思う。この年の誕生日、友人にね

アンビエントな夜

荻窪ベルベットサンの、火曜日BARへ行く。 あっついあっついと言いながら入ると、先に来ていた…

岡部えつ
1年前
11

新宿午後八時

新宿に、20年近いつき合いになる馴染みの店がある。 まん延防止とかのせいで、17時開店だとい…

岡部えつ
3年前
153

Fire Waltz --- スガダイロートリオ+東保光 at アケタの店

 彼の演奏は、上澄みの清らかな水面を見せてしんとしているわたしの、底を叩いて水を濁らせる…

岡部えつ
3年前
18

 いつの頃からか、季節とは、これまでの時間を五感から想起させるノスタルジアのことではない…

岡部えつ
3年前
14

闇の中のジュリエット

 読み返すたびに違う味がじゅわっと滲み出てくるのが名作というものであるわけだが、先般、訳…

岡部えつ
3年前
14

コロナと友達と世界とピンチ

世界がコロナウイルスですったもんだしているこのとき、発熱してしまった。37.8℃。 まず、家…

岡部えつ
4年前
27

上を向いて歩こう、こんなときには。

新型コロナウイルスの英語表記は『novel coronavirus』だが、決して『小説・コロナウイルス』ではない。”novel” には、形容詞で ”新しい” ”奇抜な(original)” ”新種の” といった意味があるのである。 ところが気になることに、わたしの電子辞書にはその意味の前にカッコで ”(しばしばほめて)” とついている。”ほめて”とは、“いい意味で” ということであろう。つまりこのコロナは、いい意味で新しく独創的(original)なウイルスなのである。 ど