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ハロウィーンと銃事件

ハロウィーン・ヒステリー

渋谷のハロウィーンは、今や日本だけでなく世界的にも有名で、外国からも多くの人がやって来るらしい。

わたしは一度も参加したことはないし、その日に渋谷に行きたいと思ったこともないが、毎年報道されるニュースを通して、その暴力的とも言えるカオスの状況は知っている。主に地方からの若者や外国人観光客らが仮装して群れ歩き、路上で飲酒し、明確な目的もなく馬鹿騒ぎをする。あとには大量のゴミが散乱して残され、翌日の早朝に渋谷区民のボランティアが掃除するニュースも風物詩となった。

しかし、あるニュースサイトが報じたところによると、今年のハロウィーンは渋谷に集まる人が減少したという。

その一因は、年々エスカレートする群衆を抑制するため、渋谷区長が公に「渋谷に来るな」と呼びかけをし、警察による取り締まりを強化したことだという。ハロウィーン期間中は、路上での飲酒も禁止された。

もうひとつの要因に、一年前に韓国で起きた悲惨な群衆圧死事故、ソウル梨泰院雑踏事故がある。

これで渋谷の愚かなお祭り騒ぎは終息するかに思われたが、どうやら群れ騒ぎたい人たちは、他のエリア、たとえば新宿二丁目や歌舞伎町、特に "トー横 " 辺りに移っただけだったようだ。

"トー横 " とは、歌舞伎町の代表的な劇場ビルで "ゴジラ・ヘッド " で知られる新宿東宝ビル周辺を指す。近年、 "トー横キッズ "と呼ばれる行き場のないティーンエイジャーたちが集まり、一人の大人としては胸を痛めずにはおられぬ、様々な問題を抱えたスポットとなっている。

ある記事によると、渋谷に仮装した人々が押し寄せるはずの週末、多くが新宿に流れ、"トー横" でも外国人を含むかなりの数の人々が路上にたむろし、酒や歌に興じていたらしい。トー横キッズたちには縄張り意識はないようで、取材を受けると、彼らに対して好意的な意見を述べている。

アメリカ人YouTuberが「日本はどこでもお酒が飲めるパラダイスだ」と言っているのを見たことがあるので、彼らが浮かれる気持ちはよくわかる。日本という楽園では、どんなに酔っ払って羽目を外しても、誰かに銃で撃たれたりはしないのだから。

留学生の死

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