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父と娘の日々

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認知症が進行していく、憎たらしく愛おしい父との、尊い日々の記録。
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父は元気です。

父は元気です。

母がいなくなってしまって
父はどうしているかというと
意外と元気で、ごはんも食べれている。

こちらを気遣って
声をかけてくれたりもする。

多くを語らないし
自分のことで精一杯なので
本当の気持ちはわからないけど
結構落ち着いているので
ホッとしている。

母が12月に倒れてから亡くなるまでの
2ヶ月半という期間は
家族にとって
こころや身辺の準備をするのに
充分な時間となった。

本当のところ

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季節の変わり目です。

季節の変わり目です。

お天気と一緒で
こころもからだも
グズグズ言い始めた。

そりゃそうだ
そんな日もあっていい。

今日も父が元気で救われる。

ケンチャンも体調を崩しているけど
少しずつ回復してきてるようだ。

これから3人での生活
どうなっていくのだろう。

ひとまず母の四十九日はやらないと
父が言っているけど
お墓のある長野に
行けたらいいな。

どこでもいいから
自然がいっぱいのところに行きたい。

父は故

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残された者が思うこと。

残された者が思うこと。

昨日は大勢の懐かしい友達に会った。

地元のみんながお世話になった方の
お通夜だった。

日本中から
すごくたくさんの人達が集まった。

人が亡くなると
その人を介して
必ず再会があるんだな。

母のことでも
懐かしい再会がたくさんあって。

改めて亡くなった人を知ることになり
再会する人を知ることになる。

母はからだか動かなくなって
「私は役立たずだ」と言ったので
生きてるだけで役に立ってるよ

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試練は時に重なるもの。

試練は時に重なるもの。

母が亡くなって、2週間が経った。

ここまで来るのに
すごく寂しい日があって
ケンチャンに慰めてもらいながら
きっとケンチャンがいなくなったら
同じくらい寂しいんだろうなって思ったりしてた。

そんなケンチャンが突然
山に帰ってしまった。

我が家の荒波にもまれ
ケンチャンのコップの水は
溢れる寸前だったようで
最後に私が軽率に溢れさせてしまった。

ケンチャンには
たくさん辛い思いをさせてしまっ

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心も体も健康が一番。

心も体も健康が一番。

ケンチャンは
身の回りのもの全て片付けて
いつ帰ってくるかも
帰ってくるかさえもわからない
と言って出ていってしまったので
とてもこわかった。

母が亡くなり
父が病気でも
どんなに辛くても
関わってくれる人に対する思いやりを
忘れてはいけないことを知った。

私は不幸を盾に
感情を赴くままに振りかざしていた。

感情的にならないように、大人しくしてても
静かに感情に流されていたんだな。

反省し

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今はまだ梅。愛でよう。

今はまだ梅。愛でよう。

一昨日めちゃめちゃ元気だった父。

いつものように
夕方から疲れてきて
夜ごはんが食べれなくなる。

いつものパターンで昨日は
丸一日眠り続けた。

珍しく、いびきをぐーぐーかいて
午前中に5回、部屋をのぞいたけど
いつまでたっても起きず
2時頃にようやっと起きてくれて
軽くごはんを食べて
そのまままた今朝まで眠り続けた。

からだが楽だと
良い気分なんだろうな。

いつもやりたくてもできないこと

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もういないけど、いつもいる。

もういないけど、いつもいる。

庭の水仙の花が咲いた。

父が見つけて
「水仙が咲いたよ〜」と
母の写真に向かって
嬉しそうに笑って言った。

父が元気な日は居間にいて
いつも母の写真と向かい合って
ごはんを食べたり
お茶を飲んだり。

父の椅子からはいつも
母の写真が見える。

父は全然淋しくなさそうだ。

お母さんはよくしゃべるから
また生まれ変わっても
周りの人としゃべってるでしょ
と言った。

四十九日まで、うちにいると

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芽吹き。

芽吹き。

昨日は友達が
母にお花を持って来てくれた。

野に咲くお花のように慎ましく
そして華やかに生きる人。

おいしいお菓子を作ってきてくれて
父にあげたら、とても喜んで食べていた。

お菓子が好きな父に
私も自分で作ったものを
食べてもらったら良いんだなと思った。

お花をいただくと
枯れていくので
きれいなのを残して
生け直すのが楽しかったり。

少しずつ創作意欲が湧いてくる。

そういう意欲を

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何者でもない者になる。

何者でもない者になる。

ここのところ、弟家族も含め
お客さんが続くと
みんな何かしらのお土産を持ってきてくれて
お土産好きとしては
とてもうれしい。

おいしいものは大好きだけど
物に限らず、考え方とか
それはメールや
お便りなどでも
いろいろ受け取るものがある。

山の家は自然がいっぱいで
静けさの中にいながら
こころもからだもせかせかと
慌ただしく生活していた。

パン職人として
お店屋さんの店員として
そして村人と

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こころ緩まる。

こころ緩まる。

朝からご機嫌な父。

時々やって来る元気な日は
ポジティブな言葉がたくさん出てくる。

今日は庭に出て「最高!」を連発。
春の陽気で気持ち良い。

お昼は麻婆豆腐だよーと言ったら
いいね〜、なんて言う。

母の残した相続金の
ゼロをひとつ読み間違えてたことがわかり
ごめんね〜と言ったら笑ってた。

わかったのが今日で良かった!

今日は群馬に住むパン教室の生徒さんが
用事でこちらに来ていて
シュト

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タイムスリップDAY。

タイムスリップDAY。

母の遺影は10年くらい前の写真なので
お線香をあげに来てくださる人達はみんな
若い!いつの写真!?となる。

最近の写真は
老眼鏡をかけているものばかりで
母らしくないと
父が却下したのが大きな理由。

いとこの結婚式の時のもので
お化粧もしていたし
なかなか美人に写ってる。

父は時々しか居間に降りて来れないので
3日ぶりくらいに遺影を見て
何やらごちゃごちゃ話しかけていた。

どうやら、高校生

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こころにもからだにも筋肉。

こころにもからだにも筋肉。

私は15年間
地元を離れ
好き勝手やっていたのに
戻って来た私を
あったかーくまた受け入れてくれる友達が
本当にありがたい。

こころの中で
いつもくだらない不満を抱えている自分としては
みんなは尊敬するに等しい。

お父さんやお母さんになった人の
抱擁力に圧倒されて
親ってやっぱりすごいなと思ったり。

ひとりでがんばってる人が
ゴールを見つけて前に進もうとする力も目覚ましい。

変わらず一緒に

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明らかにするということ。

明らかにするということ。

昨日とうとう父は
専門のお医者さんにかかってくれた。

ちょっとぐずったけど
自分から行く気になってくれた。

先生は 娘さんは黙ってて、と言って
まずは父からじっくり話しを聞いてくれた。

父はそれだけで
随分からだが楽になったと言った。

帰りはケンチャンと3人で
桜を見て帰った。

満開の桜を
3人で見れるとは思ってなかったので
ご褒美みたいだった。

家に帰る頃には
父は疲れてしまってい

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お父さんは愛の人。

お父さんは愛の人。

今日は寝たきりの父。

薬を飲み始めたからって
そうそう簡単回復するわけではないのだけど
早く解放されたい本人は
いろんな戸惑いを生み出し始める。

それを聞いているのは大変。
はっきり言ってとてもウザい。

私の中からも
いろんな汚濁が湧き出し始め
そんな自分に気づくと辛くなる。

居間でひとり
鉄拳さんのパラパラ漫画を観て
初心に帰ろう、と思い
「お父さんは愛の人」という動画を観ていたら
いと

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