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J1第7節アルビレックス新潟vsセレッソ大阪〜秩序をもたらす藤原奏哉〜

柏戦の絶望

代表ウィークが挟み2週間ぶりの試合。
お休みの間に異例の取引が行われ、怒り狂うアルビレックス新潟サポーター達。

新潟(ここ)で挑む選手達よ!試合で魅せてくれ!
そういった期待感を持ってスタジアムにいった。

結果は1-1のドロー。試合を見てたサポーターがこの試合を見てどう感じたのかはわからないが自分は絶望した。

結果云々ではなくやっているサッカーに絶望した。
誰も味方のことを見ない。自分が欲しいタイミングだけでサポートする。
そのサッカーに味方と相手は存在していますか?
ボールを占有してるだけで時間とスペースは一切占有しない、自分勝手なサッカーに絶望した。

想像以上だったセレッソ戦。帰ってきたポジショナルとポゼッション。

スターティングメンバーが発表され、柏戦から千葉→トミーしか変わっていないスタメンにあぁ、またあの自分勝手なサッカーを見なければいけないのかと悪い想像しかイメージが湧かないなか、ビッグスワンへ向かった。

全く期待せず見に行ったセレッソ戦だったが、自分の期待を超える想像以上だった。
相手が許容してるスペースをただただ消費して、相手を無視したボール保持のサッカーではなく、
そこには相手がいて、正しいポジションをとることで、相手を動かすポジショナルプレーと、ボールだけのポゼッションではなくスペースも占有する正真正銘のポゼッションサッカーがあった。


ポジショナルプレー。NOTポゼッション。
正しいポジションにいれば相手は動きスペースができる。
その空いたスペースを使い…を繰り返して盤面を優位に進めていく。と認識してる。

結果は負けたし、もちろん全て良かったわけでもなんでもないが、自己中的なサッカーさえ見れなければいいやと試合開始前に思ってた私にとってはとても満足のいくゲームでした。


現場で調整に奔走。チームに秩序をもたらす藤原奏哉。

いつもボランチから誰もいなくなるはずなのに、全体綺麗に配置されてるなんて島田秋山の大革命やんとか現地で見てて思ってたのですが、
DAZNで見返したら島田秋山は通常運転で、藤原奏哉がピッチを奔走し、崩れたバランスを整えてたからこそ、正しいポジションで相手を動かすポジショナルを成立させてた。

そんな藤原選手が周りに気を使い調整に奔走する1シーンをご紹介

ピッチを奔走する藤原奏哉

31:01~32:39の藤原奏哉。

31:01~
藤原のスローインから始まったこのシーン。
この試合に限らず柏戦もそうだが、藤原は松田の立ち位置によって自分がどこに立つか決めることが多い。
このシーンでは松田が大外に立っていることを確認して、マイケル→松田のパスラインを開通させるために、自分が内側に立って対面するカピちゃんを内側に止めるために少し内側にポジションを取る。(ボールが左サイドにあり、切り替えも兼ねてだろう)

31:25~
左サイドでボールが動く中で、トーマスデンがピッチサイドギリギリまで開いてプレーするためマイケルが中央に寄る。
マイケルが中央に寄ったためマイケル→松田のパスラインは厳しく、藤原は最終ラインまで降りて3バックを形成することでマイケルのパスコースになるとともにカピちゃんを吊り出して中央の秋山のスペースを広げようと駆け引きをする。

31:36~
カピシャーバが釣れない中マイケルは小島に戻す。3CBの右にいた藤原だが、藤原の右大外から秋山が出没。
すっと自分がCBからボランチに1列前に上げることで、消えたボランチを埋めると共にマイケル→右SB秋山のパスコースを開通

31:55~
秋山が右サイドからボランチに帰ってきたものも中央に大きなスペースがあるのでそのまま藤原はボランチステイ。

32:05〜
トップ下の高木が左サイドに寄る中で、島田-高木で相手のWボランチを食いつかせてることもあり、相手のDF-MF間に大きなスペースが。藤原は左ボランチ奥埜の背後に右のシャドーとして潜り込む。

32:27~
マイケルがボールを持つ中で、藤原はバックステップを踏みながら開いてSBの位置に戻ろうとするものも、松田を確認したところ降りてきそうだったのでそのまま内側でステイ(カピシャーバ止めながらマイケル→松田のパスコース開通

松田、秋山の位置を見ながらポジショニング。登里を惹きつける藤原。

32:29~
秋山がボールをもらいに降りてきて、自分のスペースがなくなったので藤原はボランチから右のシャドーに1列前へスライド。
秋山に相手のボランチ奥埜が食いついたので藤原はフリーになる。

32:30~
藤原がフリーになっている状況。マイケルも内側に差し込むボールの持ち方をしてるので、藤原をやらせまいと左SBの登里が藤原に食いつく

32:32〜
マイケルはボールを持ちかえ、食いついた登里の背後のスペースへ。
松田も登里の背後をとれたものも、登里の帰陣が早くギリギリでクロス。
中でフリーの谷口の方向へボールは転がるも谷口へつながらず。
繋がっていれば一点ものだった。

たった2分半の間に自由奔放な秋山、相方の松田、マイケルの位置を見ながら右SB→ボランチ→右CB→ボランチ→右シャドー→ボランチ→右SB→右シャドーとポジションを変え、チーム全体のバランスを整え、カピシャーバ、奥埜を動かしながら最後は左SBの登里を動かしチャンスを演出した。

このチームは長年高不在の試合で(今年でいえば宮本不在の試合で)、
ボランチのポジションにボランチの選手がいないことによって、相手のボランチが動かせない、相手のDF-MF間が広外れない、
前線の受けるエリアが狭くなる。前線にボールが入っても、落としができない。
トップ下(高木、伊藤)がボランチの位置まで降りて、相手のボランチを動かすけどその先に今度は受け手の選手がいない。

と、チーム全体のバランスを崩し、後ろがただただ重くなり前進できないという試合を何度も見せられてきた。(例えば、今年のガンバ戦、去年のA浦和、H&Aフリエ、一昨年のAフリエ、A町田、その前のA徳島etc…)

※左サイドハーフなのにアンカーをする三戸舜介

後ろが2枚?3枚?4枚?でビルドアップしようが、後ろは重たくならない。ちゃんとボランチの位置にボランチがいれば。

ただボランチがボランチの位置でプレーするというのが無理という中、藤原がボランチをする。もしくは高木がボランチをして高木が前にいなくなった分藤原がトップ下をやるというと画期的な可変システムを大発明。

この試合負けてはしまいましたがこの長年にわたる問題を解決できただけでもとんでもない功績だと思います。
(ただ再現性があるのかわからない。マジで藤原次第。)

上をゆく日本代表SB。

そんな感じで藤原が周りを見ながら調整し続けることでチームに秩序をもたらし、相手を動かしと新潟のビルドアップに大きく貢献したわけですが、結果みると、失点シーンで自分のマークの上からヘディング叩き込まれるなど失点に絡んでしまったわけで(もちろん構造的に問題がありましたが)

一方相手の日本代表右SB毎熊晟矢は自分で組み立てて、するするっとニアゾーンとってアシスト。
守備でも大事な場面では身体を張ってやらせないなど攻守ゴール前においての局面で活躍。

キャンプ映像のハイライトで見て感じましたが、藤原めちゃくちゃオーバーラップしますやん。さては結果出そうと意気込んでますなというふうにシーズン前から感じたのですがどうなんでしょうか。

今日もたくさんシャドーやってましたが、今日の毎熊のようにそのままニアゾーン取れてアシスト量産、いつしかの山根視来みたいになれたら面白いですね。期待。(上がらないでのネガトラ即時奪回ムーブもおなしゃす!)

その他

他にもたくさん感想戦で書きたいことあるけどこのnoteではやめておきます。
ハイプレスやめた方が良くね?やるんだったら3バックにしません?とか、自由すぎるがゆえ、認知の負荷かかりすぎて選手に迷いがしょうじ、特に前線の選手たちは持ってる力の30%も出せてないんじゃね。みたいな話も明日か書こうかなぁ。





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