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【文劇6】舞台「文豪とアルケミスト 戯作者ノ奏鳴曲」大千秋楽後感想

2月17日~2月26日まで東京ステラボールにて、そして3月3日~3月5日までは大坂森ノ宮ピロティホールにて公演された「舞台『文豪とアルケミスト 戯作者ノ奏鳴曲ソナタ』」の大千秋楽後の感想です。
この先、舞台の内容のネタバレを含みます。まだ見ていないそこのあなた!! ディレイ配信がDMMTVで公開中だからこの記事を読む前に今すぐ購入して見るんだ!! 期間は3月13日の23時59分まで!! よろしくね!!




文劇6が本日無事に大千秋楽を迎えた。まず全18公演を誰一人欠けることなく走り切ってくれたこと演者さんとスタッフの皆さんにお礼を言いたい。本当に、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
今日は配信での観劇だったので、スマホ片手にその時その時の感想をメモしながら見ていた。そのまま箇条書きで載せようかと思ってメモを見たら大半が檀くんの顔面と劇館長への怒りと叫びと呻き声でそのままお出しできるものでは無かったのでなんとかかいつまんで文章にしていこうと思う。

東京千秋楽から1週間ぶりに見た文劇は、やっぱりものすごい勢いで成長していた。特に中野重治を演じるMAHIROさんの殺陣の上達には目を見張るものがあった。何と言えばいいのだろうか、ゲームで言うところのフレーム数が上がっているような気がした。よく同じものを何回も見て面白いのか? と言われがちではあるが、こういった変化を見られるところに、観劇の楽しさがあるのだと思う。台詞一つとっても、その時のアドリブで細かく変わっていたりするので、気づくと案外楽しいものである。

細かい考察は気が向いたときに別記事にするとして、改めて考えると今回の文劇6全体を取り巻くテーマには「文学というものを残し続けること」を感じた。直と重治にとっては多喜二、檀くんと安吾にとっては織田作と太宰、それぞれが守りたくても守り切れなかったものがある。実際、劇の檀くんは今生も織田作と安吾に先立たれて残されてしまった。それでも、文劇3でも立ちはだかった個を殺す全体主義思想にボロボロの散り散りにされたとしても、文学があればまた出会うことが出来る。その先が道なき道だったとしても、歩いていけば「この道」は続けていける。結末で織田作と安吾が残念なことになってしまったのは変わりないけれど、それでも悲しいだけの結末では無かった。あの図書館に檀くんがいる限り無頼派を伝え続けてくれるだろうし、本を開けば作家が残した言葉がそこにあって、その身と魂が滅びていたとしても想いに触れることはできる。まさに文アルの共通テーマ「たとひ魂は砕けても、想いは砕けない」そのままである。
そして、最後に本物の白秋先生が言った「錬金術師アルケミストが存在する限り、文豪は何度も転生できる」は観劇している私たちにダイレクトに向けられているような気がした。私たち文豪とアルケミストのユーザーたちが、特務司書たちが存在してコンテンツが存続する限り、彼らは様々な舞台で生まれ変わって文学を伝え続けようとするのだろう。文学を伝え続ける方向に力を入れ過ぎるせいで、キャラ重視のゲームにあるまじきストーリーを叩きつけられることもあるけれど、それはユーザーが耐えられると信じてくれているからこその所業だと思いたい。

幕が下りた後の最後のカーテンコール、そして最後の最後の舞台挨拶。MAHIROさんが泣いてしまって、それに小坂さんが貰い泣きしてしまって、最初こそは笑ってしまうことで出る涙だったはずなのにそのうち私も貰い泣きして画面の前で号泣してしまった。毎度のことだけど今日で終わってしまうのが本当に惜しい、そんな舞台だった。そんな舞台と演者さんたちに観劇している側ができるのは、感謝の言葉を公演アンケートに直接送って、コンテンツを少しでも長く続けていって、舞台の幕を上げる機会を間接的にでも作ることだ。文劇だけじゃない。文アニの二期だって待ってるし、朗読CDは全員分出してほしいし、ノベライズだっていろんな作家さんに書いてもらってほしい。ゲーム自体だって牛歩の歩みで構わないから新しい文豪を増やしてほしいしストーリーも増やしてほしいそれはそれとしてゲームの分かりづらいUIは何とかしてほしいし洋墨も売って欲しい。5周年で力を入れまくって6周年になっても続く全国の文学館とのタイアップも、これから始まる書店との販売販促コラボもこれからどんどん続けていってほしい。微力ながらお金を落として愛を叫ぶぐらいしかできないけれど、私も身を滅ぼさない範囲で協力していきたい。

劇場での発表は無かったものの、舞台終了後にはTwitterにて文劇7の企画の発表があった。劇場での発表が無かったのは……現地で発表するとどうあがいても大きい歓声が上がってしまうからだと思われる(発表があるものと思って拍手し続けるお司書たちに向けて流れた二回目のアナウンスは、聞いてて少し笑ってしまった)。公演予定は2024年。まだ2023年が始まって3か月目だけれど今から2024年が待ち遠しい。太宰と芥川、白樺派、尾崎一門、新思潮、無頼派とプロレタリア文学に続いて、次はどの派閥が来るか楽しみである。個人的に低みの見物を続けたいのとまだ劇場のシミにはなりたくないので、新感覚と硯友社周りはしばらく来ないで欲しい。やめてメンツ的にリーチがかかってるとか言わないで。見たいには見たいけどまだ死にたくない。いや嘘ちょっとどころかかなり見たい。どうしよう心が二つある。

……だいぶ横道にそれたが、大千秋楽後の感想は以上になる。明日から始まるいつも通りの辛い日常を、文劇でもらったパワーを糧に、生きていければなと思いつつこれで筆を置くことにする。


追伸
クラファンに出資したフォロワーが、無事に劇場でシミに……じゃなかった無事に現地で観劇できたと先ほど委細を知りました。
自分のTwitterアカウントが凍結してしまったせいで状況をあまり知れなかったのが大変残念ですが、また機会があったら見に行ってもらって悲鳴……ゲフンゴフン感想を聞きたいな、と切に思います。

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