【詩】刃先



みだれてゆがむ呼吸の所在を必死で探している
ぼくの周辺は生きづらさの灰で埋もれた死の街並み
乾ききった理性と湿っぽい本能は
拮抗する呪縛となって
ハサミの刃を鳴らして断ち切った原始的な欲求
肉体に染みついた過去をもぎ取っても
現在は痣になって残り続ける

真実と悟りは痛みのなかにある

と説かれ
またハサミの刃を鳴らす
そして
痣は腐敗が進行する
咲くはずのカルミアはすべて枯らした
罪を裁いて
そのハサミで髪を切り落として
断頭台にふさわしくあるように






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?