leica M3と一緒に
僕のライカM3は「頂き物」だ。よもやこんなものをもらえるなんて思ってもいなかった。
ポンとライカをくれた人
職場の上司が相当な道楽者で、彼の家に遊びに行くと、いろんな「おもちゃ」がある。カメラしかり、Nゲージやらラジコン飛行機やら、流行る前からドローンも持っていたし、高そうなロードバイクも持っていた。果てにはキャンピングカーも。よくもまあ我々の給料でこんなに、と思ったものだが、そこはおうちの関係もあっただろうし、お子さんも手が離れているし、自由。なんならその趣味部屋なんかは簡素ではあるが自分で作ったりもしていた。
これまでに何人か、そんな趣味に力を入れている人を見てきたけれど、その幅の広さに関して言えば、この方が一番だと思う。
深さでいったらまた別にいるけれど、ガキの頃からそんな世界を見せられたら、そりゃなんでウチは違うんだろうなんて思ったりもするもんだ。
カメラいるか?と訊かれて
ある日電話が鳴って、その件の上司からだった。当時は部署も違っていたので、仕事の話ではなかろうと思いつつ電話に出ると、カメラいるか?と言われる。
そういえば、前に行ったとき、ライカとかニコンFとかあったなあ、と思い出し、まさかライカくれるって言うんじゃないよね?と思いながら、もらいますと言って彼の家まで足を運んだ。
そしたら、ライカM3くれるってさ。
出どころはちょいと怪しい
こんなの貰っていいんですか?
当然こちらはそう言うわけで、彼は何も問題ないという感じでくれた。
どこかのリサイクルショップで手に入れたものらしく、レンズ2本とともに、それからニコンも数台、こちらはもう流石にガタがきているので使い物にはならなそうだが、とにかくたくさんのカメラを貰って帰ることになった。
修理に出さねばならぬ
ファインダーを覗いてみると、少し黄色っぽく、ピントもズレていることが分かる。それで修理に出すことにした。ズミタールもカビがきていたので、それも合わせて。
果たして返ってきたライカとレンズで撮った写真たちを載せておく。
現像のせいか、レンズのためか、フイルムの特性か、このノスタルジックな写りが実はそんなに好みではなかった。たとえばオリンパスのpen fvはこれまたレンズのためかフイルムのためか現像のせいか青っぽく映っていて、そちらの方が好みだったりする。
けれども今見返して見ると、この黄色っぽい写りもいいじゃないか、と思うようになっていた。
それからM3の特徴といえば、ほぼ等倍のファインダーだ。両目を開けて構えると、ブライトフレームが浮かびあがって見える。その分使えるレンズの焦点距離は50mmからと限られてしまうが、これは一眼レフにはできない仕様だ。
かねがね思っているのだが、この等倍で世界を覗き見るという仕様は、もはやカメラがスマホに置き換わってしまっている昨今、カメラで撮る、撮りたくなる、ひとつの理由になるのではないか。趣味性を高める一つの方法としていいと思っている。それができるのはライカでなければフジフイルムのX-proシリーズかX100シリーズだけなんだけど、やってみてくれないかな、とずっと思っている。
なにはともあれ、写真を見返して、久々にライカM3で撮ってみようかと思う。フイルムも高くなってコスパが悪いんだけど、そもそもコスパで語るものではないだろうし。ライカM typ240とライカM3 ともすればどちらにも50mmをつけて。
そんな休日朝も悪くない。
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