解説編の表紙

vol.05【解説編】読まないで会計思考を身に付ける方法 Part01 Introduction

Part01 会計の基礎知識---財務諸表とは

財務諸表には「貸借対照表(B/S)」、「損益計算書(P/L)」、「キャッシュフロー計算書(C/S)」などがあり、この3つを特に「財務3表」といいます。

キャッシュフロー計算書の作成は上場会社に義務付けられていますが、上場していない会社に作成義務はありません。

上場していない企業ではキャッシュフロー計算書と似た、「資金繰り表」を作成します。

ちなみにですが、日商簿記3級では貸借対照表と損益計算書のみが出題されます。キャッシュフロー計算書は日商簿記1級にならないと出題されません。

言い換えれば、ほとんどの簿記受験者は1級を受験することがないため、「キャッシュフロー計算書」に苦手意識を持ち続ける傾向があります。

財務3表はそれぞれの表同士の数字がつながっています。そのつながりを意識すれば、キャッシュフロー計算書も難しくありません。

貸借対照表と損益計算書は「当期純利益」を通してつながります。つまり、損益計算書は貸借対照表の「利益剰余金」の増減明細表です。

貸借対照表とキャッシュフロー計算書は「現金・預金」を通じてつながります。つまり、キャッシュフロー計算書は貸借対照表の「現金・預金」の増減明細表です。

3表の関係性はよくダムに例えられます。

貸借対照表はある時点のダムに溜まった水を表し、「ストック」情報といわれます。損益計算書とキャッシュフロー計算書はその期間にダムから流れた水の流れを表し、「フロー」情報といわれます。

たとえば、「元手資金600で株式会社を設立」したという取引だけの財務3表はこのようにつながります。

キャッシュフロー計算書を含めた財務3表の解説の詳細は近日中に公開予定の「財務3表【解説編】」で解説します。ぜひ、そちらもご覧ください。

なお、「読む」解説をほぼなくし、「見る」だけで財務3表を理解できるようにした書籍としてこちらを出版しています。kindleUnlimitedで読めますので、ぜひ応援いただけますと助かります。

本書では、貸借対照表と損益計算書を中心に、それぞれの役割をご説明します。

まず、基本的な3つの活動(財務・投資・営業)のうち、「お金をどうやって集めてきたのか」を表すのが貸借対照表の右側です。

貸借対照表の左側は、その集めたお金を使って、「何に投資したのか」を表します。

損益計算書は、「どんな儲けをあげる活動を行ったのか」を表します。

キャッシュフロー計算書は、現金の動きに着目します。営業・投資・財務の3つの活動によって、「現金がどう出入りしたのか」を明らかにします。

(続く...)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?