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STO対VC: 流動性と支配

EVERCITYは、従来の資金調達方法の構造上の課題と、セキュリティトークン化がそれらを取り組むために役立つ方法の分析に関する一連の記事の投稿を続けています。

第2部では、STOが最新の(一番悪名高い)資金調達方法の1つであるICOへのより効率的な代替を提供することについて説明しました。しかし、セキュリティトークン化は、前世紀の資金調達の巨人であるベンチャーキャピタル体制を大胆に変えることもできるようです。

ベンチャーキャピタルファンドが、多くの偉いな成功事例も、大きな混乱も生み出したした数多くの例が 存在することはは事実です。しかし、ベンチャー体制は過去60年間ほとんど変化していません。

現在、VCファンドはフレキシブルな対応できない機関となっています。ベンチャー業界全体は、投資家と新興企業の両方に厳格なルールと制限を設けているエリート限定アクセス・クラブのようなものであります。これらの、より激しくなり続けている制限は、デジタル化に向かっている世界で、利益を上回るようになっていきます。

それでも、VCは人間の技術進歩を支えている金融業界であり続けています。STOがこの資金調達業界の戦略的なセクターをどの程度まで変えることができるか、あるいはそれを置き換えることさえできるかどうかは、まもなく説明いたします。


第1の問題: 低流動性投資

すべてのVCは非流動性が資金調達に対して最大の制限だと考えています

VCへの投資を検討している方は、非常に長期間にわたって資金を凍結することを覚悟しなくてはなりません。より正確に言うと平均7〜12年間です。これらの数字を考慮すると、さらなるICOプロジェクトへ投資したい人数が増加し続けることはあまりにも驚くようではありません。

VCは法的保護と投資家の安全を保障し、間違いなくICOに比べて多くの利点があるが、流動性その長所であるとは言えません。

何か変化が起こる場合、VCファンドへの投資を早期に 回収する ことは、必然的に大きな損失につながり、経営陣の承認なしには実行できません。
STOが提供する解決

STOを通じて独自のセキュリティトークンを発行することは、スタートアップにとってVCに代わるものではありますが、トークン化された資金の形で従来のベンチャーキャピタル体制に流動性をもたらすこともできます。
この場合、発行されたセキュリティトークンは従来の所有権と権益を表しながら、投資家にいつでもセカンダリ市場でこれらのトークン(つまりファンドのシェア)を取引する機会を提供します。
このモデルは、現在SPiCE VCなどによって実装されています。

高い流動性は、投資家がいつEXITするか、いつ取引するかなどのような意思決定ができ、自由にポートフォリオを運用できることを意味します。

第2の問題: 参入障壁


ベンチャーキャピタルは、スタートアップだけでなく、投資家にとっても高い基準を定めます。通常、投資ラウンドに参加するには、大金額を持たなければなりません。
7~12年間にわたって投資された金について心配せずに辛抱強くEXITを待つ用意のある人が少ないです。

それは平気場合でも、必ず投資ラウンドに参加できるというわけではありません。例えば、スティーヴン・マッキオンによると、「Sequoia Capitalベンチャーファンドの多くは、一部の機関投資家にとってもアクセスが困難であることが知られています。」
STOが提供する解決:

スタートアップは独自のSTOを実行する際に最低限の投資額を設定することができますから、この資金調達方法は投資家にとってはそれほど厳しいものではありません。スタートアップは、何千人もの個人投資家から資金を引き出すことを決定することができ、そのための唯一の要件は、適格投資家であることです。

ベンチャーキャピタル向けのソリューションについて言うと、VCファンドのセキュリティトークンは、マッキオン教授が言ったように、特定の投資ラウンドへのアクセスなどの追加の権益を表すことができます。それらを純資産価値以上の取引ができるというメリットもあります。


第3の問題: 支配の喪失


スタートアップの観点からも、VCはそんなに魅力的なものではありません。

多くの若手技術系スタートアップは、ファイナンスアレンジ、法令遵守、マーケティングなどの課題を含む資金調達キャンペーンを行うことが非常に難しくて、費用がかかることであると思います。この筋書きでは、ベンチャーキャピタルは、完全に準拠した保証された投資の源泉となります。

しかし、それにはには代償があります: エクイティを喪失して自分のスタートアップを管理できなくなるリスクです。

Harvard Business Reviewが言ったように、「ほとんどの起業家は沢山の金を儲け、企業を運営したいと考えています。 しかし、両方を行うのは難しいです」。ベンチャーキャピタリストとファンドは通常、投資先スタートアップ企業の大量の株式を要求するため、 創業者は重要な意思決定権益を失い、強制的な経営変更を我慢しなければなりません。

この「創業者のジレンマ」をどうやって解決するのでしょうか。

STOが提供する解決:

この点で、スタートアップが、トークン化・販売ための権益と金額を決定することができますから、STOは、スタートアップが独立性を失うことを防ぐVCの代替手段となります。


一方、DAO (自律分散型組織)の概念は、意思決定権利が株主のみに与えられる、より効率的な分散型ガバナンスモデルを提供することができます。

それと同時に、ICOと比較して、STO (証券トークン公開)は完全に規制   合法的な資金調達方法です。

Emery Capitalのパートナー兼ScryptaのCEO兼EVERCITYのアドバイザーのイワン・ポドマスコ

スタートアップのための資金調達は通常に、ラウンドの構成、資本政策表の作成、発行済株式の種類および数量の決定、創業者の希薄化の予測、ストックオプション(新株予約権)の割当の計画、株式の売却の制限及びVesting Schedule(受給権付与条件テーブル)の決定、一連の法的文書(企業の意思決定、契約、株主名簿への記入)の起草というような手順からなります。

現在、資本市場で勢いを増している(STOという現象で現れている)デジタル化の傾向は、分散型元帳のスマートコントラクトを通じて、将来的に資産運用向けの新らたな仕組みの創造につながり、(ブロックチェーンと呼ばれる金銭と証券の両方の情報を保持する単一のツールのおかげで)_資本調達プロセスだけでなく、そのモデリングと監査の手順も単純化し、高速化されることも考えられます。

便利なインターフェースを通じて株式資本をプログラミングし会計処理するための、単一の透明なプラットフォームの短期間での出現は、創設者と投資家を一致団結させます。

次回: STO対IPO

著者: ベローフ・ドミートリーアレクセイ・シャドリン

STOについてもっと知りたい方、セキュリティトークン俱楽部に参加してみてください。

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