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大好きだった人を思い出して病んだこと⑤



前回の続きです。




パンドラを開けてからの私はこれまでの人生でかつてないほど病みました。
こんなに苦しくて、何もやる気が起きなくて、ただただ昔に戻りたくて戻れなくて悲しくて、呼吸の仕方もわすれてしまうような生活は初めてでした。
あからさまに元気がなく、食欲もなく、ほんとに抜け殻のようでした。




こんな様子なので旦那もさすがに気付きます。
最近体調悪くて食欲もない〜なんて話してたけど、何も知らない旦那には罪悪感でいっぱい過ぎて、顔を合わせるのもキツかったです。


結婚しているというだけで、他の誰かを想うのがとんでもない罪のような気がして、結婚していることを初めて恨んだし、結婚する前に一度も人生を振り返らなかったことを後悔しました。

振り返ったところでたぶん何も変わっていなかったとは思うけど、結婚という縛りにこんなに苦しむと思いませんでした。





ついには離婚までよぎりました。
それで当時の彼と上手くいくわけではないことはわかっていたけど、今の旦那への罪悪感から逃れるために、いっそのこと1人になって、自由に誰かを想えたらと思ったのでした。

苦しい感情も全部旦那に吐き出して楽になりたいとも思いましたが、Yさんには旦那には絶対言っちゃダメだよ、話なら私が聞くから!と何度も言われていたので堪えました。





こんなに病んでしまったのには少なからず他にも理由があったと思います。


今の生活に不満を感じたことは無かったけれど、交際して割とすぐに同棲を始めたので、結婚してもこれといって変化がなかったことでマンネリ化していること。

子供を欲しいと強く望んだことは無いけれど、できたらいいなとは思っていたので、こんなにもできないものなのかと少し焦りがあること。

仲の良い友人が結婚を機に遠方へ引っ越してしまうこと。




何も変わらない自分の生活と、変わっていく周囲の変化が怖かったのでした。



"子供"に関しては一度、ある経験があり、今月もダメだったなと落胆する度に、少しだけ当時を思い返してしまいます。




仲の良い友人は新卒当時に同部屋だった子で、苦楽を共にした大親友です。先輩Yさんとも仲良くて3人でよく会っていました。
都内にいるしいつでも会えると思っていたので、それがなくなると思うとけっこう堪えました。
会うことは減っても近くにいるというだけで心の支えになっていたんだと気づきました。
近い存在だった人が遠くなってしまうのはこんなに辛くなるもんなんですね。




これらが重なった結果が病みを深くしたんだと思います。





同じ境遇の人はいないかネットで検索し、Yahooの質問を眺めたり、離婚するデメリット、既婚者が男友達に会うのはどうなのかとか、そんな記事ばかり読みました。


意外と同じような人もいるし不倫→結婚に至った人もいたりと、色んな人生があるんだなーと思いました。
誰かの体験談、経験談を読んだところで、それが自分の経験になるわけではないけど、仲間が沢山いると思うと安心しました。

少しだけ冷静になれました。





この後も、ついつい考えてしまうのは相変わらずだったのですが、仕事中にふと、前向きに考えよう!と、後ろ向きの思考を一旦停止させることに成功します。



何故か分からないけど、急にふと思ったのでした。




私はそもそも、当時の彼を一人の人として尊敬していました。
大学卒業してから新たに学校に入り直した彼はみんなよりも年上で、他の同級生と比べても、その職業への夢を強く持っていたので、単純にすごいと思っていました。
私は明確になりたいビジョンはなくて、漠然とその業界に興味があったという程度で入ったので、やはり夢を持ってる人はすごいし、かっこいいと思いました。

同級生や先生からの信頼も厚く、なんで私と付き合ってくれたのだろうと今では思います。

人として尊敬できるというのは、恋愛関係でなくなってもずっと続くもので、今も尚、夢を叶え続けているという点においては本当にすごいと思っています。


そして当時の彼はよくモテました。自覚があるかは分かりませんが、私は本当に心配だったし、よく嫉妬しました。




そんな人が一度でも私を選んでくれた、愛してくれた、それってすごいんじゃないか、と思いました。

それだけで自分は最高の女だったんじゃないかとさえ思えました。

なんの取り柄もなくて、どこを好いていてくれたのか分からないけど、彼はよく、自分にはもったいない彼女だと言ってくれていました。
どこが?と思うのですが、私から言わせれば彼こそ私にはもったいないほど素敵な人でした。





それほど想い合えた人に、人生で一度でも出会えたこと自体が本当に凄いことなんだと思いました。







ポジティブに考えていたら今まで病んでいたことの大半が消えていきました。


過去の私がまた私の奥深くに眠りについた瞬間でした。




⑥へ続きます。



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