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トップ5%社員の時間術、越川慎司、ディスカバー

・ハンマーしか持っていなければ、全てが釘のように見える、という諺。仕事が終わらないのは、もっと簡単な方法を見つけていないから。(だから、全てが釘に見えてハンマーを使おうとする。) ・効率ではなく、効果を重視する。無駄な作業を効率よくこなしても、意味がないので、目的を考え、やらなくて良いことはやらないようにする。 ・個人では達成できないことを成し遂げるために組織があるので、目標を達成するために周りを巻き込み味方にするコミュニケーションに時間を割くべきである。マイクロマネジメ

    • フィードバック入門、中原淳、PHP

      ・管理職の難しいのは、getting things done throuth othersなところ。 ・コーチングの考え方が普及したことでティーチングが仮想敵のように語られたが、ティーチングが効果を発揮することもある。要は使い分け。 ・フィードバックをする時はSBI (situation, behaviour, impact)を具体的に伝えて何が悪かったのか理解させるとよい ・メンバー間で「誰々のミスが多い」のような批判を聞いた場合は、トライアンギュレーション(三角推量

      • 超入門コトラーのマーケティングマネジメント、安部徹也

        ・マーケティングとは、顧客との関係性を強めてものが売れる仕組みを作ること。究極的には、「買ってください」と言わなくても、顧客から「売ってください」と言われる状態にすること。 ・ニーズとは生活者が求めているもので、明言されていたりされていなかったりする。ニーズを具体化したものがウォンツで、例えばマクドナルドのハンバーガーがそれにあたる。ウォンツの中には購買力により買えたり買えなかったりするものがあるので、資金力を背景にした需要をディマンズと言う。 ・市場を年齢や職業などで細

        • 何故我々はマネジメントの道を歩むのか、田坂広志、PHP

          人間との出会いや困難との出会いへの感謝に貫かれた良書。全ての人がこの考え方をしているわけではなく、例えば仕事に求めているものが何もない人、割り切り型の人、など多様な人がいる中でチームを実際に率いる上でどこまで通じるかわからないが、マネージャーの心得としては非常に頷ける。レベルの高い組織では確実に通用するだろう。 ・マネージャーは、部下の人生を預かる仕事であり、その意味での責任の重さがある。安易なキャリアアップや権力志向でマネージャーを目指すのはやめた方が良い。根底には、偶然

        トップ5%社員の時間術、越川慎司、ディスカバー

          たった1%のリーダーのコツ、河野英太郎、ディスカバー21

          ・リーダーとは役割であり、すべての分野でメンバーの力量を上回っている必要はないし、メンバーがそれを求めるのも正しくない。リーダーはメンバーより偉い、ということでもない ・正しいと思っていれば、意見を具申することこそ仕事 ・10人に1人がリーダーのポジションをやっている。そんなに高度な技術が必要とされるものではなく、不安がる必要はない。 ・リーダーは性善説に基づき、人をやる気にさせる人。マネージャーは性悪説に基づき、人を管理する人、という分類ができそう。 ・いかに自分よ

          たった1%のリーダーのコツ、河野英太郎、ディスカバー21

          文学とは何か、加藤周一、角川ソフィア文庫

          ・文学とは何か、というのは抽象度の高い問いだが、具体的に何が文学で何が文学でないかはある程度共通の理解がありそうだ。例えば、谷崎潤一郎の小説は文学だが、新聞の社説や六法全書は文学ではない。これに対して、客観的に文学とは何かというアプローチを取りたい(これは、positivistなアプローチであり、今日的に正しいかはわからないと思われる) ・文学とは何であったか、については、比較的多くの人の意見が一致しやすい(例えば、エリザベス朝文学の最高傑作がハムレットであった、など)が、

          文学とは何か、加藤周一、角川ソフィア文庫

          世界の一流は雑談で何をしているのか、グジバチ

          元Googleの人材育成統括部長のグジバチが雑談について書いた本。 ・雑談=無駄話ではなく、下記の目的を持って雑談をするべきである。 ①状況を確認する ②情報を伝える ③情報を得る ④信用を得る ⑤アクションを決める どちらかというと、small talkやchatよりは、dialogueに近い ・1on1が導入され始めた背景には、メンバーがプライベートな問題を抱えていると、仕事のパフォーマンスが著しく下がるという考え方が定着したからだが、コロナ禍によるメンバーの孤立が、

          世界の一流は雑談で何をしているのか、グジバチ

          AIが突き止めたトップ5%リーダーの習慣、越川慎司

          ・リーダーはメンバーより偉いわけではなく、役割と責任範囲が異なるだけ。リーダーがメンバーの全ての能力を上回っている必要はない。 ・5%リーダーは、メンバーのストロングポイントに着目して伸ばしていた。ウィークポイントは、自分で補ってもらうか、メンバー同士で補い合うよう調整するというアプローチがよい。それを実現するには、性善説でいる必要がある。つまり、メンバーに何かしらのタレントがあると信じること。 ・5%リーダーは、成功確率を上げるのではなく、失敗確率を下げるというアプロー

          AIが突き止めたトップ5%リーダーの習慣、越川慎司

          運転手、喜多川泰

          ・運転手は、運を転ずる仕事、らしい。オヤジギャグすぎる、、運の総量は変わらない(功利主義というか、optimism?)とか、運を集合的に貯めることができるみたいな表記とか、いろいろ謎な小説だった。

          運転手、喜多川泰

          ねじの回転、ジェイムズ、光文社古典新訳文庫

          ・屋敷を漂流船と喩えるあたり、ドン・ベニートの海賊船を思い出す(p.22) ・主人公の家庭教師が、ある屋敷の令嬢フローラと子息マイルズの教育をし、その中で以前屋敷に勤めていたピーター・クイントと前任の家庭教師ジェスル先生の亡霊と対峙する物語。クイントとジェスルは性的関係にあり、フローラとマイルズをも堕落の道へ引き摺り込もうと企むが、そもそも全てが主人公の妄想であるのか(実際、メイドのグロースには亡霊が見えなかった)が最後までわかりにくい。子供たちへの執着も強く、この独りよが

          ねじの回転、ジェイムズ、光文社古典新訳文庫

          闇の奥、コンラッド、光文社古典新訳文庫

          ・「さらば、死にゆく者から別れのご挨拶を申し上げる」ローマの剣闘士が、試合前に皇帝に向けて投げかける別れの挨拶。(p.22) ・マーロウの傍白。「どんな経験であれ、生で感じたままを他人に伝えるのは不可能だ。生の感覚こそが、その経験の真実であり、意味であり、捉えがたい深い本質なんだが。[…]人はみな独りぽっちで生きている。夢を見る時に独りぽっちなのと同じように。」(p.53)これは、ウィトゲンシュタインの言う経験と同じ。自分の経験を人に伝えることができない、と言うことすらでき

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          八月の光、フォークナー

          ・壺に書かれたラバが数珠繋ぎになってる絵が、「永遠に動き続けながらも、全く前に進まない」(loc86)キリスト教的時間に対して、古代ギリシャの循環的時間。壺の絵はキーツの詩からの着想という説があるらしい。 ・鶏を売って貯めたお金をリーナにやってくれよ、と言うミセス・アームステッド優しすぎて泣ける。しかも、アームステッドに託して、直接渡さないなんて、、。 ・ヴァーナーの店で、ルーカス・バーチを見つけることは諦めろと諭されている時に、突如立ち上がってサーディンの缶詰をください

          八月の光、フォークナー

          書記バートルビー/漂流船、メルヴィル

          書記バートルビー ・悪意のない抵抗をどう扱うべきか。悪意なく、何事も「しない方がいいと思います」と断定し続ける男に、どう立ち向かうべきか。境遇についての説明はあるが、納得感はなく、薄気味悪さが残る。 ・「金」を「神」とする資本主義的常識から見るとバートルビーの振る舞いは理解ができない不条理と映る。しかし、その常識を疑うことを、メルヴィルは促しているのである。(p.235、解説)しかし、そうすると、配達不能郵便物の説明が無駄なようにも思える。それがバートルビーを理解する合理的

          書記バートルビー/漂流船、メルヴィル

          緋文字、ホーソーン

          ・かつてのアメリカ国旗は13条が縦になっているものも存在し、それは非軍事用の意味合いを持っていた ・「老人は収税官の執務室という本来の柄ではない環境にいて、現実よりも心の中で思うことにこそ本物の生活を見ていたのかもしれない」(p.33) ・「つけた目印を隠すことはできても、胸の中の痛みは消えないでしょう」(p.66)ここで言う目印とは、犯罪者のしるしとして、衣類の胸に縫い付けられたもの ・「賢い裁きだ!…つまり、女は生きた戒めとなる。死んでからは、その墓に不名誉な文字が

          緋文字、ホーソーン

          『父親の力 母親の力 イエを出て家に帰る』、河合隼雄

          ・日本人は古来より、イエ(家名)の存続を第一義としてきた。先祖との繋がりと、自分の死後自らが「先祖」となり祀られることが、この世の生を支える根拠であった。しかし、欧米の価値観に触れて、個人主義の考え方が広がったが、欧米の個人主義はキリスト教の倫理や長い歴史の中で孤独や孤立を避けるよう発展してきたのに対し、日本は表層的に取り入れただけなので、非常に歪んだ個人主義となってしまった。 ・急激に豊かになったことも、日本人の生活様式を急激に変えた。古来より生活の中で宗教や道徳を教える

          『父親の力 母親の力 イエを出て家に帰る』、河合隼雄

          『危険思想』

          ・フィリピンでは交通事故で人を轢いても、20万程度の賠償で済むらしい。そうすると、後遺症の残る怪我をさせて延々と治療費を払うよりは、殺してしまった方が安上がり、という発想になる、らしい ・スラムは貧しい人や問題のある人が暮らしている場所、で、暗黙のルールがある。住民にとっては治安は悪くなく、夜になったりして他の地域から来る人が犯罪を犯しているというだけだったりする、らしい ・麻薬カルテルというのは麻薬ビジネスに関わる組織の連合体。生産から関わることもある。エルチャポのよう

          『危険思想』