見出し画像

今どきのインターンシップを調べていたら、ブラックインターンの思い出が蘇ってきた

インターンシップの参加率は85.7% 調査開始以来、最高値に

マイナビの調査によると、25年卒のインターンシップ・仕事体験に応募した学生の割合は91.0%で、参加した割合は85.7%となり、いずれも前年を上回り、参加率は調査を開始した14年卒以来最高値となったのとのことです。

引用:マイナビ 2025年卒大学生広報活動開始前調査

30代後半以降の人には、なかなかピンとこないかもしれませんが(筆者のことです)、昨今の新卒採用では、インターンを取り入れる企業が一般的となっています。

引用:DISCO「2025 年卒・新卒採用に関する企業調査-採用方針調査」

学生の売り手市場が続く中、自社にマッチする学生を確保したい企業と、就活の早期化に焦る学生にとって、企業と学生が本選考の前から接点をつくれるというメリットがあり、どちらにとってもインターンシップは重要度が増しています。

実態として多くは説明会や座談会形式

新卒採用において、インターンシップを取り入れるのが当たり前となる中で、気になるのは実態です。DISCOの調査によると、実施予定のインターンシップのプログラムは、「オープン・カンパニー」と呼ばれる企業の説明会や現場社員との座談会をメインとしたものが圧倒的に多く、8 割強を占めています。

引用:DISCO「2025 年卒・新卒採用に関する企業調査-採用方針調査」

インターンには就業体験が必須に

実質的には会社説明会であるにもかかわらず「インターンシップ」という名称のプログラムが多く存在することを踏まえ、25年卒以降のインターンシップに関して、経済産業省・文部科学省・厚生労働省によって制定された「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(=通称「三省合意」)が改正され、インターンシップの基本的認識や推進方策が取り纏められました。

引用:厚生労働省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」

これにより、インターンシップは4つの類型に整理され、
オープン・カンパニーなどの企業説明会はインターンシップとは呼ばず、
就業体験があり要件を満たしたものを「インターンシップ」とすること
そして、「インターンシップ」において取得した学生の個人情報の採用活動への活用が可能になりました。

この「インターンシップ」の基準を満たすには、就業体験を盛り込んだ5日間以上(汎用的能力活用型)もしくは2週間以上(専門活用型)のプログラムにする必要があるため、企業にとっても学生にとってもハードルが高いものではあります。
企業にとっては、インターンシップを行う目的と手段をきちんと整理する必要がありそうですね。

私のブラックインターン体験記

インターンシップについて調べていたら、どうしても書きたくなった私の体験記。

それは遠く〇年前、まだまだインターンは意識高い系学生がするものだった時代。私は、意識高い系学生の仲間入りをしようと、インターンシップをしたい学生と募集する企業をマッチングさせるNPOの集会に参加し、そこで出会った企業でインターンをしました。

田舎出身の私には、働く場所も働く人もとてもキラキラしていて、魅力的で、「働けるなら、何でもやります!!!」の精神で社会の常識も法律も何も知らず飛び込んだ世界。

勤務実態は
週5日、1日5~6時間(授業の無い時間は基本的に勤務)
報酬が一応出て、3万円(ちょっとあいまいな記憶)
仕事内容は、体験とかではなく「就業」そのもの
がっつり上司からの指示で動き、アルバイトさんの管理とか現場回りとか
とにかくいろんなことをしていた大学3年生の夏。

夏季2カ月限定のはずが、頼られるのがうれしくなっちゃって、他のインターン生が卒業する中、1人だけ、3年生が終わるまで続けていました。
ほんとどうかしていた。

今思えば、労基法的に完全アウトだなと。
時給250円とかの世界。
社労士を勉強して、あの会社アウトだったなと思ったNO.1の会社。
無知っておそろしい。
報酬少なすぎて、アルバイトしないと何も買えなかったから、アルバイトも続けて、週7で就労していました。。
タイムスリップできるならあの頃の自分に言いたい
「働くことは、その後いくらでもできるよ!!!!!!!!!」

インターンシップは基本的に有給・無給は企業が決めることができます。
しかし、無給の場合は、内容は見学や体験に留める必要があり、企業側の指示で学生に業務を行わせる場合は「労働者」とみなされ報酬が必要となります。
この場合もちろん、労働基準法が適用されるため「最低賃金」を守り、「労働時間の管理」を行う必要があります。

当時の私は気持ちだけで乗り切っていましたが、見守っている親はとても心配していました。今なら気持ちがよくわかる。。

今でも、このようなブラックインターンは後を絶たないようです。
学生さんはブラックインターンに巻き込まれないように、
企業の方はうっかりブラックインターンにならないように、
実りあるクリーンなインターンシップが繰り広げられる社会でありますように。。

この記事が参加している募集

人事の仕事

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?