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0.11-3 Next STEP

「それで、具体的には何をするの?」

「ああ、まず2人には、宣伝を兼ねた活動をしてもらう」
「地盤固めと言ってしまえば、堅苦しいけれど」

「ファン作りだね!」

「そうだ」

「レッスンも当然、これまでとはほうこうせの異なるものを行っていく」
そう言って、シークレットは、タブレットを用いてアヴァリアとイーサに説明を行う。

「私達の2人が歌って踊るのか!」
「この演舞、いいわね!」

「気に入ってくれた様で何よりだよ。イーサさん」
「アヴァリア?」
そう言って、声を発しなかった方を見る。

「いい」
ぐっっと、ガッツポーズをしながらアヴァリアは噛み締めていた。

「うん。2人とも乗り気な様でよかった」
「さて、ここからが本題なんだけど。問題はないだろう」
そういって、シークレットが話題を切り出した。

「2人には、同棲してもらう」

「「同棲!?」」

「ああ」

「ねぇ、シークレットくん」

「どうしたんだい?エブモス」
シークレットは、不思議そうな表情で呼びかけたエブモスを見る。

「なんで『同棲』なの?」
「同居でも、共同生活でもいいような気がして」

それを聞き、がっちりとエブモスの肩を掴みシークレットは宣言した。

「いいところに気がついてくれた!」
「いい方。これは、大切なんだ」
「『同棲』じゃなければダメなんだよ」

「言葉の違いだけじゃないの?」

「ちがうよ。こういうときこそ、言葉の違いが持つ意味は大きいんだ」

「2人には、パートナーとして過ごしてもらう!」

「「パートナー!!?」」
これには、アヴァリアも声を上げた。

「そう。パートナーだ。重要なことなんだ」
「君たちは、アイドル『アイゲンレイヤー』だ」
「コンセプトは、百合婚だ!」

「ちょっと、まって。そんなトンチキコンセプト、いったいだれが!」
アヴァリアは、前屈みになり、シークレットに迫る様に意見を述べる。
しかし、それは、スンとしながら何処か艶やかな声に遮られた。

「『百合』そして『結婚』いいテーマよね」

「オズモさん!」

「オズモ」

アイゲンレイヤーの2人の視線
それが重なる先にオズモがゆったりと佇んでいた。

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