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0.3 お代を貰います

「いかがでしたか?私の歌」

「ほぉあー」

「いい、ね」

「確かに。素晴らしい奥深さだわ」
三者三様にアヴァリアの歌を褒め称える。
染み渡る様な、と表現するのも生優しい
まるで、自身の構成要素に対して分子レベルで干渉してくる様な歌声だった。

「すっごく、フワフワする」

「ここちいいでしょ?」

「うん!アヴァリアちゃん。すごい!」

「とうぜん」
そう言うアヴァリアの手の中には、キラキラと光る小さな球体があり、それを彼女はコアに吸収した。

「今のは、なんだい?」
怪訝そうな表情で、質問を投げかけるシークレット

「これは、『お代』」

「いつの間にか取られてる!?」

「対価は、貰うべき」

「そうだけれども、事前に言うべきじゃないかな?」

「リソースは、体の不調から溜まったものしか頂いてないわ」
「だから、不要なものを頂いただけよ」

「だとしてもだ」
「僕だって、ファンサと投げ銭の時は、事前に言うしさ」

「兄様!兄様のファンサは、私だけに!投げ銭は十分にありますわ!」
リソース塊をがっさりと出すシェード

「ちょっと、シェード。今は、ややこしくなるから黙って」

「はい!兄様」

「ちゃんと、言えるね?」

「うん。わかった」

「ところで、この集めたリソース。何に使うのかい?」
「集める、という事は、使い道があるのだろ?」

ふとした疑問を口にするシークレット
確かに、そうだった。
リソースは、それそのものでは意味が無い。
色々なものに交換できるが、だからこそ、成したい何かが大切と。
かつて、リソース集めに奔走したシークレットだからこそ思い至ったのだった。

「星を創るの」
なんて事ない様に彼女は口にしたのだった
大胆な目標を

「だから、まだまだまだ!足りない」
「何か、いい集め方は無いかしら」
そう尋ねたのだった。


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