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WHO76回総会: 5月26日決議事項のまとめ❣️

以下文章は、個人的な試訳です!

「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」に関する歴史的な国連ハイレベル会合に向けた準備

加盟国は、何百万人もの人々が救命や健康増進の為の介入を受けることができないことに警鐘を鳴らした。

保健医療費の自己負担は、10億人以上の人々に深刻な影響を与え、何億人もの人々を極度の貧困に追い込んでいる。この状況は、コロナパンデミックにより悪化してる。

これを受けて加盟国は、2023年9月に開催されるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に関する国連ハイレベル会合(HLM)の準備を支援する決議案に合意した。

UHCとは、全ての人が経済的に困窮することなく、必要な質の高い保健サービスをすべて利用できることを意味する。

変革的な政策転換として、高・中・低所得国の加盟国は、万人の健康を達成し、最も取り残された人々に最初に到達するための基盤として、プライマリー・ヘルスケア(PHC)に基づく保健システムの方向転換に強い決意を表明した。

健康増進から予防、治療、リハビリテーション、緩和ケアに至るまで、UHC介入の約90%は、PHCのアプローチを用いて提供することが出来、2030年までに6000万人の命を救うことができる可能性がある。

加盟国は、9月のHLMで最高レベルの政治的コミットメントを示すことの重要性を強調、UHCの為の簡潔で行動指向の宣言を達成することを目的とした。

関連資料 (EB152/5)
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する国連総会ハイレベル会合に向けた準備↓
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/EB152/B152(5)-en.pdf


あらゆる災害に対応する救急医療には、より強力な国家計画が必要
である。世界保健総会は、本日合意した新たな決議で、質の高い緊急・重症・手術療法(ECO)サービスの計画と提供を強化する為の世界的な取り組みを適時追加するよう呼びかけた。

堅牢なECOサービスは、国の保健システムの基盤であり、あらゆる災害を含む緊急事態に効果的に対応できることが必要

コロナの大流行により、世界的にECOの能力、準備、提供における広範なギャップが明らかになったことを懸念し、総会は加盟国に対し、他の行動の中でも、持続可能な資金、効果的なガバナンス、ニーズに基づくECOケアへの万人向けのアクセスに関する国家政策を策定し、災害、脆弱な環境、紛争の影響を受ける地域でも効果的にECOケアを保護する、より一貫した、包含的で利用しやすいアプローチを促進するよう強く要請

総会は事務局に対し、2025年、2027年、2029年に本決議の実施に関する進捗報告書を提出するよう要請

関連資料( EB152/3)
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジと健康上の緊急事態からの保護を目的とした、救急・重症・手術の統合ケア
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/EB152/B152(3)-en.pdf


非伝染性疾患から命を救う為、より費用対効果の高い「ベストバイ」が承認

代表者たちは本日、非感染性疾患(NCDs)の予防と制御に役立つ「ベストバイ」として WHO が推奨する費用対効果の高い介入策の新メニューを承認。
このメニューは、「ベストバイ」の数を増やし、あらゆる所得レベルの国々が、世界の死因第一位(疾患)からより多くの命を救うための選択肢を提供するものである。

その中には、禁煙支援、母乳育児の推進と支援、有害な食品販売から子どもを守る為の政策などの予防介入が含まれている。

更新された「ベストバイ」には、喘息や慢性閉塞性肺疾患の治療、乳がん、子宮頸がん、大腸がん、小児がんなどのがんの早期診断・治療も含まれている。
また、HIVと共に生きる人々のがんの早期発見と包括的治療も統合されている。

これらの介入策は、各国がNCDsの予防と制御の為の国家的行動を加速させ、SDGs 3.4目標の達成に向けた進展を加速させ、2025年のNCDsの予防と制御に関する第4回国連総会ハイレベル会合に向けた政治的コミットメントの強化に道を開くものである。

保健総会はまた、ライフコースにおける肥満の予防と管理に関する勧告の実施において加盟国を支援するための加速計画に関する報告にも留意した。
現在、28カ国が加速化計画を実施しており、その進捗状況は記録され、総会に報告される予定。
この28カ国の経験は、他の全ての加盟国が肥満に対する行動を加速させる為の政策や行動に反映されるであろう。

関連資料 ( EB152/11 )
非伝染性疾患の予防と管理、精神衛生に関する第3回ハイレベル総会の政治的宣言
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/EB152/B152(11)-en.pdf


難民・移民の健康グローバル・アクション・プランが2030年まで延長

難民と移民は、経済的困難を経験することなく、旅の途中や受入国で保健サービスを利用する権利がある。
この取り組みは、2030年までにユニバーサル・ヘルス・カバレッジを目指す世界全体の動きの中で、重要な位置を占めている。

本日、B委員会で加盟国は、難民と移民の健康促進に関するWHOグローバル・アクション・プランを2030年まで延長する決議に合意

グローバル・アクション・プランは、難民と移民が直面する様々な課題を取り上げ、以下のような具体的な対策の概要を示しています:

1)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの原則の中で、難民と移民の為の統合的で包括的な保健サービス、プログラム、政策を含むように保健システムを再編成する

2)難民と移民の健康政策、計画、介入の結果を監視し、各国におけるこれらの行動の更新と再設計を可能にする

3)難民と移民の特定の保健ニーズに対応し、個人の文化的、宗教的、言語的ニーズを尊重した保健サービスを提供す為の保健システムの能力を向上。

4)世界、地域、国のイニシアチブ、パートナーシップ、保健フォーラムに難民と移民の保健を統合する。

WHO事務局がとるべき行動
加盟国と少なくとも2年ごとに非公式協議を開催し、WHO世界行動計画内の行動実施に関する課題、教訓、ベストプラクティスを特定・共有すること、技術支援の提供、ガイドラインの策定、知識の共有の促進、加盟国内および協調の推進などである。

この決定は、2023年6月に開催される「難民と移民の健康に関する第3回世界協議」に先立ち、進捗状況の評価、難民と移民の健康に関する更なる政治的コミットメントの構築、来る2023年のユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する総会ハイレベル会合を含む今後の政策審議への情報提供、WHOグローバル行動計画の継続的実施の指導を目的としている。

WHO事務局は、2025年、2027年、2029年の保健総会で、この決議の実施状況を報告する予定

関連資料(EB152/17 )
難民・移民の健康促進に関するWHO世界行動計画(2019-2023)を2030年へ延長
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/EB152/B152(17)-en.pdf


WHO伝統医学戦略、2025年まで延長
世界保健総会(WHA)は本日、WHO伝統医学戦略2014-2023を2025年まで、更に2年間延長することに合意

総会は事務局長に対し、新たな世界戦略2025-2034を起草し、2025年の第78回WHAに提示して検討するよう要請

総会は、厳格な臨床研究を含むエビデンスに基づくアプローチを通じて伝統医学・補完医学(T&CM)の可能性を評価する加盟国の努力を認識。
また、先住民族や地域社会の文化、そして彼らのホリスティック(総体的)な伝統的知識の価値と多様性を認識

この決定は、エビデンスに基づくT&CMを国の医療制度やサービスに組み込む為の技術支援や、T&CMの実践、製品、施術者の規制に対する支援を提供するWHOの役割の重要性を強調している。

2014〜2023年戦略の下、WHOはこの重要な、そしてしばしば活気に満ちた拡大するヘルスケアの一部に対する積極的な政策の開発を望む国々を支援している。
WHOの戦略的な政策と技術支援により、各国が健康、福祉、人間中心のヘルスケアに貢献するT&CMの可能性を活用することが出来る。

2014年以降、WHOはT&CMの積極的な管理の為の知識基盤の構築と、エビデンスに基づく安全で質の高いT&CMを国の医療制度やサービスに適切に統合、規制、監督することに注力している。

関連資料 ( EB152/37 )
WHO伝統医療戦略:2014〜2023年、事務局長報告書
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/EB152/B152_37-en.pdf


医療用酸素へのアクセス向上に関する決議
加盟国は、肺炎や結核を含む多くの疾患における低酸素血症(血中酸素欠乏症)の治療、特に高齢者やその他の脆弱な集団、手術や外傷における医療用酸素の重要な役割を認識する決議を支持した。

発展途上国では、多くの医療施設が医療用酸素を継続的に利用できない為、予防可能な死が発生してる。
この問題は、コロナの流行によって悪化、医療用酸素の必要性は多くの医療システムの能力を超えている。

酸素は1979年からWHOの必須医薬品モデルリスト(EML)に掲載されており、2007年初版からWHO小児用EML(EMLc)に掲載されている。
モデルリストには、酸素に代わる治療薬は存在しない。

本決議は、医療用酸素の生成と配布には専門的なインフラが必要であることを認識している。
また、技術者を含む学際的な医療従事者により、良質な医療機器を使用して安全かつ正確に酸素を供給する必要性を強調

新決議は、加盟国に対し、農村部と都市部の両方を含むあらゆるレベルの医療施設に医療用酸素を継続的に供給する為に、適宜、国や地域ごとに医療用酸素システムを構築するよう求めている。
また、ガイドライン、技術仕様、予測ツール、トレーニング教材、その他のリソースを開発し、発展途上国の医療システムのニーズを満たすために医療用酸素へのアクセスを改善するための技術支援を提供することによって、加盟国を支援するWHOの役割を強調

関連資料
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのための弾力的な基盤としてのプライマリー・ヘルス・ケアへの保健システムの再編成とユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する国連総会のハイレベル会合の準備、事務局長報告書
( EB/76/6 )

https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/WHA76/A76_6-en.pdf

事務局長による連結報告書
( EB 76/7 Rev. 1 )
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/WHA76/A76_7Rev1-en.pdf

非伝染性疾患の予防と管理、精神衛生に関する第3回ハイレベル総会の政治宣言、事務局長による報告
(EB76/7 追加1)
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/WHA76/A76_7Add1-en.pdf

医療用酸素へのアクセス向上 ( EB 152/4 )
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/EB152/B152(4)-en.pdf


ポリオ撲滅と移行計画
WHAは、野生ポリオウイルスが常在する残りの地域を撲滅する為に、今後6カ月間に存在するユニークな疫学的機会を評価した。
このような機会を逃すことなく、予防接種を受けていない、あるいは受けていない子供達を撲滅する為に、WHAは作戦を変更する必要がある。

総会は、ポリオ撲滅への取り組みが、国際保健規則の支援の下、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態であることに留意、各国に対し、ポリオのない地域への疾病伝播のリスクと結果を最小限に抑えるよう促した

同時に、代表者達は、この取り組みに対する世界的な支援を継続、成功に必要な資金と政治的コミットメントがすべて動員されるようにすることを求めた。
また、ポリオのインフラがより広範な公衆衛生活動において果たす役割に注目し、参加者は、このインフラを、状況に応じた方法で各国の保健計画に移行させるよう求めた。

最後に、総会は、ポリオのない世界を永遠に実現する為に、集団的かつ世界的な協力を呼びかけました。

関連資料
ポリオの撲滅、事務局長レポート ( EB 76/13 )
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/WHA76/A76_13-en.pdf

ポリオの移行計画とポリオの事後認証、事務局長レポート  ( EB 76/14 )
https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/WHA76/A76_14-en.pdf

代表団は、予防接種サービスのキャッチアップ、回復、強化に向けた優先的な行動を強調

本日、加盟国およびパートナーは、「今日必要な予防接種の回復を通じて、より安全で健康な明日を」という戦略的円卓会議に参加した。

予防接種はWHOの優先プログラムであり、特に2023年にはコロナパンデミックによる大きな挫折を経験した後である。
過去3年間に6,700万人の子供達が少なくとも1つの必須ワクチンを失っており、これらの子どもたちを見つけることが緊急の課題となっている。

ゼロ・ドースの子供達(ワクチンを1回も接種していない子供達)を見つける為には、世界、国、地域などあらゆるレベルの組織や個人が、ワクチン接種率を追いつめ、予防接種プログラムを回復・強化する努力が必要

地域医療従事者のジョージ・ムインニャア博士は、「地域医療従事者は、ゼロ回接種の子供達がどこにいるのか知っているのだから、自分達の地域の地図は必要ない」と指摘。

本日の会合では、キャッチアップの取り組みにおけるコミュニティや最前線のヘルスワーカーの役割、プログラムの中断から回復し、予防接種サービスへの公平なアクセスを確保する為のシステム強化に必要な資金やパートナーシップについて、共同で議論した。

このセッションは、ケイト・オブライエンWHO予防接種・ワクチン・生物学部長によって紹介され、レニー・ンガマウの司会で、テドロスWHO事務局長、アブバカルソマリア保健大臣が登場。

ワクチン アライアンスGaviのCEOであるセス・バークリー博士、カナダの保健員であるヤセン・チョラコフ博士、ガーナの地域保健員であるジョージ・ムインニャ博士、COREグループのシニア予防接種アドバイザーであるシータル・シャルマ博士、モルドバ保健省のアンドレイ・カザク博士。

「WHO事務局長補(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、ライフコース担当)のブルース・アイルワード博士は、セッションを締めくくるにあたり、「私たちは目の前に緊急事態が迫っている。」と発言。

セッションの最後に、「時間は刻々と刻まれている。我々は今共に行動するときである。」と締め括った。

- INFO SOURCE - 
WHO ( 26th May 2023 )
https://www.who.int/news/item/26-05-2023-seventy-sixth-world-health-assembly---daily-update--26-may-2023

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