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現代短歌

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現代短歌、はじめました。まだまだ初心者です。
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#あいうえおnote

あいうえおnote【す】

あいうえおnote【す】

混ざる。落ちる。
飲み込んだ理不尽や、引っ込めた涙が、排水溝へ流れる水のようにぐるぐると渦巻きながら、私の中を流れ落ちていく。喉元から、胃、お腹の下の方を通って、つま先へ。
流れ着いた先が行き止まりだったら、そのもやもやは身体に蓄積されていくのだろうか。

スクランブル交差点を何も感じずに渡りきることができるようになった時、私たちは世の中の不条理をひとつ受け入れて「東京の人波」を構成する要素のひと

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あいうえおnote【し】

あいうえおnote【し】

初夏

溶けかけのアイスクリーム この夏が永遠(とわ)に続けばいいと思った

ライターで打ち上げ花火に火をつけた たぶんなんにも怖くなかった

ほろ酔いで歩く環七沿い、2人 ハーゲンダッツ買って帰ろう

飲みかけのグラスの氷が溶け出して 明るくたって夜は来ていた

サイダーの泡が弾けた瞬間に悟る 想いを告げちゃいけない

ソーダ水君が透かして見る先にあの子がいるの知っているんだ

白球になりたいな

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あいうえおnote【け】

あいうえおnote【け】


消す

気づいてる?消したまちがいの数だけ小さくなった消しゴムのこと

痕跡を消さずに「またね」が言いたいよ 君のほんとの彼女になりたい

さよならも告げずに君は消えたのに たばこの香りが消えてくれない

あの日々をなかったことにしたくなくて わざと二重線で消したの

携帯が知らせる君の誕生日 キャンセルするのを忘れていたよ

消しゴムをこするみたいに君のこと 撫でたとこから忘れさせてよ

君と

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