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世代だよね、知らんけど。【ゆるゆるいちごつみ #3】

百瀬七海さんとの #ゆるゆるいちごつみ リレー、3走目です。

七海さんの前作はこちら。↓

今回はこちらから「テレビドラマ」というキーワードを摘ませていただきました。それではどうぞ!

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同年代の友人に「これ世代だよね!」って言われるたび、「わかる~」と返しながら大抵(知らんけど。)と思っている。

テレビを観ない子どもだったので、小中学生の頃流行っていたブームにとんと疎い。90年代生まれだけど、おジャ魔女どれみもモー娘。も学校へ行こうも花男も野ブタも知らない。ミスチルの曲は社会人になるまで「箒星」と「旅立ちの唄」しか知らなかった。

「うちら世代ってみんなモー娘。歌えるし踊れるよね」と言われてもフルで歌える曲はたぶん1曲もないし、「おジャ魔女誰がいちばん好きだった?」と聞かれてもそもそもおジャ魔女が何人いるのかを知らない。


そんな会話を乗り切るために、小学生の頃の私が覚えたのが「質問して、教えてもらうこと」だった。

「それってどんな番組?」「どんなとこが好きなの?」

うまくパスさえ出せれば、あとはみんなが教えて会話をつなげてくれる。その会話で知識を得て、次に同じ話題が振られた時は会話についていける。

11~12歳ころ、はじめて覚えた「処世術」というやつだったように思う。


中高生になると、自分が知らないという事実を公表する必要もないと思うようになり適当に「わかる」「だよね~」で会話を進める術を覚えた。同意の合間に適度に「まじ?」と「やば笑」を挟めば、大抵の話題はどうにでも成立する。

あとは断片的な知識を流用して、花男の話題であれば「花沢類と道明寺どっち派?それともあえての美作さん派?」と聞いたり、学校へ行こうの話題であれば「屋上から告白するやつめっちゃ好きだった!」と言ったりと、徐々にリアクションのレパートリーを増やしていった。ちなみにミマサカさんが何者かは未だに知らない。


幼い頃は「プレツー持ってないとかありえない」とか「ポケモンやったことないとか人生半分損してる」だとか言われてしっかり落ち込んだりもしたのだが、まあこの歳になればそれもその人の主観だとわかってくる。知りたいと思えばこれから知ればいいし、興味がなければその時間で他の知識を得ればいい。人付き合いのために無理してテレビドラマやゲームの知識を詰め込む必要はないと思っている。


とはいえ、流行ものをあえて避けて生きているわけではない。話題のパンケーキに何時間も並んだこともあったし、噂のポップアップストアを訪れたりもした。今だって、インスタで見かけて気になった新作コスメを購入したりもする。

要は自分の興味次第でよいのだと思う。本当に好きなものは今楽しんでいつか「世代だよねー!」って懐かしめばいいし、今流行に乗らなかったものはいつか世代だねえって話しながら(知らんけど。)って思っておけばいい。


そんな感じのスタンスで、人とも流行とも適度な距離を保ちつつ生きていくのがいいんじゃないかと思っている。知らんけど。


#エッセイ #コラム #世代 #90年代 #平成生まれ #ゆるゆるいちごつみ

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