きみが濡れないように【短歌連作 vol.4】
1本をさして1本を手に持ち きみを迎えに雨降る駅へ
今頃は横浜のあたりだろうか きみが電車に忘れた傘は
「叱らないよ ちゃんと反省してるから」母のことばをふと思い出す
ねえ、そんな落ち込まなくて大丈夫 また同じ傘買ってあげるね
週末は2人で買い物に行こう 来週きみが濡れないように
・・・
私の実家は教育熱心な家庭でしたが、成績が思うように振るわなかったとき、母は決して私を叱りませんでした。
母曰く、「えみがちゃんと後悔と反省をしているからこれ以上叱る必要はない」とのこと。そのやさしさすら苦しくて、次の試験に向けてさらに勉強に励んだ記憶があります。
既に反省し、苦しんでいる人をこれ以上追い詰める必要はないのだと、母の教育で学びました。いつかくるかもしれない子育ての時期がきたら、きっと母のような親になりたいと思っています。
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