強がりのかくれんぼ【短歌連作vol.3】

人前で上手に笑えてしまうなら僕がこの目を覆った隙に
ゆっくりと息を吸い込んで、吐いて。
あの日ほんとは、どうしたかった?

「もういいかい」きみの返事が消えたって迎えにいくよ、あの夏の日に
喪失を抱えてしゃがみ込むきみに「見いつけた」って手を差し伸べる
あふれ出す涙も爪の傷痕も僕が絶対忘れないから
だからもう、どうか1人で泣かないで
四季をいっしょに見つけにいこう。


・・・

明確に、ひとりの女性を想って読んだ句です。ただ、私が一方的に憧れている方でこの連作をお届けすることもないと思うので、ここにひっそり供養させてください。

社交辞令が下手なことに悩むひとがいる一方で、人前で笑顔を取り繕ってしまうことに悩むひともいる。安易にひとの苦しみに寄り添ったり、ことばをかけたりすることはできないのだと、常々実感しています。
それでも何か声をかけたくて、ことばを届けたくて、私は短歌を詠んでいます。


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