見出し画像

鳥かご【ヒーリングフォト×短歌】

鳥かごは安全だからどこまでも羽を広げて飛ぶ夢を見た

かつて見た水平線のきらめきも今は隣の国のおはなし

絶望はたった一度で青空を灰色に染め羽はちぎれた

二度ともう僕は飛べない僕がまた飛べると思えずにいるせいで

勇敢な友がまた一人飛び立つ鳥かごの戸は開いたままで

なあきっと僕を笑ってるんだろう雀がかごを止まり木にする

・・・

風が夏の香りをはらみ鳥かごの鎖がギイとわずかに揺れた

夜だったのかもしれない、もうずっと醒めない夢を見ていたような

送り出すように片羽を持ち上げてそっと木漏れ日に透かしてみる

今日ならば飛べる気がした 古傷はとっくに羽で覆われていた

風鈴が三度鳴ったのを合図に呪いは解けて僕は飛び立つ

そして誰もいなくなった鳥かごを初夏の空気が駆け抜けていく


かわたゆかさんとご縁があって、ヒーリングフォトをプレゼントしていただきました。これはそのお礼として、ゆかさんの写真とコラボした短歌です。

はじめ、「鳥かご」をテーマに短歌を詠もうと思ってつくったのが前半。今の自分の状況もあって、どうしても暗い歌になってしまいました。

だけどこれじゃあゆかさんの写真のヒーリングがうまく伝わらない!と思い、鳥かごの写真をじっくり観察しながら詠んだのが後半です。鳥かごの扉は開いているし、中は空だし、光も差している。よく見たら、きっとここにいた鳥は飛び出せたんだなあと思えてきて、このような作品になりました。

ゆかさんのヒーリングフォトの魅力を引き出しきれているかは正直微妙ですが...公開してもよいかなと思えるクオリティまでにはなったので、載せます。

ゆかさん、素敵なプレゼントをありがとうございました!

ヒーリングフォトのポストカードはこちらで販売されているのでぜひ。このご時世、会えない大切な人にお手紙を出すのも、案外楽しいです。

#短歌 #note短歌部 #tanka #現代短歌
#ヒーリングフォト #コラボ #コラボ作品

よろしければサポートお願いします。頂いたサポートでエッセイや歌集を読み、もっと腕を磨いていきます!