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『内申点から国民を守る党』の支持者層

学歴界隈のカリスマに君臨しているじゅそうけん氏ですが、全国きっての管理教育県である愛知県で内申制度に苦しめられながら私立高校に進んだという経歴の持ち主でもあります。そんな彼が『内申点から国民を守る党』を結党してはどうかというツイートをしました。

じゅそうけん自身はカリスマであり、一見しては円滑なコミュニケーションができ、甘いマスクで女の子にも人気の面があります。しかし、彼をフォローしているいわゆる主な支持層にあたる陰キャ、根暗、ぼっち、ヲタク、ナード、ギーク、発達障害、〇ちゃんねらーなどの面々は、彼以上に内申点で苦しめられており、この党を支持するコメントが9割以上寄せられていました。
一方で、「けど高受でも私立行けば内申いらんやん」「これにさんせいしてる人は、そこまでこうがくれきじゃないのがこたえなんじゃないかとおもうんだよぉ」というものもありました。

さて、ここで勉強はその地域なりに最上位層でできると仮定して、副教科や行動面で優れている生徒(内申美人)とそうではない生徒で、都会と田舎で選択がどのように変化するかを考察してみました。

居住地と副教科の得手不得手による進路選択(えぐざま作成)

都会では中学受験をするなり、高校受験で私立を選択してしまえばこの問題が解決できます。現在議論しているのは最上位層ですから、大抵の家庭では副教科の話題抜きに中学受験するでしょうから、この問題がクローズアップされません。さらに言えば、この層が日本を将来的に牽引するわけですから、彼らの実感や課題意識が伴わないと問題の解消に大きく足を引っ張ることになります。

田舎でも、偶然勉強だけではなく体育をはじめとする副教科にも優れ、通信簿オール5タイプの子は公立最上位校への進学が可能です。問題は、副教科は才能や習いごとなどの経験がものをいうため、主要科目のような努力である程度どうにかするというのが厳しいものがあります。
そして、副教科に優れない生徒の場合、公立2~3番手校になるわけですが、大きめの県庁所在地の2番手校でまだまだ進学実績がいい高校ならまだしも、3番手校や人口がそこまで多くない学区の2番手校になれば、生徒学年300人で地方僻地国公立15人、MARCH1人、日東駒専10人みたいな悲惨な高校になります。高校受験模試で偏差値70以上、素点で460点以上の生徒が進むべき高校でないことは一目瞭然です。
つまり、先の意見にあった「この党に賛成している人はそこまで高学歴じゃない」のは当たり前で、そもそも高学歴になれる権利のある高校ではないのです。「高校受験でも私立行けば内申不要」といっても、私立高校自体が存在しない、あったとしても1校程度で進学体制が整っていない高校しかないこともよくあります。

しかも、支持者層はこの通り、進学について「結果として弱められている人」なので、当然学歴が低い、社会的地位が低いなど、声を挙げる力も弱い立場にあります。せめて筑駒や開成、灘では多数派の運動が苦手なメガネ君たちが卒業後に絶大な社会的権力で弱者の彼らに寄り添えばいいのですが、その実感を得られる機会がなく他人事ではどうにもなりません。
じゅそうけん氏が声を上げ続け、政治家の誰かが飯のタネとして面白いと気づくことを願うばかりです。


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