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【旧約聖書:7】イサクの犠牲②

アブラハムはさらに歳を重ねていたが、神は彼を見守っていた。
そこで、アブラハムは彼のしもべにこう言った。
「わたしの親族のところへ行き、わが息子イサクの妻を連れてきなさい。」

アブラハムのしもべは、らくだと財産を幾ばかりか携えて旅立った。
そして、ナホルの町へ入った。
夕暮れ時になり、女たちが水を汲みにでてくるころ、
井戸のそばに座り、彼はこう考えた。
自分とらくだに水を飲ませてくれるその娘こそ、
イサクの妻としよう、と。
すると、水がめを肩にのせてある娘がやってきた。
非常に美しい少女であった。
彼女は、水がめに水を満たし、泉からあがってきた。
しもべは、彼女にこう言った。
「その水がめから水を少し飲ませてください。」
彼女は快く、しもべとそのらくだに水を飲ませてくれた。
しもべは、彼女の様子をただ見つめていた、
イサクに本当にふさわしい娘かどうかを見極めるために。
そして、こう彼女に尋ねた。
「あなたの家に私を泊めてくださる場所はあるでしょうか?」
娘は答えた。
「らくだに与える藁もたくさんあります。
 あなたがお泊りになる場所も…」
しもべは、この娘こそ相応しいと深く納得した。
娘の名を、”リベカ”といった。
リベカは兄ラバンのもとへ走っていき、事の仔細を告げた。
ラバンは、しもべのところへ行き、我が家へ彼を迎え入れた。

ラバンの家に着いたしもべは、彼らにこう告げた。
「私はアブラハムのしもべです。
 わが主人は、神に祝福され、大いに富んでおります。
 そして、彼の息子のために妻を迎え入れよ、と申しました。
 そのために、わたしはこの地に遣わされ、
 それにふさわしいだけの娘、リベカを見つけたのです…」

それを聞くと、ラバンとその父ベトエルはリベカとイサクの婚姻を承諾した。
しもべは、彼らに金や銀など貴重な物を贈り、
そこに泊まった。
しもべは、リベカを連れてアブラハムの下へ向かった。
すると、イサクがリベカたちのらくだに近づいてきた。
リベカはしもべに尋ねた。
「あの方はどなたですか?」
しもべは答えた。
「わたしの主人です。」
イサクはしもべから全てを聞き、リベカを妻として迎え入れた。

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