見出し画像

,Rolling, rolling...

小川の淵を、白い睫毛の少女が歩く。

水は閑かに雲へ祝福の唄をうたっていて、木々は七色の声でうわさ話。

きっと世界は、はじまってもいない。

はじめから、終わっていたのだろう。

時も息も空気も、

何もかもが原点のまま、上にも下にも東にも西にもいかず

唯、留まっている。

翡翠色の牛の鳴き声。

ライラックの鶫。

凍った血管が、竪琴しながら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?