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ジャン・フランソワ・ミレー「落穂拾い」について



作者     ジャン・フランソワ・ミレー
     (フランスの画家)
制作年   1857年
美術様式  写実主義
所蔵者        オルセー美術館

「落穂拾い」は、1857年にジャン・フランソワ・ミレー(以降、ミレー)が制作した油彩画です。ミレーの代表作の一つと言われています。

3人の農民の女性が、収穫後の麦畑にこぼれ落ちた稲穂を拾い集めている様子を描いたもので、当時の農村社会の最下層にいた人々を同情的に描いたことで知られています。

写実主義の代表的な作品ですが、発表された当時のフランスの上流階級からは、大衆による反乱を想起させる作品と言われ、不評でした。

また、ミレーの「落穂拾い」は、33インチ×44インチ、つまり84×112センチという大きなサイズでした。

通常、この大きさのキャンバスは、宗教画や神話画に使われるものであり、労働を描いた絵としてはサイズが大き過ぎると言われ、その点においても評判はよくありませんでした。

ミレーの作品には宗教的なものは描かれておらず、神話的な信仰に言及したものもありません。

農村の貧困さと労働者階級のリアルな姿を表現している作品が多く、「落穂拾い」はその代表格にあたります。

この作品が発表した時点(1857年)ではあまり評価されませんでしたが、人々の美術作品にたいしての価値観に変化がおこりはじめました。

そして、1865年ぐらいから、ミレーの作品が高く評価され、人気を博していきました。


■後世への影響
「落穂拾い」の身体の曲がった農民の女性たちが収穫をする姿は、ピサロ、ルノワール、スーラ、ゴッホといった若い画家たちの作品に影響を与えました。


以上


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