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組曲/「生わさび」と「鮫皮おろし」



生わさびを鮫皮おろしですりおとすと、驚くほど香りが高くなり、まろやかな美味しさになります。いったいどうしてでしょうか?


〈目次〉
1.わさびの香り、辛味が発生するメカニズム
2.さめ皮おろしで空気を含みクリーミーなおろしわさびに

1.わさびの香り、辛味が発生するメカニズム


日本の清流に自生していたわさびは、水が豊かな国ならでは香辛料です。

今や寿司とともに外国人にも大人気で、特有の香りと辛みがクセになった、わさび好きが世界中に広がっています。

わさびの魅力であるツーンと鼻に抜ける辛味の主成分はアリルイソチオシアネートです。

これは、おろすことでシニグリンという配糖体が壊され、空気に触れることで生まれるものです。

細かくすればするほど、多くの細胞が空気にふれ、香りがたち、辛味も強くなり、抗菌作用も高まります。


2.さめ皮おろしで空気を含みクリーミーなおろしわさびに


金物のおろし器でもいいのですが、いったん鮫皮おろしを使うと、まったく味が違うことに気づくと思います。

江戸の昔、宮大工が木の表面加工に使っていた鮫皮を、木の板に打ち付けてわさびをすったのが発祥と言われています。

ザラザラとした鮫皮は驚くことに人間の歯と同じ固いエナメル質で、「の」の字を書くように円を描いてゆるゆるおろしていくと、徐々にわさびは空気をたっぷり含んでいきます。

ふわっと完成したおろしわさびは、きめ細やかでとってもクリーミーです。

香りも極上なうえ、刺し身に添えいただくとまろやかな甘味が感じられ、その後にすっとした辛味が鼻に抜けていきます。

驚くほど香りが高く、まろやかな美味しさを実感することができます。


参照先: 「オリーブオイルをひとまわし」Webサイト

以上

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