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スウェーデンのヨーデボリに行ってみて感じたこと

 2月の最終週に仕事でスウェーデンのヨーデボリ(Göteborg)という街に滞在する機会があったので、感想を書いておきたいと思います。


ウクライナ戦争でロシア上空を飛べなくなり、フライト時間が増えた


日本から行くには、ストックホルムへの直行便でいって、そこから1時間のフライトでいくか、電車か車でいくこともできるそうです。私は、今回は羽田から一旦フランスのシャルル・ド・ゴール空港でトランジットして、そこからヨーデボリ空港(GOT)へ向かいました。 ウクライナ、ロシア戦争前までは、ロシア上空を飛んで地球上の2点間をほぼ最短で結ぶコースを使えて11時間ぐらいでCDGまで到着できていましたがいましたが、戦争になってロシア上空を飛べなくなったので、現在は北極側に迂回して飛んでいるようです。14時間半もかかるのでなかなか遠いです。 そしてCDGで数時間待ってから、スウェーデンのGOT空港に向かい、夜中に降り立ちました。



ロシア上空を通る赤いルートが最短だが、北極上空へ迂回するので3時間ぐらい余分にかかる

現地この季節、2月末の気候。


 当然、2月終わりなので寒いのは覚悟していましたが、滞在中ほぼずーっと曇りと弱い雨が続いていました。日本も1月以降寒暖が激しいですが、その一番寒いとき程度かなと思いました。日光を浴びないとなかなか時差の影響が取れないと思います。


ずっと小雨で寒かった


街のサイズと特徴。


 日本の東京、大阪、名古屋と比べるとヨーデボリ全体でも58万人程度と比較的小さな街だと思います。
 数日しか滞在していなかったので、限られた経験しかないのですが、街にゴミも見かけず、危険な感じはしない街です。現地の皆さんと話しても夜もだいたい安全であるとのことで治安の良さを感じました。

 道路は、自動車と、歩行者と、自転車の車線がしっかり分離されているところが多かったです。自転車通路には、自転車で通勤されている方もとても多い上、電動キックボードや、低速の電動二輪車も走っていています。
自動車車線とは物理的に分離されているところが多いので、基本的に自動車との干渉が少なく、また歩行者の歩道とも分離されているので、かなり走りやすいと思います。
 日本のように、車道しかないところに、自動車、歩行者も自転車もという混合交通が少なくなるように設計し直したのだと思います。
 また、路面電車とバスも走っており、これらを利用する人もとても多かったです。日本のバスや電車のような詰め込んだ感じにはなっていないです。


自転車専用道路は低速の電気自転車や電動キックボードも走っている 危険性を感じない


人々が素直な気がした。


 先ほどの治安の話と通じますが、道路へのゴミ、酔っぱらい、ホームレスなどを見かけなかったです。一部注意したほうがよい場所があるとも聞きました。知らない人とも挨拶するし、まあ、欧米でみられる良い面だろうかと思います。

きれいな事務所。


 事務所は典型的な欧州の事務所で、一人ずつ大きな面積の昇降デスクがあり、静かな環境です。ドイツでもフランスでもそんな感じでした。このビル固有かもしれないですが、トイレは、すべて個室で男女別になっていないんですね。比較的広く個々に洗剤、手洗いができます。
 また掃除をしている人たちもアメリカのようなヒスパニックや黒人系ではなく人種的には白人でした。

割とフラットな組織運営らしい。


 仕事の進め方で気がついたことは、トップダウンで一方的に目標ややることを落としていく、という雰囲気が少なく、マネージメントクラス数十人が集まって、課題を整理していくという地ならし的なプロセスがあるようでした。日本の根回しや、コンセンサス策定とは異なる仕組みにも見えていますが、まだまだ真相はわからないです。

社員が事務所にもどってこない。


 会社幹部とあれこれ話すと、コロナウイルスでテレワークで働く習慣ができてから、なかなか事務所にもどってこず困っているとのことでした。リモートワークは、個人の所用もこなしながら、仕事もできるし、現在の円滑コミュニケーションツールを使いこなすことで世界中の拠点と打ち合わせもできるので、たしかに便利で効率を上げることができるのですが、一方、対面であれこれ話すことで、課題を共有し、新たな施策を生み出すという化学変化を誘発し難いとおもいます。これは、人々の知的労働に依存している会社ではかなり深刻な問題であろうとおもいます。米国のITジャイアントや金融セクターの会社が出社を必須とするのは合理的だと思っています。

EV化が進んでいた。

 ヨーデボリは自動車のVolvo(アメリカ人はボーボ、って発音する)の本社がある地域で、Volvo車とVWが多かったです。日本車も走っていますがわずかです。EVがかなり普及しているそうで、使っている人と話たのですが、彼はこの地域ではガソリンなどの燃料車に戻るつもりはない、と言っていました。どういうことかというと、ガソリンスタンドに行って燃料補給するという無駄な時間が減らせることがわかったから、ということでした。EVの方が充電に時間かかるだろうと、ちょっと不思議に思ったで突っ込んだところ、EVの充電は自宅で寝ている間に終わっている。遠方にいっても用事をしている時間に補充電は終わっている。走りも全く不自由はない、とのことでした。特に寒い地域なので冬はどうなのか、と聞いたところ、当然ながら走行距離は短くなるが、彼の使い方では何ら問題ない。面白かったのは、寒いとフルに充電できなくなるので、テスラでもあるようにバッテリーヒーターで温めるそうです。毎日の利用パターンを車が知っていて、夜中にバッテリーヒーターが稼働して1時間半かかってバッテリーが温まったら、充電が始まり、起床するときには充電は完了していてバッテリーも温まっているそうです。なかなか燃料車に慣れた日本の感覚とは違います。 ただ彼も、充電設備が多いこの地域だからEVが便利だが、欧州の南側にいくなら普通のガソリン車を使う、と言っていました。


夏に行ってみたい!


 数日の滞在でヨーデボリを離れたのですが、できれば季節のよい5月から7月に休みをとってきたいと思いました。真夏も25−28度ぐらいにしかならず、晴れで極めて快適に過ごせるそうです。

 車で南へ4時間いけばコペンハーゲン、北にいくと壮大な自然があり人が少なく素晴らしい場所のようです。

夏に行きたい場所になりました。

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