福良雀

小説書いてます。

福良雀

小説書いてます。

最近の記事

ため息のプレイブック

「どうでもいいことでうじうじすんな」 「しょうもないこと気にすんな」 「いつまでそんなこと言ってんの」 親によく言われてきた言葉です。 ふと力が抜けると、ため息ばかりついてしまいます。ため息の数だけ幸せが逃げる。僕は何万の幸せを逃してきたのでしょうか。そもそも、僕に何万何億という幸せが元々あったのか、というのも疑問です。 『世界にひとつのプレイブック』という映画が好きです。何度も見返しました。 別れた妻のことをいつまでも引きずっている男パットと、未亡人の女性ティファニーが

    • 走れ

      「人見知りと人嫌いは違う」 最近そんな言葉を聞きました。 人見知りは、知らない他人に対して遠慮がちになってしまう。 人嫌いは、とにかく人との接触を避ける。 そんな違いがあるようです。 小説を書いてます。 元々はお笑い芸人を志していたのですが、作るネタが長すぎたことで当時のショートネタブームに乗り切ることができず、その上コンビやトリオなどの活動も人間関係が理由でなかなかうまく継続できずに、やめたといった感じです。 紆余曲折あり、長すぎるネタを作るくらいなら、小説にしてしま

      • 『も』うれつにやる気がないです。 『も』うそれはそれは、なにも思いつかないほどです。 いつも、なにかを書きたいときは大体タイトルも同時に決まったりします。 僕のそういった文章や作品は、タイトルが内容のテーマ性やコンセプト性を表しているものが多いからかもしれません。 しかし今日はなにを書こうにも、タイトルから内容までまったくもって思いつかず、更新をやめようかと閉じようとした際に、タイトルに『も』という文字を打ち込んでしまったので、今日のテーマ性は『も』となりました。 『も』

        • a.m2:00〜a.m6:00

          今日も夢を見ました。 目を覚ますと、少しのあいだ、現実がどっちかわからない時間が続きます。 そして自分の身体の大きさや感覚を思い出して、確かに息をしていて、生きていて。 隣で眠る妻を見て、ここが現実なんだと再確認して、ああよかった、そう安心して、僕の一日は始まります。 初恋の相手は、小学校六年のときに隣の席だった子です。 当時は恋心だとは知らず、ただその子と毎日顔を合わせて話すことが楽しかっただけでした。 恋心と自覚したのは、卒業して半年ほどが経ったとき。 中学で所属して

        ため息のプレイブック

          サスペンスとミステリー

          「レストランの時限爆弾」という例え話があるようです。 レストランで食事をしている男性二人がいて、そのテーブルの下には時限爆弾が仕掛けられている。 突然爆発したらミステリーとなる。 爆発する前に、爆弾の存在を読者が知るとサスペンスとなる。 映画や作品のジャンル分けの話です。 僕の解釈なので、具体的には諸説あるし色々考えられると思います。 「レストランで男性二人が食事している」シーンから始まり、片方の男性が床にフォークを落としてしまう。拾おうと身を屈めたら、テーブルの下の時限

          サスペンスとミステリー

          傷にそっと。

          小説を書いてます。 書いてます、と言っても、さほど作品を完成させたことがありません(じゃあ何してんだよ)。 過去にお笑い芸人をしておりました、と言っても、それほど活動しておりません(ほんと何してんだよ)。 十代の初めに志し、それから養成所に通ったり、誰でも出れるフリーライブ(アマチュアからプロまでエントリー料を払えば出演できるライブ)に出たり、師匠と思ってない人の弟子になってしまったり、親友ができたり、でも友情を感じていた人と女性関係でトラブルになって疎遠になったり……。

          傷にそっと。

          くちびるがしょっぱい⑤ 美しく

          小さい頃から、湯船が嫌いでした。 熱いし、じっとしてらんないし。 父に無理矢理、浸からされたのを覚えております。 頭を掴まれて、沈められて。 「男は我慢しろ」 溺れかける息子を父は笑ってました。 だいぶ。 そうして、いまも生きております。 ここ最近の「ふむふむ」な日々。 お弁当ばかりの「ふむふむ」な生活。 寝不足な「ふむふむ」した生活。 そうして色んな巡りが悪くなって、湯船に浸かってみました。 頭まで浸かって、少し怖くなって。 勢いよく顔を出して。汚れは流れたはずなのに、

          くちびるがしょっぱい⑤ 美しく

          くちびるがしょっぱい④ アレテー

          美しくありたいです。 正直、まだ自分のジェンダーがはっきりしておりません。女性が好きです。でも、男性も憧れるし、惹かれます。 いま少しゆっくりした時間を過ごせているので、いずれ自身のジェンダーをちゃんとした機関で調べてみようかと思っております。 おそらくではありますが、少し複雑な何かがあることはわかっております。 親にも友人にも、話したことはありません。妻は知っております。そして数多くの人の中から、僕は妻という女性を選びました。理由はたくさんだし、しっかりとした一つの理由もあ

          くちびるがしょっぱい④ アレテー

          くちびるがしょっぱい③ 明るさと憧れ

          寝れなくて夜更かしをしました。 そして久しぶりに、バラエティ番組を見たのです。普段はほとんど、テレビを見ません。 日本のスターたちが勢揃いする番組です。 特番なのですが、この番組が小さい頃から好きで、ついつい見入ってしまいます。 活気溢れ、楽しくて、時間を忘れさせてくれるからでしょうか。とにかく出てる人たちみんなが、明るいからでしょうか。 夕方の十八時から、二本立てで、深夜の三時までぶっ続けで見てしまいました。 深夜枠には、尊敬する有吉弘行さんが出演しているので、やはりつ

          くちびるがしょっぱい③ 明るさと憧れ

          くちびるがしょっぱい② 羊たちの沈黙

          ここ最近、ある映画を見ました。 作品名は、言いません(ごめんなさい)。でも、その作り手や関係者の方々にも、生活があり、家族があり、商売があり。 邪魔してしまいたくないので(そしてこれを読む人の解釈が偏ってほしくはないので)、言及はなるべく避けます。 ある少女がいます。ある男性と出会います。見惚れます。惹かれます。ふたりで旅に出ます。その少女はとある過去を経験していて、そしてある使命を感じ、ある行動に突き動かされます。男性が死んでしまって、少女はあることに気づき、そして行動に

          くちびるがしょっぱい② 羊たちの沈黙

          くちびるがしょっぱい① ふむふむ

          例えば、突然、耳元で「君を孕ませたい」なんて言われたら。 例えば、「俺の子どもを産んで」みたいな。 あんまり、考えたくはないですが。 でも、家族に性的な目で見られる。薄着をすれば、いやらしい視線を送られる。そんなことは、もはや日常茶飯事なことだったりするのでは、とか。昨今、いろいろ、思います。 渦巻く願望やら、ひとりの男性が抱えている悶々とした欲望やら。 でも、その男性が産まれることも、時を経て子を持つことも。 そんな欲求が人となり、形となり、力となったということなわけで。

          くちびるがしょっぱい① ふむふむ